1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:21:50.09 ID:L5LSM7nxO

3月も無事に終わって、4月1日、日曜日の事だった。 
突然、ラボ内にケータイの着信音がけたたましく響く。 
ダルはケータイを取り出すと、そのディスプレイを見て、少し躊躇した様子で耳に添えた。 

至「はいもしもし」 

至「え? 誰が?」 

至「僕が? 父さん?」 

至「君の?」 

至「なに言ってんの?」 

至「は? 岡部倫太郎に代われ?」 

至「なぁオカリン、謎の女が代わってくれってさ」 

ダルが少しニヤけながら、ケータイを差し出してくる。


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:23:16.80 ID:L5LSM7nxO

不思議に思いつつも、俺はそれを受け取った。耳に添える。 

倫太郎「誰だ?」 

???「オカリンおじさん!今すぐラジ館の屋上にきて!」 

受話口から聞こえてくるのは、確かに女の声だ。 

倫太郎「だから誰だよ」 

???「あたしは、橋田至の娘。そして、未来から来たタイムトラベラー」 

鈴羽「名前は、橋田鈴だよ」 

倫太郎「え……?」 

倫太郎「ちょ、ちょっと待て!何でお前が――ここにいるんだ!」 

ていうか――こんな展開、前にもあったような。


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:24:10.72 ID:L5LSM7nxO

ラジ館の屋上に出ると、春の暖かい陽光が俺を包み込んだ。 
燦々と照らしてくる日差しが眩しくて、たまらず手をかざす。 
徐々に明るさに目が慣れてくると。 
フェンスで囲まれた屋上の真ん中。 
一見、人工衛星のような。 
鏡のように景色を反射する、ソーラーパネルを両端に備え付けた円筒形の機体。 
以前見た形式のものより、かなり洗練されたフォルムの――、 
所謂タイムマシンが鎮座していた。 
間違いない。やつがいる。 
屋上に視線を巡らせていると、タイムマシンの陰から見覚えのある女がひょっこりと姿を現した。 

鈴羽「オカリンおじさん!」 

それは例によってダルの娘、バイト戦士及びジョン・タイターこと――阿万音鈴羽である。 

倫太郎「今度はいったいどうしたというのだ……?」


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:25:05.71 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「そうそう、大変なんだよ!おじさんが……このまま行くと、おじさんが死んじゃうんだ!」 

倫太郎「え?」 

今、鈴羽は何といった? 
俺が死ぬ、と。 
そう言ったのか? 

鈴羽「さ、早く!おじさんを別のアトラクタフィールドへ逃がさなきゃ!」 

言い終わるや否や、鈴羽は腕を絡めて引っ張ってくる。 
それはすごい力で、抵抗するも、タイムマシンに向けてどんどん引きずられた。 

倫太郎「やめろう!」 

なんとか踏ん張る。 

鈴羽「なにしてるの!おじさん、早く……っ!早くしないと!」 

倫太郎「ま、待て待てーい!ちょっと待て!」 

鈴羽「な、なんなのさぁ!事態は急を要するっていうのに!」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:26:18.82 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ふんぬっ!」 

鈴羽「うわわっ!」 

絡められた腕を振り払う。 

倫太郎「まずは順を追って説明しろ!何が起こっているのか、状況がさっぱり理解出来ん!」 

鈴羽「そんな悠長な事を言ってる場合じゃ……!」 

倫太郎「悠長だろうとなんだろうと、俺はもうタイムマシンには乗らんと誓ったのだ!」 

倫太郎「よほどの理由がない限りはな!」 

そもそも、この不確定な未来が待っている混沌の地に鈴羽がこうして現れた時点で、 
俺にとっては青天の霹靂に他ならない。 
今まさに、地雷原で自転車を漕がされているような気分なのだ。


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:27:48.74 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「お前、ついさっき俺が死ぬ、と言ったよな?」 

鈴羽「言ったよ。死んじゃうんだ、本当に!」 

クッ、やはり俺の聞き間違いという訳にはいかないか……。 

倫太郎「そ、それは何故だ!」 

思わず興奮してしまい、半ば怒鳴り声となった俺の問いに鈴羽は眉をひそめた。 
目の前の鈴羽が、ゴクリと息を呑む。 

鈴羽「それ、言わなきゃダメ、かな……?」 

倫太郎「言わないならば、俺がここにいる理由はない」 

鈴羽「うーん……」 

バツの悪そうな顔で逡巡しながら、チラチラと俺を見てくる。 
死亡宣告を受けてしまったこの俺に、気を遣っているのだろうか。 

倫太郎「構わん。言ってくれ……」 

鈴羽「わ、わかったよ」 

決心したのか、それとも諦めたのか、鈴羽は力なくため息をついた。


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:28:36.75 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ならば、まずは俺の死亡原因を聞かせてくれ……」 

