がっこうぐらし!

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 22:56:26.55 ID:G7rKuI7kO

    くるみ「ったく、勝手に出歩くなっていつも言ってるだろ。みんな心配してたんだぞ」 

    ゆき「えへへっ、ごめんごめん」 

    くるみ「へへっじゃないっての。今日は日曜だってのに教室で何してたんだ?」 

    ゆき「ん~。特に何も!」 

    ゆき「ぼんやり黄昏てただけだよ」 

    くるみ「あんたがぼんやり、ねえ」


    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:01:13.73 ID:G7rKuI7kO

    くるみ「はぁ」 

    くるみ「先輩も先輩だぞ」クルッ 

    くるみ「どうしてゆきを注意してくれなかったんすか」 

    くるみ「……まあ、先輩はあたしらの中で一人だけ男だし? 気が引けるってのも分かるけど」 

    くるみ「はあ!? いやいや、嫉妬とかじゃないし! どうしてそうなんの!?」 

    くるみ「……なあ、ゆきも何とかいってくれよお」


    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:02:57.54 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「あ、ごめんねくるみちゃん。私は次移動教室だからそろそろいかないと」 

    くるみ「ん? そう、なのか? ……いやいや、だから今日は日曜だって」 

    ゆき「いひひっ。もう。もうもうもう。くるみちゃんったら素直じゃないなぁ」 

    くるみ「素直じゃない?」 

    ゆき「本当は一刻も早く先輩さんと二人っきりになりたいくせにぃ。私なりに気をきかせてみたんだよ!」 

    くるみ「なっ、なっ、なっ、何を言ってーー」 

    ゆき「それじゃあごゆっくり~」


    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:05:25.86 ID:G7rKuI7kO

    ガララ……ピシャッ 

    ゆき「……」 

    ゆき「……」 

    トコトコトコ 

    トコトコトコ 


    ゆき「ふぅ」 

    みき「……ゆき先輩?」 

    ゆき「!」ビクッ


    6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:06:37.89 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「み、みーくん?」 

    みき「はい、そうですけど」 

    ゆき「なーんだ、みーくんか。いきなり声がしたからびっくりしちゃったよー」 

    みき「にしてもあんなに驚きますか? 普通」 

    ゆき「いやほら、みーくんってなんかこうビシってしてるというか、クールな感じだからさ! つい」 

    みき「……」 

    ゆき「あっ! でもでも、だからといって怖いって言いたい訳じゃないの! ほんとに怖いとかちっとも思ってないんだよ! むしろみーくんは頼りがいがあるというか、クールでかっこかわいいというかーー」 

    みき「……あの、先輩」 

    みき「くるみ先輩に、会ったんですね?」


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:07:56.16 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「うん。くるみちゃんとならさっき教室で会ったよ」 

    みき「じゃあくるみ先輩の先輩も……」 

    ゆき「そだよ。先輩さんも一緒だった」 

    みき「そう、ですか」 

    ゆき「それにしても先輩の先輩って……へへっ。みーくんが呼ぶと何だが面白い呼び方になっちゃうねえ。でも今更名前を聞くのも気まずいしなー」 

    みき「……」 

    みき「やっぱり先輩は、凄いです」


    8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:09:12.36 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「んん? えっと、それは先輩さんのことを言ってるの? それともくるみちゃん?」 

    みき「ゆき先輩に決まってるでしょう」 

    ゆき「わ、私!?」 

    みき「いや驚かないでくださいよ。むしろゆき先輩以外に誰がいるんですか」 

    ゆき「え、でもすごいって……ウソ。もしかして褒めてくれたの? あのみーくんが!?」 

    みき「"あの"ってどういう意味ですか!?」  

    ゆき「皮肉じゃないよね?」 

    みき「皮肉なわけないでしょう! というより私、前にも似たようなこと言いましたよね!?」


    9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:10:38.25 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「いひひっ。……みーくん、怖い感じがなくなったね。緊張はぼくれた?」 

    みき「あっ……」 

    ゆき「ま、これでもみーくんより一つ年上だからね! 後輩の緊張をほぐすぐらい、なーんてことないよ!」 

    みき「先輩……」 

    ゆき「どう? 見直した? 凄い? へへっ、なんならもっと褒めてくれてもーー」 

    みき「やっぱりさっき、私のこと怖いと思ってたんですね」 

    ゆき「あっ」


    11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:12:10.76 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「ち、違う違う違う! 怖いとか思ってない! 思ってないよ! 全然、これっぽっちも思ってないからね!」 

    みき「……ふふっ。いいですよそんな必死にならなくても。わたし先輩の言うこと信じてますから」 

    ゆき「ほ、ほんとに?」 

    みき「先輩に嘘をつく悪知恵なんかないでしょ?」 

    ゆき「みーくん大好きっ!」ガバッ 

    みき「せ、先輩!?」 

    ゆき「えへへ~」 

    みき「は、離れてくださいよ」 

    ゆき「照れるみーくんも可愛いなあ」 

    みき「て、照れてなんかーー」 


    みき「ーーっ!」


    12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:14:27.92 ID:G7rKuI7kO

    みき「……」 

    ゆき「みーくん?」 

    みき「……ごめんなさい。ほんとに離れて貰っていいですか」 

    ゆき「ほいっ」 

    みき「……ちょっと、行ってきます」 

    ゆき「あ、うん」 



    トコトコトコ 



    みき「……」 


    みき「………………けい?」


    14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:15:45.83 ID:G7rKuI7kO

    みき「どうしたの? こんなところでうずくまって」 

    みき「怪我? ああ、脚挫いちゃったんだ」 

    みき「痛い? そうだよね。しばらく歩くのは無理か」 

    みき「大丈夫。私がついてるから」 

    みき「ははっ。今更何言ってるの。私たち親友でしょ」 

    みき「当たり前だよこれぐらい。一々気にしないでいいのに」


    15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:17:18.50 ID:G7rKuI7kO

    みき「先輩」 

    ゆき「ん、どしたの?」 

    みき「けいがちょっと怪我しちゃったみたいで」 

    ゆき「みたいだね。私に何か手伝えることある? りーさん呼んでこようか?」 

    みき「いえ。そこまで大きな怪我じゃないみたいなので。隣の教室でちょっと休んでれば大丈夫だと思います」 

    みき「ただ今日の部活には私たち。遅れるかもしれないので、そのことを伝えて貰えると助かります」 

    ゆき「わかったよ。ちゃんと伝えておく!」


    16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:18:44.17 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「でもやっぱり私に何か頼りたいことがあったら遠慮せずに言ってね!」 

    みき「心配には及びません。その場合はくるみ先輩かゆうり先輩に頼みますから」 

    ゆき「そ、そんなー。みーくん酷いよー」 

    みき「冗談ですよ。ちゃんとゆき先輩にも頼りますから安心してください」 

    ゆき「ほんと? 約束だよ?」 

    みき「はい」 

    ゆき「約束だからね! じゃあもう私はいくよ。けーちゃんもお大事に!」 

    タッタッタッタッタッ 

    みき「もう落ち着きないなあ。……ふふっ、困った先輩だと思わない、けい?」


    18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:20:39.46 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「……はあっ」 

    タッタッタッタッ 

    ゆき「っ……ハアハアッ」 

    タッタッタッタッ 

    ゆき「ん、ぐ…………くすん」 

    タッタッタッタッ 

    ゆき「はあっ、はあっ…………ーーっ!?」グキンッ 


    ゆき「いだあっ!?!?」 

    ゆき「…………あはは。私まで挫いちゃった。全力で走り過ぎちゃったかな」 



    ゆうり「ゆきちゃん! どうしたの!?」 

    ゆき「りーさん……」


    19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:22:11.24 ID:G7rKuI7kO

    ♪ 

    ゆき「いででっ! た、タイムッ! それ、染みるよりーさん!」 

    ゆうり「だーめ。消毒液を塗らないと後で大変よ」 

    ゆき「りーさんのいじわるー……いたっ」 

    ゆうり「もう。廊下で走っちゃいけませんっていつもあれだけ言ってるのに」 

    ゆき「う~……」 

    ゆうり「これで擦り傷に関しては問題ないわね」


    21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:24:00.17 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「後は捻挫だけど……。こっちもじっとしてればすぐに治るでしょう」 

    ゆき「えー。ってことは歩けないのー?」 

    ゆうり「そうなるわねえ。下手に動く悪化する恐れもあるから……」 

    ゆき「悪化しちゃうの!? じゃあ我慢するしかないかー」 

    ゆうり「偉いわね、ゆきちゃん」


    22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:25:18.86 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「あ、でもでもー。お手洗いに行く時とかはどすればいいのー?」 

    ゆうり「その時は私も付きあうわ」 

    ゆき「り、りーさんが……?」 

    ゆうり「ええ。そうだけど……何か問題ある?」 

    ゆき「だ、だって、私恥ずかしいよ。そんな……」 

    ゆき「りーさんに下のお世話までしてもらうなんて!」 

    ゆうり「私がするのはトイレまでおんぶで運ぶだけです。そこからはゆきちゃんが自分で、ね?」


    23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:26:27.68 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「あ、なーんだ。いひひっ。私ってば早とちりしちゃった」 

    ゆうり「もう」 

    ゆうり「でもそうね……。力仕事なら私よりもくるみに任せた方がいいかしら」 

    ゆき「あ、駄目だよりーさん」 

    ゆうり「ダメ……?」 

    ゆき「くるみちゃんは先輩さんと二人っきりでロマンティックな時間を過ごしてるんだから」 

    ゆき「邪魔したら可哀想だよ!」


    24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:27:14.74 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「先輩さんーー陸上部のOB、でしたっけ?」 

    ゆき「そう。くるみちゃんの本命彼氏候補だよ!」 

    ゆき「ちなみに対抗がりーさんで大穴がみーくん!」 

    ゆうり「あら。私が対抗なの? でもそれだと彼氏候補じゃなくて彼女候補になっちゃうわね」ニコッ 

    ゆき「あっ、そっか」 

    ゆうり「…………そうね。とにかくそういうことなら、くるみはそっとして置くことにしましょう」


    25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:28:09.81 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「それならーー」 

    ゆき「みーくんも駄目。今は手が離せない」 

    ゆうり「あら。どうして?」 

    ゆき「けーちゃんが足を挫いちゃったみたいでさ」 

    ゆき「部活も遅れて来るかもって」 

    ゆうり「けーちゃん……?」 

    ゆき「うん。けーちゃん」 

    ゆうり「えっと、それって……」 

    ゆき「けーちゃんはけーちゃんだよ」


    26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:29:40.66 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「祠堂圭さん、だったかしら」 

    ゆき「そうそう。確かそんなお名前」 

    ゆうり「……そっちにも会っちゃったのね」ボソッ 

    ゆき「え? 何て言ったの」 

    ゆうり「何でもないわ。しばらくゆきちゃんを独占し出来るのかーって思っただけよ」ニコッ 

    ゆき「あ、あれえ? 何でだろう。りーさん、なんか怖いよー」 

    ゆうり「仕方がないわ。動けない今のゆきちゃんは、まな板の上の鯉なんだもの」 

    ゆき「こ、鯉? 私料理されちゃうの……?」 

    ゆうり「さあて。どうでしょうね」ニコっ 

    ゆき「!」


    27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:30:55.73 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「ーーく、くるみちゃーん! みーくん~! 助けてー! りーさんに襲われるーっ!」 

    ゆうり「え、ちょっと、ゆきちゃん」 

    ゆき「襲われるぅぅーーっ! りーさんに食べられちゃうぅぅーーっ!!」 

    ゆうり「めっ」 

    ゆき「いでっ」 

    ゆうり「悪ふざけも程々に。騒ぎ過ぎちゃダメよ。日曜日とはいえ、人がいるんだから」 

    ゆき「うぅ~。ごめんなさーい」 

    ゆうり「分かってくれればいいの」 

    ゆき「……」 

    ゆき(目がちょっと本気っぽかった)


    28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:31:44.10 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「でもなー。何だがなー」ぷくーっ 