せっかく助けに来てくれた鈴羽には悪いが……。 
もしも、自然的な死であるのならば、俺にはそれを受け入れる覚悟があった。 
なぜなら、本来死ぬはずの俺が助かるという事は、因果律をねじ曲げるということ。 
それがたった一つの事であろうと、バタフライ効果によって、 
未来に多大な影響を与えてしまうかもしれないからだ。 
世界線を移動する事で、下手をすれば、未来で第三次世界大戦が起こるかもしれない。 
未来で、SERNによるディストピア構築が成されるかもしれない。 
要するに、短絡的な過去改変は、この大切な世界を致命的に傷つけてしまう恐れがあるのであって、 
俺一人の命のために、そんな危険は冒すべきではないのだ。 

鈴羽「う、うん。えっと――」 

鈴羽「おじさんのそもそもの死亡原因を作ったのは、PSP版比翼恋理のだーりんが発売した事だった」 

倫太郎「なに?だーりんだと?」


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:30:47.78 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「そうだよ」 

倫太郎「なぜ、そんなものが……?」 

鈴羽「そ、それは……」 

倫太郎「言葉を選ぶ必要はない。遠慮せずに言ってくれ」 

鈴羽「それは……ラボメンガールズが、PSP版発売によって、ようやくだーりんをプレイ出来る状況になったから」 

倫太郎「なに……?」 

鈴羽「ラボメンガールズは全員、XBOX360については不所持だった」 

鈴羽「だからみんな、PSP版が出るのを待ってたんだよ」 

ふむ……。 
しかし、俺が死ぬ事とラボメンたちがPSP版だーりんをプレイする事の、 
どこに因果が発生するというのだ? 
いま一度、思い起こしてみる。 
比翼恋理のだーりんといえば、元はXBOX360で発売された、『Steins;Gate』のIfストーリーが収録されたADVゲームだ。 
それは、本編とは別の世界線変動率3%――δ世界線にて、 
ラボメンたちとのあったかもしれない物語を描いたものとなっている。 
全てのルートが、甘酸っぱい恋物語へと展開していく、言わば本編を戦い抜いた戦士たちに贈る一種の癒やしである。 
一部アッーなのもあったが、あれはあれで俺も彼の健気さに泣きながらプレイしたのはいい思い出だ。


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:32:01.96 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ええと、なんだ。ラボメンガールズたちがだーりんをプレイして……」 

ハッ――まさか。 

鈴羽「そう、彼女たちは識ってしまったんだ。ある可能性世界線の記憶を、“思い出して”しまったの」 

魔眼、リーディング・シュタイナーの亜流『リコーリング・シュタイナー』!!! 

鈴羽「そこからは、ひどいものだったよ……」 

鈴羽は目を伏せて、いやいやをするように首を振った。 

鈴羽「始まったのは、おじさんの“とりあい”。第一次ラボメン大戦の開戦」 

倫太郎「そんな馬鹿な!」 

なんだそれは!聞くからにアホっぽいではないか! 

鈴羽「馬鹿でもなんでも、実際に起こった事なんだ!」 

倫太郎「ぐっ……!」 

鈴羽「岡部倫太郎が、彼女たちを守るために、決して諦めなかったように」 

鈴羽「彼女たちもまた、岡部倫太郎を決して諦めなかった」 

ここだけ聞くと、なんだか嬉しいやら照れるやらで済むのだが……。


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:34:04.30 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「戦いは長引いた。数ヶ月にも渡ったんだ。しまいには、ディソードまで持ち出される始末だった」 

ディソードってなんだ!? 

鈴羽「長い戦いの末、ラボメンガールズたちは疲弊して、下手をうてば全員同士討ちになりかねない状況まで陥った」 

倫太郎「嘘だろ……そんなにもか!?」 

鈴羽「本当だよ、もう限界だった。そんな中、ある話し合いにより、彼女たちの間で一つの案が出された」 

鈴羽「発案者は、牧瀬紅莉栖」 

……だんだん怖気がしてきた。 

鈴羽「ラボメンガールズたちはその案に同意し、それぞれ刃を収めた」


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:34:55.56 ID:L5LSM7nxO

争いを収め、俺を死に至らしめる紅莉栖の提案……。 

倫太郎「……」 

俺は、たまらず眉間をつまんだ。 
頭が痛い。 
まるで銃を突きつけられた時のような、首筋がチリチリするような焦り。 
恐怖。 
今すぐこの場に座り込んでしまいたいくらいに、ガクガクと足が震えた。 