    ゆうり「あら。ほっぺが風船みたいになってるわ」 

    ゆき「だってさ、だってさ。あーんだけ騒いだのに二人とも来てくれないなんて酷いよー」 

    ゆうり「二人とも忙しいってゆきちゃんが言ってたじゃない。仕方がないわ」 

    ゆき「それにしたって、ああいう時くらい駆け付けてくれてもいいのにー」 

    ゆき「くるみちゃんやみーくんは、いつだって先輩さんやけーちゃんとお話出来るんだからさ」 

    ゆうり「……っ」


    29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:32:38.47 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「……仕方が、ないのよ」 

    ゆき「え?」 

    ゆうり「…………それだけ好きだった、ってことなんだから」 

    ゆき「……」 

    ゆうり「だから、私にはいいけど。あんまり二人にわがまま言って困らせちゃダメよ?」 

    ゆき「……うん。ごめんなさい」


    30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:33:40.52 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「でもねりーさん」 

    ゆうり「なあに」 

    ゆき「一つだけ、間違ってる」 

    ゆうり「間違い?」 

    ゆき「好きだった、じゃないよ」 

    ゆうり「っ……!」 

    ゆき「くるみちゃんは先輩さんのことが、みーくんはけーちゃんのことが」 

    ゆき「今も大好きなんだよ。ただそれだけなんだよ」


    31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:35:42.30 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「ゆきちゃん。あなたやっぱりーー」 

    ゆき「うん」 

    ゆうり「……そう。ほんとはとっくに気付いてたのね」 

    ゆうり「"先輩さん"や"けーちゃん" のことなんか始めから、見えてなかったのね」 

    ゆき「ごめんなさい。騙すつもりはなかったんだ」 

    ゆうり「謝らないでいいわ。……薄々、そうじゃないかと思っていたから」 

    ゆき「ええー? うそだ~。私結構上手く見えてる振りしてたつもりだよー」 

    ゆうり「……だってゆきちゃん、"先輩さん"や"けーちゃん"が部室にいる時はいつも口数少なくなっちゃうでしょう?」 

    ゆうり「ゆきちゃんが圭さんのことけーちゃんって呼ぶのも今日始めて知ったくらいだし」 

    ゆき「いひひっ。なーんだ。やっぱりりーさんには敵わないなあ」


    32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:36:26.91 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「……ねえ、ゆきちゃん。もうひとつ聞きたいことがあるの」 

    ゆき「なになに? ここまで来ちゃったからには何だってゲロっちゃうよ!」 

    ゆうり「……その、やっぱりめぐねえも、もう、見えないの?」 

    ゆき「うーん」 

    ゆうり「……」 

    ゆき「そうだねえ。ーーいつだったかなあ。最後に会ったのは」 

    ゆうり「……っ」


    33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:37:13.04 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「これでもね感謝してるんだー」 

    ゆき「めぐねえとお別れ出来たのは、皆のおかげだから」 

    ゆき「いひひっ。改めて言うと恥ずかしいなぁ」 

    ゆき「でもーー」 

    ゆき「くるみちゃんも、みーくんも、りーさんも」 

    ゆき「皆して私を支えてくれたでしょ」 

    ゆき「ただですら大変で、一杯一杯な時に、文句一つ言わずにさ」 

    ゆき「そんなみんなに囲まれてる私を見てたから、なんというか、めぐねえも安心してバイバイしてくれたんじゃないかなぁ」 

    ゆき「だからね。思うんだー。今度は、今度こそは私がみんなの力になりたーーーー」 

    ゆうり「ゆきちゃんっ」ギュゥッ 

    ゆき「り、りーさん?」


    34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:37:55.58 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「無理しないで」 

    ゆき「無理?」 

    ゆうり「今だけは、無理しないでいいのよ」 

    ゆき「な、何を言ってーー」 

    ゆうり「ほんとは。変わっちゃった二人をみて、悲しかったのよね?」


    35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:38:42.30 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「そ、それは」 

    ゆうり「何もいない場所に向かって延々と語りかけてる二人を見て辛い思いをしたのよね」 

    ゆき「私は、別に、そんなこと思って……」 

    ゆうり「隠さなくていいの。私も、本音を言うとそうだから」 

    ゆうり「変わってしまった二人を見る度にむねが締め付けられる 」ギュゥゥ 

    ゆき「りーさん……」 

    ゆうり「ゆきちゃんが今日教室に居たのだって……つまりそういうことなのよね」 

    ゆき「……」コクン


    36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:39:14.53 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「めぐねえとお別れしたことを隠したのだって私たちに気をつかってくれてたのよね?」 

    ゆき「…………うん」 

    ゆうり「いいのよ」 

    ゆうり「もう、我慢しなくていいの」 

    ゆき「グスッ……う、ううううっ」 

    ゆうり「よしよし」


    37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:40:22.69 ID:G7rKuI7kO

    ♪ 

    ゆき「うっく……ヒッグ…………へくちゅんっ!」 

    ゆうり「うふふっ。もう落ち着いた?」 

    ゆき「う~。すっきりした!」 

    ゆうり「そう。それなら良かったわ」 

    ゆき「うん! でもすっきりしたら何だか……えへへ、喉乾いちゃった」 

    ゆうり「はい、お茶。ペットボトルだけど」 

    ゆき「流石りーさん。手際がいい」


    38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:41:23.32 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「ごくごく……ぷはぁっ! やっぱりりーさんの入れたお茶はおいしいねぇ」 

    ゆうり「そう言ってくれるのは嬉しいけど。ペットボトルのお茶に誰が入れたとか関係ないじゃない」ニコッ 

    ゆき「ふふーん。甘いよ。大甘だよりーさん。大事なのはらーさんが近くに居てくれるということなのだ!」 

    ゆうり「あらそう」ニコニコ 

    ゆき「あり?」 

    ゆうり「どうかしたの」 

    ゆき「何だかいつもよりご機嫌だね? りーさん。何かちょっとこう、怖いくらいに」 

    ゆうり「怖いとは酷い言い草ねぇ」


    39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:42:17.84 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「でもそうね。機嫌が良いのは確かね」 

    ゆき「ほうほう。してその心は?」 

    ゆうり「ほんとは二人に合わせてたこと。めぐねえとお別れしたこと。ゆきちゃんが正直に打ち上けてくれたのが嬉しくて」 

    ゆき「……えへへっ。前からいつか言わなきゃって思ってたし。いい機会かなって」 

    ゆうり「それでも、よ」ナデナデ 

    ゆき「……ん」


    40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:43:11.60 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「これからは、辛い時は遠慮せずに頼っていいのよ」ナデナデ 

    ゆき「……いいの、かな? 私、また頼っちゃっても、いいのかな?」 

    ゆうり「当たり前でしょ。私たちは仲間なんだから。助け合わないと」ニコッ 

    ゆき「……いひひっ。それじゃあ早速お言葉に甘えて」 


    ゆうり「え、ちょっと。な、何するの?」 

    ゆき「うりゃー」 

    ゆうり「んっ、くっ……ふふっ。くすぐったいわ。顔でお腹をグリグリするの反則ーーっ!」


    41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:43:53.41 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「うりうりー」 

    ゆうり「……」 

    ゆき「このこのー」 

    ゆうり「…………」 

    ゆき「?」 

    ゆうり「…………あらあら」 

    ゆき「りーさん? どうしたの?」 

    ゆうり「ゆきちゃん、ちょっとごめんね」 

    ゆき「うん」 



    トコトコトコ 



    ゆうり「もう。何してるの?」 

    ゆうり「るーちゃん」


    42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:45:28.42 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「そんな所に隠れてないで。こっちにきていいのよ」 

    ゆうり「ゆきちゃん? 今はちょっと足を挫いてるから……」 

    ゆうり「ああ、そういうこと。るーちゃんもゆきちゃんが心配なのね」 

    ゆうり「ふふっ。優しいのね。るーちゃんは」 

    ゆうり「ううん、何でもないの」 

    ゆうり「とにかく。そういうことなら一緒にゆきちゃんを看病しましょうか」ニコッ


    43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:46:52.25 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「り、りーさん……」 

    ゆうり「ゆきちゃん。るーちゃんが脚にテーピングしてくれるそうよ」ニコッ 

    ゆき「う、うん」 

    ゆうり「ほおら。いつまでもそんな所にいないでこっち来なさい」トコトコ……ギュッ 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆき(…………めぐねえ)


    44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:48:04.67 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「はい。これをゆきちゃんの脚に巻いて、固定するの」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆうり「るーちゃん?」 

    ゆき「る、るーちゃんにはちょっと、難しいんじゃないかな?」 

    ゆうり「うーん。そんなことはないと思うんだけどな」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆうり「でもいいわ。一緒にやりましょ。手を持っててあげる」ニコッ 

    ゆき「……」


    45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:49:10.55 ID:G7rKuI7kO

    ゆうり「はい、出来た」 

    ゆうり「無理に動かそうとしなければすぐに良くなるはずよ」ニコッ 

    ゆき「うん。ありがと、りーさん」 

    ゆうり「ふふっ。お礼ならこの子に言ってあげて」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆき「…………ありがとね。るーちゃん」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆうり「良かったわね。るーちゃん。……もう、あんまりはしゃがないの」 

    ぬいぐるみ「……」


    46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:50:24.71 ID:G7rKuI7kO

    ゆき(……りーさん) 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆうり「ん? なあに? どうしたの」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆうり「そう。分かったわ」ニコッ 

    ゆうり「そういう訳だから。ゆきちゃん。そのお茶、るーちゃんに飲ませて貰っていいかしら」 

    ゆき「え。る、るーちゃんに……?」チラッ 

    ぬいぐるみ「……」


    47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:51:34.68 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「るーちゃん……喉が渇いてるの?」 

    ゆうり「ええ。聞こえてたでしょ?」 

    ゆき「そ、それならさ。私の飲みかけなんかじゃなくて、未開封のをーー」 

    ゆうり「いいえ」 

    ゆうり「"それ"を"ゆきちゃんに"飲ませて欲しいみたいなの」 

    ゆうり「るーちゃんは、そう言ってる」 

    ぬいぐるみ「……」


    48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:52:27.94 ID:G7rKuI7kO

    ゆき「で、でもーー」 

    ゆうり「いいから」 

    ゆうり「早く」 

    ゆうり「るーちゃん、さっきから喉乾いたって泣いてるじゃない」 

    ゆうり「早くして」 

    ゆき「………うん。分かった。…………分かったよ」


    49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:53:28.65 ID:G7rKuI7kO

    ぬいぐるみ「……」 

    ゆき(めぐねえ。ごめん。……許して) 

    ゆき「……はい、るーちゃん」 

    ぬいぐるみ「……」 

    ビチャビチャビチャビチャ 

    ゆうり「あら、るーちゃんったらとっても美味しそうに飲むのね」ニコッ 

    ゆうり「でも、ゆきちゃん。もうちょっと丁寧に飲ませてあげないと。床にちょっとお茶が零れちゃってるわ」 

    ゆき「…………ごめんなさい」 

    ゆうり「いいわ。後で拭いておくから」ニコッ


    51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:55:12.19 ID:G7rKuI7kO

    ゆき(……えへへっ) 

    ゆき(何やってるんだろ、私) 

    ゆき("こうなること"は分かってたはずなのに……) 

    ゆき(何だか……すごく、疲れちゃった……) 

    ゆき「………………眠い」 

    ゆうり「あら。それなら安心してぐっすり寝むるといいわ。夕飯のときには起こすから」ニコッ 

    ゆき「…………うん。おやすみなさい」 

    ゆうり「おやすみ」


    53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:56:44.84 ID:G7rKuI7kO

    ♪ 

    くるみ「ほう。今日は夕飯も缶詰かあ」 

    みき「くるみ先輩は贅沢ですね。私は三日三晩缶詰めでもおいしくいただけます」 

    ゆうり「本当にゆきちゃんは美味しそうに食べるわねぇ」 

    みき「食べられるだけありがたいですから」 

    くるみ「ま、たしかに贅沢言ってらんないご身分だしなぁ……っと」くるっ


    54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/01(火) 23:59:24.09 ID:G7rKuI7kO

    くるみ「何すか、先輩?」 

    くるみ「…………いやいや。あ~んとか普通に出来ませんから。意味わかんないし」 

    くるみ「べ、別に嫌ってわけじゃ、ないけど。その……」 

    くるみ「とにかくあ~んはなしっ!」


    55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 00:00:21.03 ID:9yrcNmfhO

    みき「くるみ先輩、また……」 

    みき「……うん。分かってる。仕方がないんだよね」 

    みき「もう、心配しないで大丈夫だってば」 

    みき「私たちが、頑張らないとね。けい」


    56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 00:01:03.47 ID:9yrcNmfhO

    ゆうり「……違うわ。違うのよ、るーちゃん」 

    ゆうり「皆何もないところに話してるんじゃないの」 

    ゆうり「私たちには見えないだけで、ちゃんとそこに"いる"のよ」 

    ゆうり「んふふっ。るーちゃんにはちょっと難しい話だったかもしれないわね」ニコッ


    57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 00:02:23.12 ID:9yrcNmfhO

    ゆき「……」 

    くるみ「ーーっておいおい。いつもがっついてるゆきが今日はどうした」 

    ゆき「え?」 

    みき「……食欲、ないんですか?」 

    ゆうり「熱でもあるの?」 

    ゆき「あっ、ううん。そういう訳じゃ、ないんだけどーー」


    59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 00:03:51.62 ID:9yrcNmfhO

    ゆき「……ねえ皆」 

    ゆき(最近、学校が好きだ) 

    ゆき(そう言うと変だって言われそうだけど) 

    ゆき(辛いことも悲しいこともたくさんあるけど) 

    ゆき(それでもーー) 

    ゆき「皆、大好きだからね」ニコッ 

    くるみ「おいおい、いきなりどうしたんだよ」 

    みき「……先輩はいつも突拍子もなさすぎます」 

    ゆき「えへへっ。何かね。何となく今言いたくなったんだ」 

    ゆうり「ふふっ。私もゆきちゃんのこと、好きよ」 

    くるみ「ったく。よくそんなこっぱずかしいこと言えんなあ。ま、あたしも気持ちはおんなじだけどさ」 

    みき「…………今更口に出していうまでもないことですからね」 

    ゆき「いひひっ」 

    ゆき(皆が居てくれるから、楽しい) 

    ゆき(だからーー)クルッ 

    ゆき「これで、いいんだよね? めぐねえ」


    60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/02(水) 00:05:33.15 ID:9yrcNmfhO

    糸冬 

    くぅ~。これにて完結です 
    これ以上は続きが思い浮かばなかった 
    読んでくれた人ありがとう

    元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441115786/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:33:21.61 ID:tMhqspRAo

    ゆき「くるみちゃんwww ウェーイwwwwwwww」 

    くるみ「お。おはよう、ゆき」 


    みーくん「おはようございます、ゆき先輩」 

    ゆき「みーくんもwwwウェーイwwwwwwwww」 

    みーくん「朝から元気ですね、ゆき先輩」 

    ゆき「wwwwwwwwwwwww」


    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:36:31.27 ID:tMhqspRAo

    ゆき「あれ、くるみちゃん。またスコップ持ってるの?」 

    くるみ「まあな」 

    ゆき「スコップ好きだよねえ」 

    くるみ「いやまあ、何て言うか……」 


    ゆき「みーくんはまた本読んでるんだ」 

    みーくん「趣味ですから」 

    ゆき「ふうん。今度はなに読んでるの?」 

    みーくん「カラマーゾフの兄弟です」 

    ゆき「面白い?」 

    みーくん「それなりに、ですけど」 


    りーさん「ほらほら、ゆきちゃん。お行儀が悪いわよ。ちゃんと席について」 

    ゆき「あ、りーさんwwww ウェーイwwwwwwwww」 

    りーさん「うん。おはようね、ゆきちゃん」


    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:39:55.86 ID:tMhqspRAo

    ゆき「ご飯、ご飯♪ 今日のご飯はなんだろなー♪」 

    りーさん「今日はミートソースよ」 

    ゆき「おおー。ミートソース! 朝からお肉だなんて豪華だね!」 


    ゆき「じゃなくて、パスタはwwwww ソースだけとかりーさんひどいwwwww」 

    りーさん「ごめんねwwwww ゆきちゃん来るの遅かったから私が食べちゃったwwwww」 

    ゆき「ほんとにひどいwwwwwwwwww」 

    りーさん「ゆきりんウェーイwwwwwwww」 

    ゆき「誤魔化さないでよwwwwwww」


    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:45:15.87 ID:tMhqspRAo

    くるみ「大丈夫だって、ゆき。代わりにご飯炊いといたからさ」 

    ゆき「え、本当!」 

    くるみ「ああ、だから心配いらないぞ」 

    ゆき「なんだあ……びっくりした。それを先に言ってくれなきゃ」 


    ゆき「ってミートソースとご飯じゃ合わないじゃんwwwww」 

    くるみ「バレたwwwwwwwwww」 

    ゆき「くるみちゃんまで鬼だよwwwwwwww」 

    くるみ「ゆきゆきウェーイwwwwwwww」 

    ゆき「だから、誤魔化されないってばwwwww もうwwwwwwww」


    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:48:30.23 ID:tMhqspRAo

    みーくん「大丈夫です、ゆき先輩。二人とも、あれ、嘘ですから」 

    ゆき「それ、本当? みーくん」 

    みーくん「はい。単なる冗談ですよ。先輩の分もちゃんとあるんで」 

    ゆき「良かったあ。今日は朝御飯がとってもひもじくなるところだったよ」 

    みーくん「ゆき先輩。からかうと面白いですから」 

    ゆき「ひどいなあ、みーくんまで」 

    ゆき「で、私の分のご飯はどこ?」 

    みーくん「あ、これです。どうぞ」 

    ゆき「やったあ! 銀の匙だあ!」 



    ゆき「ってこれ、キャットフードじゃんwwwwwwwwww」 

    みーくん「はい、先輩wwwww どうぞwwwwwwwwww」 

    ゆき「キャットフードじゃんwwwwwwwwww」 

    みーくん「先輩にはwwwお似合いですよwwwwwwwww」 

    ゆき「鬼www畜wwwwwww」 

    みーくん「ゆき先輩ウェーイwwwwwwww」 

    ゆき「いい加減にしてよwwwww泣くよ、私wwwwwwwwwwww」


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:51:40.32 ID:tMhqspRAo

    りーさん「はいはい、冗談はこれでおしまい。はい、これ、ゆきちゃんの分ね」 

    ゆき「わあ! 良かったあ。今日はホントに朝ご飯ないかと思ったよ」 

    みーくん「流石にそんなひどい事はしませんよ」 

    くるみ「でも、面白かったな。ゆきったら、マジで慌ててて」 

    ゆき「だって、キャットフードだよ、キャットフード。ドッグフードなら太郎丸の分かなって思って、冗談なんだろうなってわかるけどさあ」 

    みーくん「その為に、くるみ先輩、朝からキャットフード取りに行きましたもんね」 

    くるみ「五時起きだぞ、五時起き。あれはきつかったなあ」 

    ゆき「冗談のために気合い入れすぎだよ、もう」


    8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:54:45.86 ID:tMhqspRAo

    【食事中】 


    ゆき「」ガツガツ、モグモグ 

    りーさん「あらあ、ゆきちゃん。そんなに焦って食べなくても」 

    くるみ「そうだぞ、ゆき。みーくんを見てみろ」 

    みーくん「」ガツガツ、モグモグ 

    くるみ「お前もかよwwwwwwwwww」 

    りーさん「何してるのwwwwwwwwww」


    10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 19:57:51.01 ID:tMhqspRAo

    みーくん「あ、いえ、たまにはこういう風に食べるのもいいかなって……」 

    ゆき「そうだよ。そっちの方が美味しいんだから」 

    くるみ「美味しいとかじゃなくて、マナーの問題だろ。食べ方が汚いんだよ」 

    りーさん「そうよ。女の子なんだから、もっと上品に食べないと」 

    ゆき「でも……」 

    くるみ「でも、じゃねーよ。りーさん、ちょっと二人に手本を見せてやってくれ」 

    りーさん「私が? 仕方ないわね……」 

    りーさん「」ガツガツ、モグモグ 

    くるみ「あんたもかよwwwwwwwwww」 

    ゆき「ミートソースwww飛んできたwwwwwwwwww」 

    みーくん「りーさんwww流石ですwwwwwwww」


    11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:00:55.86 ID:tMhqspRAo

    くるみ「なんだよもう、りーさんまで」 

    りーさん「えへ」 

    ゆき「でも、これじゃあ仕方ないよね。この食べ方でいいって事にしようよ」 

    みーくん「そうですね。誰も上品な食べ方を出来ないんですから」 

    くるみ「ダメだ。ならもういい。私が手本を見せるから」 

    ゆき「おお、くるみちゃんが」 

    くるみ「見てろよ」 


    くるみ「」ガツガツ、モグモグ 

    ゆき「…………」 

    みーくん「…………」 

    りーさん「…………」


    13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:06:07.01 ID:tMhqspRAo

    ゆき「ごちそうさまー」 

    りーさん「はい。お粗末様でした」 

    くるみ「」ガツガツ、モグモグ 

    みーくん「あ、ゆき先輩。ミートソースが口に。ハンカチで口拭いてあげますね」 

    ゆき「ありがとう。みーくん、優しい!」 

    りーさん「うふふ。二人とも仲良しね」 

    くるみ「」ガツガツ、モグモグ 

    りーさん「あ、そういえば、ゆきちゃん、そろそろ授業の時間じゃない?」 

    ゆき「あ、ホントだ! 急がないと!」 

    くるみ「何か言ってよ、私にも!」


    14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:14:05.37 ID:tMhqspRAo

    ゆき「じゃ、行ってくるねー」 

    りーさん「気を付けてね」 

    ゆき「うん!」 

    バタンッ。タッタッタ…… 


    みーくん「……ゆき先輩。今日も『授業』なんですね」 

    くるみ「ああ……。めぐねぇと一緒にな」 

    りーさん「…………」 


    みーくん「いいんですか、先輩たち? ゆき先輩をこのままにしといても」 

    くるみ「別に大丈夫だろ。危険がある訳じゃないし。それに……」 

    りーさん「そうね……。今のままの方が、ゆきちゃんずっと幸せそうだものね……。それに、見てて飽きないし……」 

    くるみ「だよな……」 

    みーくん「先輩たち……」 


    みーくん「本音がだだもれしてるじゃないですかwwwwwwwwww」 

    くるみ「だってゆき見てて面白いじゃんwwwwwwwwww」 

    りーさん「明るいっていい事よねえwwwwwwwwww」


    15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:17:18.82 ID:tMhqspRAo

    くるみ「この前wwwゆきのやつwwwww誰もいない教室で一人で話しててwwwwwそれ見て私、爆笑したしwwwwwwwwww」 

    みーくん「ぼっちプレイwwwwwwwwww」 

    りーさん「誰と話してるのって聞いたらwwwwwクラスの友達とってwwwwwエア友達紹介されたわよwwwwwwwwww」 

    みーくん「妄想wwwwwwwwww」 

    くるみ「劇団一人かよってwwwwツッコミ入れたらwwwwキョトンとしてたもんなwwwwwwwwww」 

    みーくん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」


    16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:21:53.97 ID:tMhqspRAo

    くるみ「なんにしろ、ゆきの事は私たちにはどうにも出来ないよ。今のままだと医者に診せる事も出来ないし……そっとしとくしかない」 

    りーさん「そうよね……。救助が来てからしか、無理よね……」 

    みーくん「救助……本当に来るんでしょうか……?」 

    くるみ「…………」 

    りーさん「きっと来るわよ。その内、きっと……」 


    くるみ「そう言い続けて、もう二ヶ月経ってるけどなwwwwwwwwww」 

    りーさん「言ったらいけない事言っちゃったわねwwwwくるみwwwwwwwww」 

    みーくん「空気読めないんですかwwwwくるみ先輩はwwwwwwwwww」 

    くるみ「ごみぃwwwwwwwwww」 

    みーくん「ゆき先輩の真似wwwww似てるwwwwwwwww」 

    りーさん「そっくりwwwwwwwwww」


    17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:25:13.36 ID:tMhqspRAo

    くるみ「さてと。それじゃそろそろ、私も見回りに行ってこようかな」 

    りーさん「あら、また行くの?」 

    くるみ「ああ、ゾンビがひょっとしたら集まってるかもしれないし」 

    みーくん「ゾンビって階段上がるの苦手だから、そんなに大量に来る事はないと思いますけど」 

    くるみ「そう思って、昨日、階段の一部にセメント流し込んでバリアフリーにしといたからさ」 

    りーさん「ああ……それならいっぱい集まってるかもしれないわね」 

    みーくん「そうですね。上りやすいですし」 

    くるみ「だろ?」 


    りーさん「って、何してるのwwwwくるみwwwwwwwwww」 

    みーくん「アホなんですかwwwwwくるみ先輩wwwwwwwwww」 

    くるみ「遅すぎだろwwww反応wwwwwwwwwwwww」


    18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:29:00.16 ID:tMhqspRAo

    くるみ「だってゾンビ来なくて退屈だったしさwwwwwリアルゾンビ無双も一度したかったしwwwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「頭wwwおかしいのwwwwwwwwww」 