鈴羽「そして、その案がとうとう実行に移されて、おじさんは……」 

倫太郎「お、俺は……?」 

訊くと、鈴羽は今にも泣き出してしまいそうな顔で、 

鈴羽「オカリン、おじさんは……」 

言葉に詰まりながら、驚愕の結末を口にした。 

鈴羽「分配、されたんだ……。全員に、均等に……」 

倫太郎「分……配……?」 

鈴羽「あ、ちなみに分配って言うのはね――」 

倫太郎「いやいい!言わなくていい!もうわかった!」 

ひええ。 
ニュージェネ事件に匹敵する猟奇っぷりだ!


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:37:24.21 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ち、ちなみにルカ子もそれに荷担したというのか?」 

あのルカ子の事、そんな恐ろしい事が出来るとは到底思えないのだが。 

鈴羽「漆原るかは、本人の代わりに漆原栄輔が参戦してたからね」 

倫太郎「よし行こう!すぐ行こう!鈴羽、今すぐタイムマシンを起動するのだ!」 

もはや已むをえん! 

鈴羽「オーキードーキー!」 

俺の発令により身を翻した鈴羽が、タイムマシンの外部パネルを操作した。 
ハッチを開けるためだろう。 
しかし、しばらく操作して、鈴羽は首を捻った。 

鈴羽「あっれー?おかしいな……」 

倫太郎「どうしたのだ!」 

鈴羽「指紋認証が受け付けられないんだよ」 

倫太郎「なに!?」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:38:35.67 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「どうしよう、これじゃドアが開かない……」 

そんな馬鹿な事があるのか?まさか、故障? 

倫太郎「く、来るときはどうだったのだ?」 

鈴羽「え?」 

倫太郎「ここに来たという事は、タイムマシンに乗ったという事だ!」 

倫太郎「その時はどうだったのか、と聞いている!」 

鈴羽「ど、怒鳴らないでよ」 

倫太郎「あ……すまん」 

鈴羽がポリポリと頭をかいた。 

鈴羽「えっと……来るときは、そう、父さんがハッチを開けて――」 

それだ!ダルのアホ!!! 

倫太郎「なんだよ!一番大事なところで抜かってるではないか!」 

鈴羽「どういうこと?」 

倫太郎「お前、それは本気で訊いているのか!?」 

鈴羽「だから、怒鳴らないでってば……。オカリンおじさん、こわい……」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:39:20.44 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「クッ、こうなればダルを呼んで開けてもらうしかないか……!」 

鈴羽「父さんを?」 

こうなれば、タイムマシンの扉を開けられるのはダルの指紋しかない! 

倫太郎「そうだ!お前はここでタイムマシンを見張っていろ!」 

鈴羽「う、うん!わかったよ!」 

ラジ館の階段を半ば飛び降りるように駆け下り、走ってラボに向かう。 
途中で何度かすれ違う人と肩がぶつかり、背後から怒声や罵声を浴びせられるが、 
今はなりふり構っているヒマなどなかった。 
狭い裏通りを駆け抜け、俺はようやくラボのある大檜山ビルへとたどり着いた。 
ゼイゼイと呼吸をする。 
だが、いくら肩で息をしようとも、肺に酸素が入ってくる気がしない。


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:41:07.42 ID:L5LSM7nxO

ラボの扉を開けて飛び込むと、まゆりが一人でちくちくと裁縫していた。 
室内はシンと静まり返っている。 

まゆり「あ、おかえり~ん♪」 

俺に気付いたまゆりが、小さく手を振ってきた。 

倫太郎「まゆりかっ……はあ、はあ!」 

まゆり「ど、どうしたの? オカリン、すごい汗だよ。大丈夫?」 

俺の尋常でない様子に、まゆりがコス作りの手を止めた。 
ソファから立ち上がると、心配そうに歩み寄ってくる。 

倫太郎「だ、大丈夫……だっ!はあ、はあ」 

倫太郎「それより……ダルを知らないか?」 

ラボ内に視線を巡らす。 
が、ダルの巨大は見あたらなかった。 
さっきまで居たのに、どこへ行ったというのだ! 