    みーくん「はた迷惑wwwwwwwwww」 

    くるみ「これから一騎当千wwwウェーイwwwwwwwww」 

    りーさん「いいからwwwww早く行ってきてwwwwwwwwww」 

    みーくん「バリケード壊れてたらwwwwwぶち殺しますよ先輩wwwwwwwwww」 

    くるみ「ごみぃwwwwwwwwwww」 

    みーくん「それ禁止ですwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「ごみぃwwwwwwwwwww」 

    みーくん「お腹痛いwwwやめて下さいwwwwwww」


    20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:32:26.98 ID:tMhqspRAo

    くるみ「それじゃあ行ってくる。すぐ戻ってくるから」ガラッ 

    りーさん「気を付けてね」 

    くるみ「わかってる、無茶はしないって」 

    みーくん「して下さい。先輩の責任なんですから」 

    りーさん「あら、そんな事言っちゃダメよ。例え冗談だったとしてもね」 

    みーくん「あ……すみません」 

    りーさん「もし、くるみの身に何かあったら困るでしょ? ゾンビを倒す人がいなくなると面倒よ」 

    みーくん「そうですよね。本当にすみません、くるみ先輩」 

    くるみ「りーさん。それに、みーくん……」 


    くるみ「私、仲間とかじゃなかったんだ?wwwwwwwwww 存在価値それだけなんだ?wwwwwwwwww」 

    みーくん「今頃気付いたんですかwwwwくるみ先輩wwwwwwwwww」 

    りーさん「ずっと前からwww知ってると思ってたのにwwwwwwwwww」 

    くるみ「バリケード壊すぞwwwwバカ野郎どもwwwwww」


    23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:35:33.06 ID:tMhqspRAo

    りーさん「冗談よ、くるみ。だから早く行ってきて」 

    みーくん「そうです。いつもの冗談ですよ。だから早く行ってきて下さい」 

    くるみ「なんだ、冗談かよ……。まったく、洒落になってないぜ」 


    くるみ「って、早く私を行かせたいだけだろ、それwwwwwwwwww」 

    りーさん「何でwwwバレたのかしらwwwwwwwwww」 

    みーくん「くるみ先輩ならwww大丈夫だと思ったのにwwwwwwwwww」 

    くるみ「私wwwそんなチョロく思われてたのかよwwwwwwwwwww」


    24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:38:38.66 ID:tMhqspRAo

    くるみ「まったく、二人ともひどいよな」 

    りーさん「でもそれはバリアフリーにするくるみがいけないのよ。そんな事しなければ、ずっと真実を知らずに済んでたのに」 

    くるみ「そうだよな……。ごめん……」 


    くるみ「って、前提は変わらないのかよwwwwwwwwww」 

    みーくん「ごみぃwwwwwwwwww」 

    くるみ「お前が言うなwwwwwwwwww」 

    りーさん「ごみぃwwwwwwwwww」 

    くるみ「りーさんまでwwwwwwwwww」


    25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/08(土) 20:41:50.67 ID:tMhqspRAo

    くるみ「じゃあ、今度こそ本当に行ってくる。後でまた屋上に行くから」 

    タッタッタ…… 


    みーくん「やっと行きましたね、先輩」 

    りーさん「くるみにも困ったものね。一体、何を考えてるのかしら」 

    みーくん「あれ? そういえば太郎丸は?」 

    りーさん「あら? さっきまでここにいたのに……。どこに行ったのかしら?」 

    みーくん「私、ちょっと探してきます。あれ、大事な非常食なんで」 

    りーさん「そうね。お願いするわ。私はこれから屋上で一仕事あるし」 

    みーくん「はい。それじゃ」タタタッ 

    りーさん「あ、ちょっと待って、みーくん」 

    みーくん「何ですか?」 

    りーさん「あれ、やっぱり非常食だったの?wwwwwwwww」 

    みーくん「はいwww非常食ですwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwww」 

    みーくん「wwwwwwwwwwww」


    34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:09:05.84 ID:W+qxVNJJo

    【教室】 


    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「退屈だなぁ……」ボソッ 



    みーくん「せんぱーい。太郎丸見ませんでした?」ガラッ 

    ゆき「って、みーくん! 授業中だよ! 授業中!」 

    みーくん「あ……」


    35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:12:27.94 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「みーくん、早く戻って! 怒られちゃうよ!」 

    みーくん「わかりました……。授業の邪魔をしてすみませんでした」ペコッ 


    ゆき「もう。みーくんたら……」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「仕方ないなあ……」ガタッ


    36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:16:41.38 ID:W+qxVNJJo

    【廊下】 


    ゆき「みーくん!」 

    みーくん「あれ……? 先輩?」 

    ゆき「みーくん、太郎丸探してるの?」 

    みーくん「はい……そうですけど」 

    ゆき「じゃあ私も一緒に探してあげるね」 

    みーくん「でも、いいんですか。先輩?」 

    ゆき「何が?」 


    みーくん「…………」 

    ゆき「…………」 


    みーくん「何がじゃなくてwwwwwwwwwwwwwww」 

    ゆき「え?wwww 何の事?wwwwwwwww」 

    みーくん「授業中ですよね?wwwwwサボりですかwwwwwwwwww」 

    ゆき「授業?wwwwwそんなの私知らないしwwwwwwwwww」 

    みーくん「不良ですねwwwww 先輩はwwwwwwwwww」 

    ゆき「だってwwwww授業つまんないもんwwwwwwwwwww」 

    みーくん「それ面白いですwwwwwww流石ゆき先輩wwwwwwwwwww」 

    ゆき「でしょーwwwwwwwwwwwwwww」


    37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:20:22.43 ID:W+qxVNJJo

    みーくん「それじゃ一緒に探しましょうか」 

    ゆき「うん!」 


    みーくん「太郎丸ー」ガラッ 

    ゆき「わわわわ! みーくん、授業中だってば!」 

    みーくん「え……?」 

    ゆき「ここも授業中だよ! 早く閉めて!」 

    みーくん「授業中……?」 

    ゆき「うん!」 


    みーくん「…………」 

    ゆき「…………」 


    みーくん「あれ?wwwww そうでしたっけ?wwwwwwwwww」 

    ゆき「さっき言ったばかりじゃんwwwwwwwwww」 

    みーくん「すみませーんwwwww 忘れてましたwwwwwwwwww」 

    ゆき「みーくん痴呆症なの?wwwwww 頭悪すぎwwwwwwwwww」 

    みーくん「先輩こそwwwww 統合失調症ですか?wwwwwwwwww」 

    ゆき「意味わかんないよwwwwみーくんのバーカwwwwwwwwwww」 

    みーくん「こっちもですよwwwwwwゆき先輩のバーカwwwwwwwww」


    38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:23:27.00 ID:W+qxVNJJo

    【同時刻、バリケード近く】 


    ゾンビA「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビB「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビC「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビD「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビE「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビF「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビG「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビH「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビI「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビJ「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビK「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビL「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビM「あ゛あ゛あ゛…………」 
    ゾンビN「あ゛あ゛あ゛…………」 


    くるみ「予想以上に集まっててワロタwwwwwwwwwwwwwww」


    39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:26:40.40 ID:W+qxVNJJo

    くるみ「しっかし、こんだけいると流石にスコップじゃきついよな」 

    くるみ「よし。あいつらを一旦このピンボン球でもう少し離れた場所に集めて……」ポイッ 

    コロン、コロン 


    ゾンビA「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビB「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビC「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビD「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビE「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビF「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビG「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビH「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビI「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビJ「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビK「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビL「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビM「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 
    ゾンビN「あ゛あ゛あ゛…………」クルッ 



    くるみ「wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「なんだこれwwwwwwバカばっかりwwwwwwwww」


    40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:30:11.49 ID:W+qxVNJJo

    くるみ「よし。バリケードから離れたな。それじゃ昨日密かに作っておいたこの手作り火炎ビンで……」 

    くるみ「そーれっwwwwwwwwww」ポイッ 


    ボッ!!! (大炎上) 


    ゾンビA「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビB「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビC「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビD「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビE「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビF「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビG「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビH「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビI「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビJ「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビK「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビL「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビM「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 
    ゾンビN「あ゛あ゛あ゛…………」メラメラ 



    くるみ「wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「キャンプファイヤーwwwwwwwwww」 

    くるみ「ウケるwwwww超楽しいwwwwwwwwwwwww」


    42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:37:40.60 ID:W+qxVNJJo

    【同時刻、廊下】 


    ゆき「なかなか見つからないねえ」キョロキョロ 

    みーくん「行くところなんか限られてますから、順番に回っていけばその内見つかります」 

    ゆき「……ねえ、みーくん」 

    みーくん「何ですか?」 


    ゆき「何か緊張してない?wwwwwwwwww」 

    みーくん「してませんwwwwwwwwww」 

    ゆき「私が上級生だからってwwwww緊張する事ないのにwwwwwwwwww」 

    みーくん「煽ってるんですか、先輩?wwwwwしてないって言ってるじゃないですかwwwwwwwwww」 

    ゆき「ごみぃwwwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「やめて下さいwwwwww笑い死にますwwwwwwwwwwww」


    43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:40:53.72 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「そういえばさwwwwwみーくん太郎丸に嫌われてるよねwwwwwwwwww」 

    みーくん「ケンカ売ってるんですねwwwwwわかりましたwwwwwwwwww」 

    ゆき「動物ってさwwwwwいい人か悪い人か本能的にわかるらしいよwwwwwwwwww」 

    みーくん「ぶち殺しますよ先輩wwwwwwwwww」 

    ゆき「みーくんwwww出来る女(笑)のオーラがあるからwwwwww動物に嫌われるんだよねwwwwwwwww」 

    みーくん「今日の夜wwwww無事に寝られるといいですね先輩wwwwwwwwwww」 

    ゆき「ゴミィwwwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「今、ゴミって言いいましたよねwwwwwww明日生ゴミにしてあげますwwwwwwww」


    44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:44:14.70 ID:W+qxVNJJo

    【同時刻、屋上】 


    りーさん「さてと。みんなが飲み終わったペットボトルに、拾ってきた校舎の砂を詰めて……よいしょっと」 

    りーさん「それでこれを、ショッピングモールから持ってきた丈夫な布の上に置いて」トスッ 

    りーさん「この布には強力な太いゴムが両側についてるし」 

    りーさん「そして、そのゴムは屋上のフェンスに取り付けてあるわ。だから、このペットボトルを布ごと強く後ろに引っ張れば……」グイーッ…… 


    ピューン…… (投石機) 


    ズガッ!!! 