まゆり「それが……」 

突然、しゅんとする。


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:42:19.47 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ん……?」 

まゆり「ダルくん、今は手のひらが“焼け”ちゃって、病院なんだよ……」 

倫太郎「なん……だと?」 

手が、焼けた!? 
焼けただと!? 
ダル、大丈夫なのか!? 
俺が狼狽えていると、まゆりは唇に人差し指を当てて、何かを思い出すように首を捻った。 

まゆり「なんだっけ、えんさん?」 

倫太郎「えんさん……え、塩酸だと!?」 

まゆり「うん……手がね、じゅーって」 

いや、そんなの聞きたくない! 
本気でゾッとする。 
ひええ。 

まゆり「それでね、まゆしぃね、なにもできなくて、今まで“ダルくん、ごめんね、ごめんね”って……」 

更に、しょんぼりとして肩を落とした。 
その割に、普通に挨拶もしてきたし、今なんて裁縫していたような気がするが……。


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:44:28.68 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「……!!」 

そこで、俺は気付いてしまった。 

まゆり「???」 

まゆりのトートバッグから覗く、茶色い、いかにも薬品を入れるようなガラス瓶を。 
まさか、まゆりがダルの手を? 
なぜだ……? 
今までの話と照らし合わせ、一つの答えが像を結ぶ。 
手が焼ける。 
指紋が無くなる。 
と、言うことは、タイムマシンのハッチは未来永劫に開く事はない。 
俺の逃げ場は完全に無くなったということ。 
まゆりは、――未来で――分配されてしまった俺の一部の持ち主。 
ダルの手を焼いたのは――まゆり。 

倫太郎「ま、まさか……」 

ど、どうやったのかは知らん。 
だが――。 

倫太郎「まゆり……?」 

おそるおそる、呼びかける。


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:46:29.63 ID:L5LSM7nxO

まゆり「うん?なにかなぁ」 

まゆりの顔は、いつものような、ほわほわした微笑み。 
だが、何かが違う。 
陽光のような、あの暖かさが感じられない。 

倫太郎「お前……タイムリープしてねぇ?」 

たまらず訊いてしまった。 
いや、そうとしか思えなかった。 
PSP版の発売されていない今この時点で、まゆりがダルや鈴羽の行動を阻止する事は不可能。 
そうする“理由”が無いから。 
すなわち……まゆりは、タイムリープしている! 
たまらず距離をとり、見慣れたはずの幼なじみの顔を眇見る。 
すると、まゆりは今まで見たことのないくらい、冷たい笑みを浮かべた。 

まゆり「えっへへー♪バレちゃいました。さすが、オカリンだね」 

倫太郎「あ……あ……っ!」 

まゆり「でもね、勘違いしないでほしいんだ。まゆしぃはね、オカリンを護るために未来から来たんだよ?」 

倫太郎「くっ……!」 

そんな事を言って……ダルの手を焼いたじゃないか!! 

まゆり「さ、オカリン。まゆしぃと一緒に行こう?」 

差し伸べられた小さな手。 
今の俺にはそれが、とてつもなく恐怖に感じられた。


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:51:06.18 ID:L5LSM7nxO

俺は再びラジ館の屋上に来ていた。 
結局まゆりが怖くて、あの場からすぐに逃げ出したのだ。 
途中、ダルが心配で電話してみたが、やはり病院で治療を受けているのか出ることはなかった。 
そして、すがるような気持ちでここに戻ってきたのだが。 

倫太郎「おーい!鈴羽! どこにいる!」 

いるはずの鈴羽を呼んでみるが、返事はない。 
おかしい。 
タイムマシンを見張っていろと言ったのに、屋上に鈴羽の姿は見当たらなかった。 

???「鈴羽って誰の事?」 

倫太郎「!?」 

タイムマシンの陰から声がした。 
続いて、 

紅莉栖「ひょっとして、他の女なの?」 

声の正体が歩み出てきた。 
その視線は鋭く、俺を射抜くように真っ直ぐ見据えてくる。 

倫太郎「助手!」 

紅莉栖「助手じゃない」 

倫太郎「え……?」 

そして、呼びかけに返ってきたのは、重く、冷ややかな声。


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:53:56.63 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「く、紅莉栖……」 

紅莉栖「なに?」 

今度は、ニッコリと微笑む。 
しかし、その顔もまゆりのそれと同じ雰囲気を醸し出していた。 
こいつは……タイムリープ・紅莉栖なのか? 
俺の頭の中に、危険信号が走る。 

倫太郎「こ、ここにいた……おさげの女を、し、知らないか?」 

本能が逃げろ逃げろと身体に訴えてくるが、これを訊かずにはいられない。 
彼女はもはや、最後の希望だ。その鈴羽はいったい……。 

紅莉栖「やっぱりあの女か……」 

倫太郎「!?」 

紅莉栖「残念だけど、彼女ならもう“いない”わ」 

倫太郎「……っ!」 

“いない”って……どういう、事だ……!? 
そんな疑問を見透かしたように、紅莉栖はもう一度、ゆっくりとした口調で繰り返した。 

紅莉栖「もう“いない”」 

全身に戦慄が走る。


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:55:04.36 ID:L5LSM7nxO

タイムマシンを封じるために――ダルは、まゆりによって手を焼かれた。 
いくらなんでも過激すぎる手段だ。 
となると、俺を他のアトラクタフィールドへ逃がそうとした鈴羽はどうなった……? 

紅莉栖「あんたがそこの扉を開けて出てくる数秒前に、なんでか“飛び降り”ちゃったのよね」 

倫太郎「な……に……?」 

途端に、気が遠くなる。 
意識が遠退いたために本能がそうさせるのか、俺の耳は研ぎ澄まされた。 
ラジ館の前。 
この屋上の真下からは、人々の悲鳴が聞こえる。 
悲鳴。悲鳴。悲鳴。 
ゾワリと、全身が総毛立った。 

倫太郎「鈴羽っ!!」 

フェンスに駆け寄る。が、下はよく見えない。 
確認できるのは、飛び散った血と大勢がどよめく気配のみ。 
胃の内容物が一気にこみ上げてきたような感覚に、俺は激しくえずいた。 

紅莉栖「へぇ、彼女、あんたの大切な人だったんだ?」 

背後から声。 
それはまるで、紅莉栖の声ではないみたいに冷たい。


44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 22:58:59.55 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「……紅莉栖。 お前が……やったのか……!」 

振り返らないまま訊く。 
いや、振り返れないといった方が正しい。 
出来れば、それが勘違いであってほしい。 
だが、 

紅莉栖「……そうだとしたら?」 

紅莉栖から返ってきたのは、残酷すぎる真実であった。 

倫太郎「……っ!」 

まるで、頭をガツンと殴られたような衝撃。 
俺は、ヨロヨロとその場に膝を突いた。 

倫太郎「なぜだ……ッ!なぜ、そんな事を!」 

そして、次に聞こえてきたのは、 

???「凶真が悪いニャ」 

倫太郎「!?」 

紅莉栖とは違う声。


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:00:23.42 ID:L5LSM7nxO

驚いて振り返ると、 

フェイリス「凶真が、フェイリスたちから逃げようとするからニャン」 

萌郁「……ん。逃げちゃだめだ……逃げちゃだめだ……逃げちゃ……」 

紅莉栖の横には、いつの間にかフェイリスと萌郁が立っていた。 
フェイリスはいたずらっぼく笑み、萌郁はブツブツとなにかを呟いている。 

倫太郎「なんでだよ……なんでお前らまで……!」 

紅莉栖「もう、あんたは逃げられないのよ」 

倫太郎「クッ……」 

紅莉栖「岡部が私たちに“分配”されるように、全ては収束するの」 

フェイリス「やっぱり、いくら凶真といえど、決定論的な力に支配された世界からは、絶対に逃れられないのニャ」 

ダメだこいつら……。 
既に目的が、俺を分配する事にすり替わってしまっている。


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:03:04.84 ID:L5LSM7nxO

紅莉栖「でも、岡部が私たちに殺し合いを望むなら、それも悪くないわ」 

フェイリス「そんな事言っていいのかニャ、クーニャン?言っておくけど、今度は負けないニャ」 

萌郁「……望むところ」 

倫太郎「そ、それはダメだっ!!」 

紅莉栖「なら、話は決まりね」 

フェイリス「生きてる凶真と一緒になれなくて、残念だニャン」 

倫太郎「……っ」 

紅莉栖が、フェイリスが萌郁が、じりじりと歩み寄ってくる。 
俺は逃げ場もなく。 
ただ、背後のフェンスに背を押し付けて悶えた。 
その時だ。 

まゆり「みんなー、お待たせー♪」 

漆原父「いやあ、遅くなりました。鳳凰院君は……居るようですね」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:04:36.47 ID:L5LSM7nxO