    りーさん「またゾンビに命中wwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「これすごい楽しいwwwwwwwwww」


    45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:49:05.54 ID:W+qxVNJJo

    【放送室】 


    太郎丸「わん」 


    ゆき「あ、太郎丸みーっけ!」 

    みーくん「本当だ。捕まえないと!」 

    ゆき「まーてー!」ダダダダッ 


    太郎丸「わん。わん」ダダダダッ 


    みーくん「逃げた!」 

    ゆき「逃がさないよー!」ダダダダッ 

    みーくん「あ! 待って下さい、ゆき先輩!」


    46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:52:27.29 ID:W+qxVNJJo

    【屋上】 


    ガチャッ 

    くるみ「ただいま、りーさん」 

    りーさん「あ、お帰り、くるみ。ゾンビは片付いた?」 

    くるみ「ああ、まるごと燃やしてやった」 

    りーさん「大丈夫なの?」 

    くるみ「平気だよ。延焼はしてないし。それより、りーさん、またペットボトルミサイル飛ばしてたのか?」 

    りーさん「うん。ゾンビを一匹でも減らせればって。その方が私たちの生存確率も高くなるし」 

    くるみ「そっか。そうだよな」 

    りーさん「それに、命中率が上がってるから今は楽しくて」 

    くるみ「そうなんだ」 


    くるみ「wwwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」 


    くるみ「そっちが本音だろwwwwりーさんwwwwwwwwwww」 

    りーさん「だってwwwww本当に楽しいものwwwwwwwwwwゾンビがゴミみたいでwwwwwwwwww」 

    くるみ「人wwでwwなwwしwwwwwwwwwwww」


    47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:55:34.88 ID:W+qxVNJJo

    くるみ「それじゃ、私も手伝うよ。ペットボトルの方じゃなくて、園芸の方だけどな」 

    りーさん「うん。お願いね」 

    くるみ「今日は何をすればいい?」 

    りーさん「水はもうあげたから、毛虫とかいないか見てくれるかしら。でも、テントウ虫とかは追い払わないでね。益虫だから」 

    くるみ「わかった。それじゃ、私はこっちから見てく」 

    りーさん「ええ」


    49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 19:58:55.93 ID:W+qxVNJJo

    くるみ「」(虫取り中) 

    りーさん「」(虫取り中) 


    くるみ「それにしても、りーさんがいて良かったよ。こうして野菜を育てて食べられるんだから」 

    りーさん「栄養剤だけじゃ味気ないものね」 

    くるみ「うん。りーさんには感謝してる」 

    りーさん「どうしたの、急に改まって?」 

    くるみ「いや、実はさ……」 

    りーさん「何?」 


    くるみ「さっき虫取ろうとして枝折っちゃったからwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「ごますってwwwww誤魔化そうかなってwwwwwwwwww」 

    りーさん「なに上手い事言ってるのwwwwwwwwww」 

    くるみ「サーセンwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「判決wwww死刑wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「ひwwでwwえwwwwwwwwwww」 

    りーさん「明日からwwwwくるみ割り人形が一体増えるわwwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「助けてwwwww殺されるwwwwwwwwww」


    50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:02:18.21 ID:W+qxVNJJo

    くるみ「それにしても、やっぱり無農薬とかで作ったものって美味しいんだな。こうなってから初めて知ったけど」 

    りーさん「そうね。形は悪いけど、健康的で安全だしね」 

    くるみ「特にトマトが美味いよな。あれ、ゆきやみーくんもそう言ってたし」 

    りーさん「ああ、トマトね。あれはそうかもしれないわね。肥料があれだけ他のものと違うから」 

    くるみ「へえ、そうなんだ。畑ごとに肥料変えてたりするのか?」 

    りーさん「変えたっていうか、そうなったって感じかな。そこの畑で作ったものだから」(指さし) 

    くるみ「ああ、あそこのか。道理で」 

    りーさん「うん」 


    くるみ「って、墓が立ってる畑じゃんwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「肥料とかwwwww鬼かよwwwりーさんwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「好きでそう言った訳じゃないわよwwwww私だってwwwwwwwwww」 

    くるみ「不謹慎にも程があるだろwwww考えろよwwwwwwwwwww」 

    りーさん「サーセンwwwwwwwwwwwww」


    51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:05:59.90 ID:W+qxVNJJo

    【屋上近く】 


    太郎丸「わん! わん!」 


    ゆき「ふっふっふ。ようやく追い詰めたよ、太郎丸」 

    みーくん「先輩、気を付けて下さいね。今度は逃がさないように」 

    ゆき「任せといて!」ジリジリ 


    太郎丸「わん、わん!」 


    ガチャッ 

    くるみ「ん? なにやってるんだ、二人して?」 


    太郎丸「」ダダダダッ 


    ゆき「あー!」 

    みーくん「また、逃げられた!」 

    くるみ「?」


    52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:09:07.15 ID:W+qxVNJJo

    【屋上】 


    くるみ「ふーん。太郎丸を捕まえようとしてるのか」 

    ゆき「うん。だけど、くるみちゃんが空気を読めずにドアを開けたから逃げられちゃった」 

    くるみ「そっか。そりゃ悪い事したな」 

    みーくん「本当です。くるみ先輩は最低のド底辺女です」 

    ゆき「そうだよ。死んだ方がマシだよ」 

    くるみ「そこまで言うか!?」 

    ゆき「だってさあwwwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「くるみ先輩ですしwwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「私がwwwww何したって言うんだwwwwwwwwwwwww」 

    ゆき「しかも貧乳wwwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「オマケに脳筋wwwwwwwwww」 

    くるみ「スコップの餌食になりたいのかwwwwwお前らwwwwwwwwww」


    53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:12:17.83 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「とにかくwwwwwさっさと太郎丸を捕まえてよwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「くるみ先輩wwwww筋肉だけが取り柄じゃないですかwwwwwwwwww」 

    くるみ「何で私が命令されてんだwwwwww代わりにお前らの頭かち割るぞwwwwwwwwwwwww」 

    ゆき「くるみちゃんwwwもしかしておこなの?wwwww激おこなの?wwwwwwwwぷぷぷーwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「ぷんぷん丸なんですか?wwwwwwwやっぱり脳筋なんですか?wwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「マジで殺すぞwwwwアホどもwwwwwwwwwww」


    54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:15:25.59 ID:W+qxVNJJo

    太郎丸「わん、わん」ピョン 

    りーさん「あらあら、太郎丸。畑の中に入っちゃダメでしょ?」 

    太郎丸「わん、わん」 

    りーさん「まったく……。いけない非常食ね」ビシッ (手刀) 


    太郎丸「」ポテッ 


    りーさん「みんな、太郎丸捕まえたわよ」 

    くるみ「おー、やったな、りーさん!」 

    ゆき「ありがとう、りーさん!」 

    みーくん「流石ですね」 

    りーさん「うふふ」


    56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:18:30.67 ID:W+qxVNJJo

    【部室】 


    みーくん「それにしても、太郎丸にも困ったものですね。勝手に逃げ出すなんて」 

    りーさん「ずっとリードをつけてなきゃダメなのかしらね。でも、それだと可哀想だし……」 

    くるみ「でも、勝手にバリケードの外に出られると危険だからな。それよりはマシじゃないか」 

    みーくん「そういえば、今度はゆき先輩の姿が見えないんですけど……」 

    りーさん「あら……そういえば」 

    くるみ「ゆきなら、また教室に行ったぞ」 

    みーくん「そうなんですか? でも、何で?」 

    くるみ「友達と話をしにだってさ」 


    みーくん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    りーさん「wwwwwwwwwwwwwww」 

    くるみ「wwwwwwwwwwwwwww」


    57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:21:47.50 ID:W+qxVNJJo

    みーくん「それなら、私、様子を見てきますね」 

    りーさん「そうね。少し心配だし……。お願いね」 

    くるみ「みーくんも気をつけろよ」 

    みーくん「はい。ありがとうございます。それじゃ」ガラッ 

    タッタッタ…… 


    くるみ「……何だかんだで、みーくんもいいやつだよな」 

    りーさん「そうね。みきさんだけじゃなく、ゆきちゃんやくるみもだけど」 

    くるみ「今度はりーさんかよ。どうしたんだ、急に?」 

    りーさん「ううん。なんとなく」 

    くるみ「本当に?」 

    りーさん「ええ、本当に。私、みんなの事が好きだし」 

    くるみ「……そっか。私もそうだよ、りーさん」 

    りーさん「うふふ。ありがとう」


    58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:25:46.22 ID:W+qxVNJJo

    【教室】 


    ゆき「そうそう。それで太郎丸を追いかけて大変だったんだから」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「あ、うん。男と言えば男かな」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「首輪つけてるよ。それと同じの」 


    みーくん「」ガラッ 

    みーくん「……ゆき先輩。また……」


    59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:28:50.64 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「あ、みーくん!」 

    みーくん「はい……。ゆき先輩が少し心配になったんで、迎えに来ました」 

    ゆき「そうなんだ。ありがとね、みーくん」 

    みーくん「いえ……」 


    ゆき「ん? ああ、そうだよ。同じ学園生活部のみーくん」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「そう。私の後輩なの」 

    ゆき「…………」 

    ゆき「うんうん。それでねえ……」 


    みーくん「…………」


    60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:32:42.69 ID:W+qxVNJJo

    【廊下】 


    ゆき「みーくん、どうしたの? さっきから黙りこんで」 

    みーくん「……いえ、別に」 

    ゆき「ひょっとして、また緊張してるの?」 

    みーくん「してません」 

    ゆき「だから、私が上級生だからって、緊張なんかしなくてもいいのに」 

    みーくん「そういうんじゃ……ないですから」


    61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:36:14.82 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「あ、窓開いてる」 

    みーくん「…………」 

    ゆき「閉めないと」トコトコ 

    みーくん「…………」 

    ゆき「よいしょっと」ピシャン 

    みーくん「…………」 

    ゆき「これでよし」 

    みーくん「ゆき先輩……」


    62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:39:21.36 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「それにしても、今日も楽しかったね、みーくん」 

    みーくん「……そうですね」 

    ゆき「太郎丸と追いかけっこしたり、授業中抜け出したりとかさ」 

    みーくん「先輩……不良ですもんね」 

    ゆき「そんな事ないよ。だって授業なんか本当はないんだし」 

    みーくん「先輩……」 



    みーくん「授業ないって何ですかそれwwwwwwwwwwwwwww」 

    ゆき「しまったバレたwwwwwwwwwwwwwww」


    63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:42:37.72 ID:W+qxVNJJo

    みーくん「ゆき先輩wwwww まさかずっと頭おかしいふりしてたんですかwwwwwwwwwww」 

    ゆき「うんwwwwwすごいツッコミ待ってたのにwwww誰もしてくれなくてさあwwwwwwwwww」 

    みーくん「釣りですかwwwwwバカなんですかwwwwwwwwww」 

    ゆき「ごみぃwwwwwwwwww」 

    みーくん「やめて下さいwwww腹筋壊れますwwwwwwwwwww」 

    ゆき「ゴミィwwwwwwwwwwwwwww」 

    みーくん「死んで下さいwwwww今すぐにwwwwwwwwww」


    66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:46:00.72 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「だってさあwwwww周りゾンビだらけでやる事なかったしwwwwwwwwww」 