重厚な金属のドアが開いて、まゆりとルカパパが現れた。 
さっきから、状況は悪くなる一方だ……。 

まゆり「クリスちゃんクリスちゃん、頼まれてたノコギリ、ちゃんと持ってきたよ~♪」 

紅莉栖「サンクス、まゆり」 

終わった。 
全てが終わった。 
もはや救いなど、一つも期待できない。 
俺は、こんなところで殺されてしまうのか……。 
しかも、よりにもよって、なにより大切な仲間たちの手で……。 
紅莉栖が、まゆりの手からノコギリを受け取る。 
俺は囲まれていて、逃げ場などない。 

紅莉栖「大丈夫、岡部。苦しまないようにしてあげるから」 

冷たい目で、うっすらと笑みを浮かべる紅莉栖が俺を見下ろしてくる。


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:06:03.46 ID:L5LSM7nxO

ノコギリが骨を削る音を想像して、身体の芯まで寒くなった。 
まさか自分が、こんなスプラッタな事件に被害者として巻き込まれるなんて、思ってもみなかった。 
神を冒涜した俺の罪は。 
こんなにも残酷な罰によって購わなければならないのか。 
震える肩で、大きく息をつく。 

倫太郎「……。これも……運命石の扉の選択、なのか……」 

まゆり「そういう事、なのです」 

まゆりの声を聞いて、俺は口を結び、きつく目を閉じた。 
数人の、ラボメンたちの歩み寄ってくる足音。 
怖い……。 
何が死ぬ覚悟は出来ている、だ。 
全然そんな事ないではないか。 
……なあ、狂気のマッドサイエンティストよ。 
ラボメンたちの足音が止む。 
すぐそこで、紅莉栖たちが佇んで見下ろしているような気配。 
全員が、落ち着いた息遣いをしている。


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:08:10.36 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「っ!!」 

突然、頬に冷たい感触。 
一瞬、俺にはそれがノコギリだと思えて身体が勝手にビクリとした。


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:10:49.13 ID:L5LSM7nxO

だが、 

紅莉栖「プッ、あはははっ!」 

紅莉栖の吹き出す声にびっくりして目を開けると、 
俺の頬に添えられていたのは、彼女の手だという事に気がついた。 

倫太郎「な……に……?」 

そして、紅莉栖の肩越しに見える――プラカードを掲げたダルと鈴羽の姿。 
“ドッキリ大成功” 
プラカードには、そう書かれていた。 

倫太郎「え!?」 

萌郁「……ん。……テッテレー♪」 

さらにびっくりして全員の顔を見回した俺に、頷いた萌郁があのSEを口ずさむ。 

倫太郎「な……」 

ラボメンたち「ドッキリ大成功!」 

俺はたまらず仰天した。 

倫太郎「な、なな……」 

まゆり「え? バナナ?」 

倫太郎「違う!というか、なんなのだこれは!なんなんだお前たち!」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:13:21.90 ID:L5LSM7nxO

紅莉栖「だからドッキリだって。そう書いてあるじゃない」 

倫太郎「やかましいわ! こんの馬鹿者どもめがーーっ!」 

いくらなんでも、これはたちが悪すぎるぞ! 
こんなドッキリをかまされた日には、ガンジーでも怒ってその日のうちに暗黒面に堕ちるレベルである。 
ていうか、今まさにクソとションベンを同時に撒き散らしてしまうところだったではないか! 
くそう。……怒ろうにも腰が抜けて立ち上がれない。 

紅莉栖「いやー、あんたの顔、真に迫ってて良かったわ」 

フェイリス「うんうん。真っ青だったニャ」 

るか「ごめんなさい、おか……じゃなかった、凶真さん」 

当たり前だ!ガチだと思ったのだからな! 

紅莉栖「それにしても岡部、ゲーム一つであんたの“取り合い”が起こるって本気で信じたの?」 

倫太郎「そ……それは……」


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:14:11.27 ID:L5LSM7nxO

紅莉栖「ちょっと自意識過剰すぎるんじゃない?自重すべき」 

倫太郎「ぐっ……」 

ラボメンガールズたち「……」 

倫太郎「えっ?」 

心なしか、ラボメンたちが紅莉栖を睨んでいる気もするが、きっと俺の気のせいだろう。 
見なかった事にしておく。 

倫太郎「な、なんにしてもお前たち、とんでもなく手の込んだイタズラを仕組んでくれたものだな!」 

鈴羽「いや~、それがさ、そんなに手は込んでないんだよねぇ」 

倫太郎「なに!?」 

倫太郎「お前の飛び降り演出など、手が込んでいたとしか言いようがないではないか」 

あの飛び散った血とか、下で騒いでいた人々とか。 
エキストラまで雇ったのかと思ったのだが。 

鈴羽「ああ、あれは彼の演出だよ」 

鈴羽がタイムマシンを指差す。 
すると、その向こうから、気弱そうな男がなんとも挙動不審な様子で出てきた。 

拓巳「り、リア充、ば、ばば、爆発、しろ……ふひひ」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:16:20.08 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「な、なんだお前は」 

拓巳「き、君が見たのは、ぜ、ぜぜ、全部僕の、も、妄想だから」 

妄想……だと? 
ま、まさか……! 

倫太郎「どこかで聞いた“声”だと思ったら……」 

倫太郎「き、き、貴様っ!まさか、ナイトハルトかーーっ!」 

拓巳「ちょ、な、なんで、知ってるの?」 

倫太郎「知らん!自分の胸に聞いてみるんだな!」 

拓巳「ていうか、ば、バラすなよ!」 

やはりナイトハルトだった。 
それを聞いたダルが飛び上がらんばかりに驚く。 

至「えっ!?マジで? ちょ、待って。マジで疾風迅雷のナイトハルトなん?」 

拓巳「う、うん……」 

至「すげー!握手してくださいお願いします!」 

ナイトハルトは目に見えて嫌がったが、ダルは半ば強引に手を取った。 
HENTAIマイスターの二人が、握手を交わす。


68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:18:11.19 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「ちょっと待て!話を逸らすな!」 

拓巳「な、なんだよ」 

倫太郎「こっちのセリフだっ! なぜだ!なぜ貴様がいるのだ!」 

拓巳「な、なぜって……」 

ナイトハルトが言い淀み、チラリと鈴羽を見やる。 

鈴羽「あー、うん」 

ばつの悪そうに頭を掻きながら、鈴羽が顔を寄せてきた。 
俺の耳元までくると、彼女は小さな声で囁いてくる。 

鈴羽「いやあ、ゴメンゴメン。実はさ、あたしはIBN5100回収の任務を受けて未来からやってきたんだけどね」 

鈴羽「それがなかなか見つけらんなくて。そこで、ネット上で知り合った彼がIBN5100探しを手伝ってくれたんだよね」 

倫太郎「なんだと……? し、しかし、なぜヤツが今回のドッキリにまで荷担している?」 

鈴羽「それがさぁ、あたしがIBN5100探しのお礼がしたい、って言ったら、今回のドッキリを提案されちゃって」 

鈴羽「だから荷担したのは、あたしたちの方なんだよね」 

倫太郎「ナイトハルトが発案者……だと?」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:20:29.52 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「そ、彼も妹に押し付けられたとかでだーりんをプレイしたみたいでさ」 

鈴羽「“恨みは無いけどいっぺん爆発しろ”って。オカリンおじさんを爆破したかったみたいだね」 

倫太郎「ぐぬぬ……!」 

なんという事だ! 
鈴羽とナイトハルトを交互に睨みつけてやる。 
しかし、ナイトハルトは目を合わさない。 
というかこいつ、さっきからキョロキョロと……。 

紅莉栖「それにしても、ギガロマニアックスか。興味深いわね」 

紅莉栖はナイトハルトに興味津々なようで。 
VR技術がどうだの周囲共通認識の限定使用がどうだのと難しい話をしてナイトハルトにどん引かれている。
それにしてもこのギガロマニアックス、恐ろしい子ッ! 
ダルがギガロマニアックスでなくて良かった。 
もしもダルがそうなら世界は終わりだ。


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:21:16.83 ID:L5LSM7nxO

まゆり「はい、オカリン」 

見ると、まゆりが手を差し伸べてきていた。 
それを取って、助け起こしてもらう。 

倫太郎「うむ。 そういえば……まゆりの演技も大したものだった」 

まゆり「えっへへ。怖がらせちゃって、ゴメンねー」 

倫太郎「フン、あれしきの事。この鳳凰院凶真が怖がるはずなどない……ん?」 

メールだ。萌郁からだった。 

From.閃光の指圧師 
Sub.ほんとに 
『ゴメンね岡部くん(^-^;) つい、面白そうだったから 萌郁』 

倫太郎「おい、指圧師よ!」 

萌郁「……?」 

倫太郎「貴様、面白そうとはなんだ!面白そうとは!」 

萌郁「あ……」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:22:47.84 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「あ…… ではない!」 