    みーくん「暇潰しですかwwwwwwwwww」 

    ゆき「退屈だったんだよwwwwwww構って欲しかったんだよwwwwwwww」 

    みーくん「アホですねwwwww先輩はwwwwwwwwww」 

    ゆき「みんなだってwwwww大ウケしてたじゃんwwwwwwwwww」 

    みーくん「流石ゆき先輩wwwwww面白いですwwwwwwwwww」 

    ゆき「でしょーwwwwwwwwwwwww」


    67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:50:03.68 ID:W+qxVNJJo

    みーくん「さてと……。それじゃあ、十分に笑った事ですし戻りますか」 

    ゆき「うん!」 

    みーくん「今日はカレーだって、りーさん言ってましたよ」 

    ゆき「おお! やったあ! カレーだよ!」 

    みーくん「本当に、ゆき先輩といると楽しいですね。毎日、退屈しません」 

    ゆき「えへへ」 

    みーくん「私……ゆき先輩の事、好きですから」 

    ゆき「やめてよ、みーくん。照れるよ」 

    みーくん「ゆき先輩だけじゃなく、みんなの事も好きですけど」 

    ゆき「私も、みーくんやくるみちゃんやりーさんが大好きだよー!」 

    みーくん「そうですか……。それ聞けて、嬉しいです」 

    ゆき「うん!」


    68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:53:10.69 ID:W+qxVNJJo

    ゆき「それじゃ、ご飯、ご飯♪ 急ごう、みーくん」 

    みーくん「そんなに急がなくても、多分、まだ出来てませんよ」 

    ゆき「こうやって急ぐのが楽しいんだよ。深く考えちゃダメなの」 

    みーくん「……わかりました。それなら」 

    ゆき「うん、部室まで競争だよ。よーい、ドン!」ダダダダッ 

    みーくん「って、ゆき先輩! それはズルいですよ!」 

    ゆき「しーらない」 

    みーくん「待って下さいよ、ゆき先輩!」タタタッ 

    ゆき「待ったないもーん」タタタッ 

    みーくん「先輩ってば!」 


    ゆき「ねえねえ、みーくん! 明日は肝試しやろうね! きっと楽しいよ!」 

    みーくん「わかりましたから、待って下さいってば!」 







    70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 20:58:15.31 ID:rBK+I5rx0

    ほのぼのした。乙


    72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 21:32:33.07 ID:mPMk2bLlO

    24時間はしゃいでたな 


    73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 21:54:29.71 ID:Aiqph4h70

    どうしてこうならなかった 


    74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/09(日) 22:10:07.39 ID:p2oS0C5JO

    乙 
    わらったわ


    元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439030001/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/28(火) 23:41:57.29 ID:U0qKnql20

    がっこうぐらし5巻までのネタバレあり注意 
    ゆき総受け 
    百合 
    たぶんエロ 




    のどから出てきた声にびっくりした。 
    でも、止められなくて。 
    そのうち、みんなを起こしてしまって、 
    私は本当にダメな子だなあって、 
    そう思った。 
    涙の理由は自分でも分からなかった。 




    ゆき「……ああっ……うあっ……っ」 

    くるみ「おいっ! どうしたっ……ゆき!」 

    みき「先輩っ、しっかりしてください!」 

    ゆうり「ゆきちゃん!?」 

    ゆき「……ううっ……ひっ」 

    くるみ「ゆき、泣くなよ……泣くなっ」 

    泣くなと言われても、どうしようもなかった。 

    ゆき「とま……らっ……ああっう……」 

    ゆうり「まさか……夜泣き?」 

    みき「何言ってるんですか、赤ん坊じゃあるまいし」


    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/28(火) 23:51:23.57 ID:U0qKnql20

    くるみ「いや、ゆきなら……あるいは」 

    みき「……仮にそうなら、どうすれば」 

    ゆうり「あやしてあげるしかないんじゃ」 

    ゆき「……っだ、だいじょー……うっ……」 

    くるみ「たくっ……世話が焼けるな本当に」 

    ゆき「っ……ごめ」 

    笑ってみるけど、 
    上手にできない。 

    ゆうり「交代で、そばにいてあげるのはどう」 

    くるみ「ああ、いいぞ」 

    みき「……まあ、かまいませんが」 

    ゆき「え、ええっ……いいよっ、悪いよっ」


    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/28(火) 23:56:13.19 ID:U0qKnql20

    くるみ「何遠慮してんだ。今に始まったことじゃあるまいし」 

    ゆき「え、ええーっ……それってどういう」 

    みき「じゃあ、誰が最初につきますか」 

    ゆうり「じゃあ、私から」 

    くるみ「ああ、頼んだ」 

    ゆうり「1時間くらいで交代ね」 

    みき「分かりました」 

    ゆき「あ、あの、あのもう大丈夫! 心配ないないですぞ!」 

    くるみ「じゃ、おやすみー」 

    みき「お願いしますー」 

    ゆうり「はい、ゆきちゃん。ちょっと隣の部屋いこっか」


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 00:03:08.72 ID:hBMjJmn70

    ゆき「わ、え……は、はう」 

    ゆうり「他の二人にはちょっと仮眠とってもらうから」 

    ゆき「りーさん、ほら、もう泣いてないから、ね?」 

    私は笑った。 

    ゆうり「ほんと、もう泣いてないわ。えらいわね」 

    そう言うりーさんの表情は、 
    私より泣き出してしまいそうな顔だった。 

    ゆき「……」 

    だから、私は何も言えなかった。 
    何か、すごく怖い事が迫っているような気分だった。 
    お父さんや、お母さんに全然会っていないせいかもしれない。 
    寂しいのかな。 
    りーさんも、寂しいのかな。


    11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 00:12:09.25 ID:hBMjJmn70

    合宿は楽しいけれど、 
    どうしてか、たまに寂しい。 
    トモダチもいて。 
    先生もいて。 
    楽しい物に囲まれて。 
    きっと、恵まれすぎてるせいだね。 
    手放したくないんだね。 


    ゆうり「ねえ、ゆきちゃん」 

    体育座りで窓際に座るりーさんにならう。 

    ゆき「なあに?」 

    ゆうり「……泣くのは、悪いことじゃないから」 

    ゆき「?」 

    りーさんが、手を握ってくれる。 
    暖かくて、すべっとして。 
    少し骨ばっていた。 
    なんだか、最近痩せたよね。 
    ダイエットしてるのかな。 
    羨ましいな。


    14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 00:21:52.73 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「ガマンがね、身体に一番良くないの」 

    ゆき「じゃあ、宿題しなくてもいい?」 

    ゆうり「それとこれとは別よ……ふふ」 

    ゆき「えー?」 

    ゆうり「泣いた子鬼がなんとやらね……」 

    ゆき「眠くなくなっちゃった」 

    ゆうり「そっか……」 

    ゆき「こうなったら朝まで起きておこう!」 

    ゆうり「だめよ、ちゃんと寝ないと」 

    ゆき「でも、目、覚めちゃったもんね」 

    ゆうり「……」 

    ゆき「あ、もしかしてりーさん眠いの?」 

    ゆうり「そうね……深夜だし」 

    ゆき「ごめんね……」 

    りーさんの胸にしがみつくように顔を埋めた。 

    ゆうり「……んっ」


    15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 00:28:20.43 ID:hBMjJmn70

    くすぐったかったのだろう。 
    小さく声をあげた。 

    ゆき「あったかーい。ふふ、りーさん大好きー」 

    ゆうり「ありがとう……」 

    りーさんも私を抱きしめ返してくれた。 
    顔を挟まれる。 

    ゆき「ふぎゅ……」 

    ゆうり「頬っぺた柔らかい」 

    ゆき「ふぎゅふぎゅ」 

    伸ばしたり、潰したり。 
    私の頬っぺたで遊ぶ。 

    ゆき「もお、いひゃいってば」 

    ゆうり「ごめんなさい」 

    ゆき「仕返しだー!」 

    りーさんを押し倒して、 
    脇をくすぐる。 

    ゆうり「こらっ……だめっ……んんっ……」 

    声を我慢している。 
    けっこう、プライドが高いんだね。 

    ゆうり「静かに……してっ」 

    りーさんが私の腕を掴む。


    17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 00:38:41.37 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「ゆきちゃんっ」 

    割と本気で怒っている気もした。 

    ゆき「えへへ」 

    ゆうり「……」 

    ゆき「あ、あの……怒った?」 

    ゆうり「怒らないわよ、こんなことで」 

    ゆき「ほんと?」 

    ゆうり「そんな嬉しそうにされたら、怒れないじゃない」 

    ゆき「え?」 

    ゆうり「……ねえ、今夜はめぐ姉いないの?」 

    ゆき「えっと……たぶん家に帰ったかなあ」 

    ゆうり「そっか……じゃあ、夜更かししても大丈夫ね」 

    りーさんが後ろから私の身体を抱きかかえた。 

    ゆき「何しよっか?」


    24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 21:13:38.88 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「何がしたい……?」 

    ゆき「うーんとね……、かくれんぼとか」 

    ゆうり「お化けが出ちゃうわよ」 

    ゆき「や、やだそれは……」 

    ゆうり「じゃあ……」 

    ゆき「うーん……」 

    プルルル―― 

    ゆき「あれ、電話?」 

    ゆうり「……え」 

    りーさんは、音の出た方を素早く見た。 

    ゆき「あれ、りーさんの携帯?」 

    りーさんはすごい勢いで自分の鞄の所まで走っていき、携帯を確認した。 
    数秒くらい動きが止まった。 

    ゆうり「……え、ゆきちゃん?」 

    こちらを振り返る。


    25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 21:35:54.37 ID:hBMjJmn70

    ゆき「びっくりした? ほら、前に登録したアプリで電話してみたの……へへへ」 

    ゆうり「……あ、ああ、そっか……海外のアプリだもんね……そっか」 

    肩を落として、りーさんが笑う。 

    ゆき「どうしたの?」 

    ゆうり「ううん……でも、びっくりするから、もうやらないで」 

    ゆき「えー……」 

    ゆうり「お願い」 

    ゆき「う、うん……」 

    りーさんは額に手を当てる。 
    眠いのかな。 

    ゆき「私、一人で起きてるから、りーさん寝ていいよ?」


    26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 21:48:52.87 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「ゆきちゃん、私が寝てる間に夜の学校を探検しようかなって思ってるでしょ」 

    ゆき「わあっ……どうして分かっちゃったの?」 

    ゆうり「分かるわよ……ゆきちゃん」 

    ゆき「なあに?」 

    ゆうり「行かないでね」 

    りーさんが真っすぐ私を見る。 
    怒ってるとか叱ってるとか、 
    そういうんじゃなくて、 
    行かないでって、 
    願ってるみたいだった。 

    ゆうり「おいで」 

    両手を広げて、 
    私を呼んでくれる。 
    でも、私はつい素っ気なくしてしまう。 

    ゆき「りーさん、けちだからやっ」 

    ぷいと顔を背けた。


    27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 21:55:20.25 ID:hBMjJmn70

    りーさんが困ったように笑う。 
    困らせたいわけじゃないんだけど。 
    体と心がちぐはぐ。 
    わがままを言っているよね。 
    分かってるんだけど。 
    りーさんがお母さんみたいだから、 
    ついつい甘えちゃうんだ。 

    ガタタン! 