フェイリス「でも、ドッキリを仕掛けるのにワクワクしたのは事実ニャ」 

倫太郎「ワクワクせんでいい!おい、お前たちもそうだぞ!」 

ラボメンたち「???」 

倫太郎「こんなドッキリなど、もう二度とするなよ!次こそ俺の右手が暴走しないとも限らん!」 

倫太郎「あとナイトハルトと鈴羽は帰れ!即刻だ!」 

言いながら、二人をズビシッと指差した。 

拓巳「う、打って変わりすぎ、く、クソワロタ、ってか、僕も、ま、満足したし」 

拓巳「い、言われなくても、か、帰る、ふひひ」 

くそう……。こいつめ、いつか仕返しをしてやらねばなるまい。


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:25:08.84 ID:L5LSM7nxO

鈴羽「んじゃ、オカリンおじさんもそう言う事だし、あたしもそろそろ帰ろっかなぁ」 

倫太郎「二度と来るな!」 

鈴羽「はいはい。じゃ、未来でね」 

屈託のない笑顔で笑い、踵を返す。 
鈴羽は、そのままタイムマシンに向かって駆けていった。 

倫太郎「くぬぬ……!」 

フェイリス「スズニャン、またね!」 

るか「また、いつか会いましょう!」 

まゆり「ダルくんによろしくねー♪」 

至「いや、今ここにいるがな」 

紅莉栖「橋田の事だけど、あんたじゃないから」 

萌郁「どういう、意味……?」 

萌郁だけは不思議そうに首を傾げている。こいつには、いずれ時が来たら教えてやろう。 

鈴羽「あははっ♪ それじゃ、みんなありがとう!まったねー!」 

それぞれと別れを交わした後で、橋田鈴はタイムマシンに乗り込んだ。


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:25:50.32 ID:L5LSM7nxO

しばらくしてアラーム音が鳴り響くと、人工衛星型の機体を光の繭が包み込む。 
周囲の景色が、そこだけグニャリと歪んで。 
タイムマシンは、一瞬にして目の前から消え去った。 
辺りに虹色の燐光を残して。 
その時、ラジ館の屋上には春先の、暖かい一陣の風が吹いた。 

至「さーて、ドッキリも成功した事だし、打ち上げいこうず」 

静寂を打ち切り、ダルがノリノリで言う。 

まゆり「さんせーい!」 

フェイリス「フェイリスもお腹ペコペコニャ~」 

るか「ボクもです」 

紅莉栖「ねえ、西條さんも一緒に行きません?」 

拓巳「い、いやだ……」 

倫太郎「……」 

紅莉栖め。なぜナイトハルトの前ではしおらしいのだ。


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:28:27.31 ID:L5LSM7nxO

フェイリス「じゃ、行くニャン♪ メイクイーン二号店で予約を取ってあるニャ!」 

まゆり&至「おーう!」 

るか「ま、待ってくださーい」 

萌郁「……」 

ラボメンたちが、ワイワイと屋上入り口へと向かっていく。 
そんな中、紅莉栖だけが振り返ってきた。 

紅莉栖「……ボケっと突っ立ってないで、あんたもさっさと来なさいよ」 

倫太郎「あ、ああ……」 

紅莉栖「……? どうしたの?」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:32:20.93 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「……いや、ちょっといいか?紅莉栖よ」 

紅莉栖「なっ、なによ。いきなり名前で呼ぶな!焦るだろ――」 

倫太郎「……あのδ世界線の俺はどうか知らんが、この世界線の、今ここにいる岡部倫太郎は」 

紅莉栖「え、なにを――」 

倫太郎「何があろうと、牧瀬紅莉栖一筋であると誓う」 

倫太郎「だからこれからも、その……よろしく頼む」 

紅莉栖「――っ!」 

見る見る顔を赤くし、紅莉栖は俯いてしまった。 

倫太郎「あと、その……打ち上げの食事代を少しばかり貸して下さいお願いします」 

紅莉栖「し、しょうがないな……」 

フハハ、実にチョロいな。8bitの紅莉栖並みにチョロい。 

http://www.youtube.com/watch?v=ck_Oz3qv2NI&sns=em


おわり。


84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:33:07.07 ID:L5LSM7nxO

倫太郎「PSP版・比翼恋理のだーりんは4月28日発売だ。よろしく頼む」 

倫太郎「ちなみに、ナイトハルトとの絡みは8bit――変移空間のオクテッドに収録されている」 

倫太郎「興味のある者は、是非ともチェックしてみてほしい」 

倫太郎「と、いうわけで、さらばだ諸君。エル・プサイ・コングルゥ――」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:34:20.32 ID:/2PXK9FJ0

なんという販促SS 


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/07(水) 23:35:34.20 ID:e73oLgmd0

ここまで清々しい販促は久しぶりだ 


元スレ:https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331126510/