    ゆうり「?!」 

    ゆき「わ!?」 

    窓ガラスが揺れた音だった。 
    風が強いみたい。 
    りーさんは、顔を真っ青にして、 
    息を荒くしていた。 
    自分で自分を抱きしめていた。 

    ゆき「……りーさん?」


    28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:07:47.11 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「あ……」 

    それで、私分かった。 
    りーさん、誰かに触れていたいんだなって。 
    もしかしたら、夜が怖いのかもしれない。 
    案外、子どもっぽい所があるんだね。 

    ゆき「……」 

    私は四つん這いで、りーさんの所へ近づいて、 
    彼女を抱きしめた。 
    私と同じシャンプーの香りがした。 

    ゆき「怖くないよ……大丈夫」 

    りーさんは少し照れくさそうにしている。 
    ふふふ、りーさんのこんな顔を見れるのは、 
    もしかして私だけかもしれないね。 

    体を離して、私のおでこをりーさんのおでこにくっつける。 
    こつんと鳴った。 

    ゆうり「あいた……」 

    ゆき「ちゅー……」 

    ふざけて口を近づける。 

    ゆうり「……」


    29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:15:16.83 ID:hBMjJmn70

    ゆき「へへッ、避けないと奪っちゃうぞー!」 

    りーさんの長いまつ毛。 
    少し切れ長の目。 
    すっと伸びる鼻。 
    白い頬っぺた。 
    美人さんなんだよね。 
    すっごく羨ましい。 
    私なんて、小学生に間違われるもんね。 

    ゆうり「……」 

    りーさんが目をつむる。 

    ゆき「んん……?」 

    あ、あれ。 
    本当に当たってしまう。 
    だって、防がれるか、避けるかすると思ったのに。 
    私は勢いを止めることができずに、 

    ゆき「……?!」 

    ゆうり「ん……」 

    当ててしまった。


    30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:26:10.40 ID:hBMjJmn70

    ふよん、という擬音が聞こえた。 
    ――気がした。 

    ゆき「は、はわわッ……ご、ごめんね」 

    ゆうり「ファーストキス……」 

    ゆき「ふえ?」 

    ゆうり「初めてキスしたわ……」 

    ゆき「き、奇遇だね! 私もだよ!」 

    ゆうり「キスって……温かいのね」 

    りーさんは指で自分の唇をなぞる。 

    ゆき「ご、ごめんなさい! これは、ほら、ノーカンでッ」 

    ゆうり「あら、どうして?」 

    ゆき「だって、こういうのは好きな人とやるんだよ? だから、数えなくてもいいの!」 

    ゆうり「なら、数えていいんじゃないかしら」


    32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:35:36.11 ID:hBMjJmn70

    ゆき「え、ええ?」 

    ゆうり「私、ゆきちゃん好きよ?」 

    ゆき「私もりーさん大好きだよ」 

    ゆうり「ほら、問題なかったでしょ」 

    ゆき「ホントだね!」 

    りーさんは私の肩をとんと押した。 
    ふらりと傾いた私は、ころりと床に押し倒されていた。 

    ゆき「りーさん?」 

    両手に指をからめてきたので、 
    起き上がれない。 

    ゆうり「……」 

    りーさんの長い髪の毛が私の胸に落ちた。 
    何も言えないでいると、 
    りーさんの顔が近づいてきた。 

    ゆき「り……ッンン」 

    ゆっくりとまた離れていく。 
    りーさんの少し火照った頬がとても色っぽい。 
    それにちょっとだけ見とれてしまった。


    33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:41:38.65 ID:hBMjJmn70

    でも、りーさんの目は私の知らない目だった。 

    ゆうり「いつも明るくて、笑顔で、私たちに元気をくれるゆきちゃんが……好きよ」 

    嬉しい。 
    嬉しいのに。 
    怖い。 
    手が痛い。 

    りーさんは、上から私を見下ろす。 
    私たちは見つめ合った。 
    高鳴る心臓が、うるさい。 
    このドキドキは、憧れていたものとは 
    ちょっと違うような気がする。 

    ゆき「ありがと……」


    34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 22:54:41.83 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「ゆきちゃん、私のこと……怖いって思ってる」 

    ゆき「お、思ってなんか……私」 

    ゆうり「ウソ、思ってる」 

    また、キス。 

    ゆき「ッン……ッぁ」 

    唇を何回も甘噛みされた。 
    口の周りがべたべたでちょっと気持ち悪い。 
    あごに唾液がたれていくのが分かった。 

    ゆき「はぁッ……」 

    苦しくて、私は息を吸った。 
    いけないこと、してる。 

    ゆき「はな……して」 

    ゆうり「いやよ……」 

    首筋にキスされる。 

    ゆき「ぅン……」


    35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 23:05:21.62 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「たまにね……もう、どうにでもなっちゃえばいいのにって……思ってしまうの」 

    ゆき「……?」 

    ゆうり「そんな時、私……ひどく追い詰められてるのに、自分では気が付いてなくて」 

    りーさんが私に折り重なるように、抱きしめてくる。 

    ゆうり「驚くような酷いことを考えてしまったり、してしまったり……情けないよね」 

    りーさんが言いたいことが何かわからない。 
    私に何を伝えようとしているのだろう。 
    ただ、黙って耳を傾けた。 
    分かりたかったから。 
    彼女を苦しめているものは何か。 
    知りたかったから。 

    頭の悪い私に、理解できるなんて思わないけど。 
    私にできることは、聞いて、笑ってあげることだから。


    37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 23:38:13.94 ID:hBMjJmn70

    ゆうり「めぐねぇみたいにはできないの……」 

    ぽつりとりーさんが呟いた。 
    いいのに。 
    めぐねぇじゃないから。 
    そんなの、いいのに。 

    ゆき「いいんだよ。誰も、めぐねぇになってなんて言ってないんだよ。だって、りーさんはりーさんだもん」 

    ゆうり「……うん」 

    ゆき「大丈夫だよ、私ずっと一緒にいるからね!」 

    りーさんが私の胸に顔を埋めた。 
    泣いているみたいだった。 

    ゆうり「……ん」


    38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/29(水) 23:48:24.91 ID:hBMjJmn70

    みんな凄く大変そうだなって。 
    時々、私、思うんだよ。 
    私、お荷物になっていないかなって。 
    みんなの足を引っ張ってしまってないかなって。 

    眩しい蛍光灯に目を細めてみる。 
    一緒にいるだけでいいのかなって。 
    思うんだよ。 
    一緒にいていいのかなって。 

    いいのかな。 
    いいのかなあ。


    39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 00:01:15.23 ID:kpEw5TsA0

    私たちは、いつの間にか眠ってしまっていた。 
    翌朝、揺さぶられて起こされた。 


    くるみ「寝坊助……起きろー」 

    頭を突かれた。 

    みき「結局、あのまま寝ちゃったんですね」 

    くるみ「お呼びがないから見に行ったら、仲良くくっついて寝てたし」 

    ゆうり「恥ずかしいわ……」 

    くるみ「まんざらでも無さそうなんですがね」 

    みき「平和そうな顔ですね」 

    頬を突かれた。 

    ゆき「うぬ……?」 

    くるみ「あ、起きた」 

    ゆき「あー……おはよう」 

    3人が私を覗く。 
    私はにっこり微笑んだ。 

    ゆき「えへへ……おやすみ」 

    くるみ・みき・ゆうり「「「……」」」 

    ゆき「すー……」 

    みき「どうかしました……?」 

    くるみ「いや、そっちこそ」 

    ゆうり「この笑顔があるから、今日も正気でいられるのよね」 

    くるみ「同感」 

    みき「大袈裟ですね……ま、分からなくはないですが」 

    ゆうり「ふふ……」 

    ゆき「うむ……にゃむ」 




    りーさん編 
    おわり


    49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 18:30:56.17 ID:kpEw5TsA0

    血と人の肉片がこびりついた机。 
    その上に寝そべる先輩。 
    狂ってる。 


    ゆき「あー、授業眠たかった……あ、ゆきねえの授業がつまんないとかじゃないよ! 授業がつまんないの……ッ」 

    一人慌てて、先輩は黒板に向かって謝っている。 

    みき「……」 

    もう慣れたけど、見ていて正直辛い。 

    ゆき「あ、みーくん!」 

    飛びつかれて、私は後ろによろめいた。 

    ゆき「迎えに来てくれてありがと! お昼にしよー!」 

    先輩がまぶたを擦る。 
    まだうつらうつらとしていた。 

    みき「やっぱり、最近夜眠れてないんですか?」 

    ここ最近、夜泣きがひどい。 
    ゆき先輩だけではなかった。 
    こちらも寝れないので、昼間は少しだるかった。


    50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 18:39:14.54 ID:kpEw5TsA0

    ゆき「うー……そだねー」 

    ばつの悪そうな顔。 

    ゆき「でも、みーくんの顔見たから元気元気!」 

    みき「羨ましいです……」 

    その単純化されてしまった脳みそが。 

    ゆき「なになに?」 

    みき「いーえ」 

    ゆき「えー、教えてよー」 

    みき「なんでもないですって」 

    ゆき先輩が暑苦しく絡みついてきたので、 
    右腕で押し返す。 
    と、足音。 

    みき「ッ……!」 

    くるみ「おい、遅いから心配しただろ」 

    ゆき「くるみちゃーん!」 

    みき「なんだ、先輩でしたか」 

    くるみ「なんだはないだろ」 

    ゆき「ねね、みんなで誰が一番早くにりーさんとこ着くか競争しよ!」 

    くるみ「おー、いいぞ」 

    ゆき「は!? めぐねぇ」 

    くるみ「なにッ」 

    ゆき「ろ、廊下は走るものではありません! すいませんです!」 

    ゆき先輩が割れた窓ガラスに向かって腰を折った。


    51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 18:48:33.11 ID:kpEw5TsA0

    くるみ「あ、あーごめんごめん!」 

    みき「……ご、ごめんなさい」 

    ゆき「ちぇッ、しょうがないなあ。みーくん、くるみちゃん手繋いで戻ろう?」 

    先輩は私とくるみ先輩の間に入って、手を取り歩き出す。 
    鼻歌交じり。 
    学校が周囲がこんな状況になる前に流行っていた、恋愛ソング。 

    ゆき「……運命の人って、いるのかなあ」 

    くるみ「さあな……」 

    みき「いるんじゃないですか」 

    くるみ「へえ」 

    みき「な、なんですか」 

    ゆき「みーくん、乙女だね」 

    みき「だって、いなかったら悲しいじゃないですか。私たちの他に、そんな人がいなかったら……」 

    ゆき「えーっと?」 

    ゆき先輩が首を捻る。 

    くるみ「おい」 

    くるみ先輩が、私を目でいなした。 

    みき「あ……」 

    感傷からか、つい言ってしまった言葉に後悔する。


    52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 19:00:17.53 ID:kpEw5TsA0

    ゆき「私はね、運命の人にもう出会ったよ!」 

    さほど気にした様子のないゆき先輩にほっと胸を撫で下ろす。 
    のも束の間。 

    くるみ「へー、誰だよ」 

    ゆき「りーさん!」 

    くるみ先輩の足が止まった。 
    もちろん私の足も。 

    ゆき「大好きでーす!」 

    憎たらしいくらい愛らしい顔で笑う。 

    くるみ「……やっぱり、あの夜」 

    隣からぶつぶつと聞こえる。 

    ゆき「それと、くるみちゃんと、みーくんね!」 

    みき「……なんか読めました」 

    くるみ「……それ、運命の人々だな」 

    ゆき「みんな一目見た時から、ぴーんときてたの!」 

    みき「あの、運命の人って、一人じゃないんですか?」 

    ゆき「ちッ、ちッ。そうとは限らないのさ」 

    みき「そうですか……」 

    ゆき「みーんな、赤い糸で繋がってるんだよ」 

    くるみ「じゃあ、おまえ三股だな」 

    ゆき「はうッ」 

    みき「遊び人ですね」 

    ゆき「はうはうッ」 

    変な驚き方。 
    ホント、変な生き物。 
    こういう人って、災害の時とか一番に死にそうなのに。 


    でも、無事で良かった。


    53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 22:13:01.34 ID:kpEw5TsA0

    くるみ先輩がからからと笑っていた。 
    笑わせるのも才能だなって思う。 
    当の本人はなんてことないのだろうけど。 

    ここで笑うことがどれほど難しいか。 
    それを考えると、やはりゆき先輩はこの部に必要なのだろう。 
    でも、もし目覚めてしまったら。 
    彼女は同じように私たちに微笑んでくれるのだろうか。 
    一度、試みたことだけれど。 
    胸の奥がちりちりする。 
    でも、わずかな高揚があった。 
    私は――私も、狂っているんじゃないかな。 



    みき「……」 

    くるみ「おい、入らないのか」 

    気が付くと部室の前だった。 

    ゆき「先に食べちゃうぞー」 

    ゆうり「ゆきちゃん、ちゃんと手を洗うこと」 

    ゆき「はーい」 

    くるみ「考え事か?」 

    みき「いえ、大したことでは」 

    くるみ「そうか」


    54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 22:22:09.26 ID:kpEw5TsA0

    ゆうり「ねえ、くるみ」 

    りーさんが、くるみ先輩に耳打ちする。 

    くるみ「?」 

    ゆうり「これ、睡眠導入剤なんだけど」 

    くるみ「あー……ゆきにか」 

    ゆうり「こうも続くなら、飲んでもらった方がいいかなって」 

    くるみ「副作用とかないの?」 

    私はゆき先輩を見る。 
    みんなのご飯をよそおっている。 

    ゆうり「昼間に少しだるい感じがあるくらいかしら……。人によって違うと思うけど」 

    くるみ「そう言うのには頼りたくはないけど……ってりーさん、飲んだの?」 

    ゆうり「職員室の机の中にあったものだから……何かあってもいけないでしょ」 

    くるみ「ッ……一言、言ってくれてもいいだろ!?」


    55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 22:36:20.36 ID:kpEw5TsA0

    先輩が大きな声を出したものだから、私もゆき先輩も驚く。 

    ゆき「くるみちゃん?」 

    みき「なんでもないと思いますよ」 

    私は先輩の隣につき、一緒にご飯をよそおった。 
    先輩は気にしている風だったけれど、 
    少し諦めた顔でまた作業に戻る。 

    自分には手の届かない所の話。 
    知っているのだ。 
    そのことだけは。 
    この先輩は。 

    ゆうり「怒らないで……本当は、前々から私が使うために取っておいたの。だから、ゆきちゃんのためでもあるし……私のためでもあったわ」 

    くるみ「そうじゃなくてさ……それ飲むくらい悩む前に、言えってこと」 

    ゆうり「……言ってもどうしようもないじゃない」 

    くるみ「……りーさん」 

    ゆき「全部つげたよー!」 

    ゆき先輩が嬉しそうな声をあげる。 
    よっぽどお腹が空いていたのかもしれない。 
    横目で彼らを見る。 
    二人も私たちの存在を思い出したのか、先輩の声に笑みを取り戻す。 

    くるみ「おーサンキュ」 

    ゆうり「カレー温めてるから食べましょう」


    56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 22:47:21.40 ID:kpEw5TsA0

    切り替えの早さにたまに驚かされる。 
    怖いくらい。 
    ゆき先輩の前ではまるで大人みたいに、冷静さを装う。 
    いつか破綻してしまいそうな。 
    そんなままごと。 

    くるみ「よく噛んで食えよ」 

    ゆき「はいはい」 

    みき「言ってるそばから……」 

    ゆき先輩は犬みたいに、カレーに貪りつく。 

    ゆうり「ゆきちゃんにとっては、カレーも飲み物みたいになるのね」 

    ゆき「はふはふッ」 

    くるみ「誰も盗って食いやしないからな」 

    ゆき「う、うん……はふッ」 

    ほんと、わんこ。 
    言わないけど。


    57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 23:19:18.80 ID:kpEw5TsA0

    つくづく、現実味が薄れる。この先輩を見ていると。 
    でも、過食もストレスを発散する手段なのかもしれない。 
    それとも、生存本能ってやつかな。 
    食べないと生きていけないし。 
    強い者には従わないと。 
    嫌なことには目をつむり、夢や希望を見ていれば、傷つくことはないよね。 

    その日は、部室の片づけをした。 
    いつまでも気味の悪い状態で放置するよりも、綺麗にした方が寝つきも良くなるのではと提案したのは私だった。 
    むろん、ゆき先輩には関係ないけど。 
    体を動かしていれば余計なことを考えずに済むし、昼に動いて夜眠るという体内のリズムができると思った。 
    りーさんだって、その方が眠れるんじゃないだろうか。 

    ゆき「ねえ、中庭のお花もらえないかめぐねえに聞いてくるよ。部室に飾ろうよ」 

    そう言って、彼女が駆け出す。 

    くるみ「あ、こらッ……!」 

    ゆうり「ゆきちゃんッ」 

    近くにいた私は、とっさにゆき先輩の腕を掴んだ。 

    ゆき「わふッ」 

    みき「わッ」 

    勢いあまって、私の胸に体当たりする。 

    くるみ「さすがに中庭のは学校のものだから駄目だろ」 

    ゆき「そ、そうだよねえ」 

    みき「屋上になかったんですか?」 

    ゆうり「あるにはあるけど、食べれる植物だからちょっともったいないわ」 

    ゆき「そっか、じゃあ……しょうがない」 

    おおかた、植物は気持ちが落ち着くから、などと考えていたのではと私は見当をつけていた。 
    優しい人だから。


    58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 23:33:33.39 ID:kpEw5TsA0

    割れた窓ガラスはテープで補強しつつ、 
    画用紙を可愛らしい花の形に切り取ってガラス面に貼り付けた。 
    なんだかシュールだ。 
    でも、雰囲気が和らいだ気がする。 
    やたら外が見えるのも考え物だから。 

    寝床として使っている放送室にも、 
    黄色い画用紙を星型に切り取って蛍光塗料を塗って天井に貼り付けた。 

    ゆき「すごーい。可愛い!」 

    くるみ「北斗七星の形、こんなんでいいか?」 

    脚立にまたがってぺたぺたと画用紙を張っていたくるみ先輩が問いかける。 

    ゆき「本のまんま! ばっちーぐーだよ!」 

    みき「先輩、親指反対ですよ」 

    ゆき「おりょ」 

    ゆうり「お行儀悪い子は……」 

    りーさんがゆき先輩の口に乾パンを差し込む。 

    ゆき「むぐうッ」 

    ゆうり「ちょっと休憩しましょうか」


    59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 23:45:40.93 ID:kpEw5TsA0

    休憩して、片づけて、勉強をして、夕飯を食べて。 
    私たちはそうしてまた一日を終えた。 
    夜になった。 
    今日は、私がゆき先輩に付き添う日だった。 

    ゆき「今日ね、すごくぐっすり眠れそうな気がする」 

    そう宣言して、彼女は本当に一番に布団へ入って寝始めた。 
    微かな寝息に、みんな安堵のため息を漏らした。 

    くるみ「こいつが安心して寝られるなら、平和ってことさな」 

    ゆうり「そうね。これ、やっぱり使わないでいいわね。今日は、ありがと」 

    くるみ「いや……。礼なら、みきに言えよ」 

    みき「え? 私は何も」 

    ゆうり「ふふふ……」 

    みき「な、なんですか」 

    ゆうり「いいえ、私たち好きなんだなあって」 

    くるみ「同感」 

    みき「だから、私は別に……」 

    くるみ「照れんなって」 

    みき「照れてません!」 

    ゆうり「しー」 

    りーさんが人差し指を私の唇に当てる。 
    別に――私は。 
    ゆき先輩の変な帽子に視線を落とす。 

    みき「どうしたら喜んでくれるかなって……そう思ってただけです」


    60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/07/30(木) 23:51:14.10 ID:kpEw5TsA0

    全員が眠りについた頃。 
    ふいに目が覚めた。 
    泣く声は無い。 

    体を横向ける。 

    みき「え……」 

    ゆき先輩がいない。 
    私は驚いて跳ね起きる。 
    周囲を見回すが、くるみ先輩とりーさんが寝息を立てているだけだ。 

    みき「……どこに」 

    私は静かに立ち上がる。 
    もしかしたら、お手洗いに行っているだけかもしれない。 
    若干、寝ぼけた脳でそう判断する。 
    先輩達を起こさないようにして、私は放送室を後にした。


    64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 06:25:54.16 ID:fl0ZVOs/0

    割れた窓ガラスから月明りが落ちて、薄ら寒い雰囲気だった。 
    正気ならば、一人で通ることがはばかられるだろう。 

    みき「ゆき先輩?」 

    案の定、トイレには電気がついていて、私は安堵した。 
    トイレを覗き、声をかける。 

    ゆき「なあに……?」 

    トイレの奥の窓ガラスの下に、膝を抱えて座る先輩がいた。 
    ゆっくりこちらを見上げてくる。 

    みき「何してるんですか……」 

    ゆき「みんな起こしちゃうから……」 

    泣き腫らした目が痛々しい。 

    みき「……」 

    ゆき「みーくん、寝てていいよ」 

    みき「みーくんじゃ、ありません……」 

    強がって。怖いなら言えばいいのに。 
    でも、自分が何に怯えているのかすら、分かることは無いんだろうな。 
    知らないなら、どうやって頼れって言うんだろうとも思う。 
    頼る術が分からないなら、一人で泣くしかないのかもしれない。


    65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 06:36:01.68 ID:fl0ZVOs/0

    私は無言で泣く先輩の前にしゃがみ込む。 

    ゆき「ごめんね、起こしちゃって」 

    みき「今に始まったことじゃないですけどね」 

    ゆき「それもそうだね」 

    先輩が少し笑う。 
    それで、良かったと思うあたり、私はこの人に弱い。 

    みき「何、遠慮してるんですか。らしくない」 

    ゆき「……」 

    ゆき先輩は、唇を震わせて何か言おうとして、 
    失敗して、私の身体に体当たりした。 

    みき「ッい……なにす」 

    小刻みに震える身体に気づき、 
    頭を撫でてやる。 
    子どもみたいに柔らかく火照る頬に触れる。


    66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 07:29:24.68 ID:fl0ZVOs/0

    ゆき「うー……」 

    みき「りーさんとか……呼んできましょうか?」 

    言ってみるものの、彼女は首を振った。 
    言ってみただけだ。 
    呼ぶ気なんてない。 
    なにせ、今彼女のそばにいるのは私で、今ここに私しかいないのだから。 
    私がこれから彼女にすることを咎める人はいない。 

    ゆき「みーくんここにいて……」 

    理性の留め金が外れたような気がした。 

    みき「先輩……」 

    ゆき「ふぇ……?」 

    彼女を抱き締める。 
    細い。 
    柔らかい。 
    私は、あの二人とは違う。 

    みき「います……そばにいますから」 

    彼女を守りたいと思う気持ち。 
    彼女を暴きたいという気持ち。 
    どちらも本当だ。 

    ゆき「ありがとう……ね」


    67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 07:37:00.48 ID:fl0ZVOs/0

    みき「顔、見せてくださいよ」 

    ゆき「……やだ」 

    みき「なんでですか」 

    ゆき「……恥ずかしいもん」 

    みき「見たいです」 

    ゆき「やーだー……」 

    駄々をこねる彼女の顔を無理やりこちらに向け、キスをした。 

    ゆき「んーッ!? ……っぅ?!」 

    みき「……可愛い」 

    ゆき「や……なんでそんなこと」 

    私の腕の中でもがく。 
    離れないように抱き締めた。 

    みき「好きです……あなたのことが知りたくてしょうがないんです」 

    正面から見つめられた先輩は、瞳をさっとそらした。 

    みき「それ地味に傷つきます」 

    ゆき「あ、ごめっ」 

    申し訳なさそうに、またこちらを見やる。 

    みき「単純……」 

    今度はおでこに唇を寄せた。 
    鼻。頬。耳。 

    ゆき「っ……ぁ」


    68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 07:47:36.27 ID:fl0ZVOs/0

    みき「ちょっと、しょっぱい……」 

    首筋。口を開けて噛んでみた。 

    ゆき「ひっんぁ……み、みーくんっ」 

    私は舌をぺろりと出して意地悪く笑ってみせる。 

    みき「いやなら……殴ってくれてかまわないです」 

    ゆき「っ……でき、ないよぅ……ぁ」 

    寝巻きの下から腕を入れ、肌に直にふれる。 
    お腹が柔らくて気持い。 

    みき「ほら……いいんですか?」 

    きっと誰にも触られたことなどないような場所へ手を伸ばしていく。 
    まだ固くない突起を爪で引っ掻いた。 

    ゆき「や、やだ……やだやだ」 

    腕を押し返されたが、構わず押し進める。 
    半開きの口に舌をねじ込み、口内をすすった。 

    みき「んちゅる……っン……ぷはっ」


    69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 07:55:49.67 ID:fl0ZVOs/0

    口を離す。 
    息をするのもやっとの様子の先輩。 
    くてんと身体を折る。 

    みき「気持よかったですか?」 

    ゆき「っはあ……ぁの、あのあの…っはあ」 

    みき「ははっ……何言ってるかわかんないです」 

    ゆき「しゅ……しゅごかったです」 

    みき「どんな風に?」 

    ゆき「ええっ……っ」 

    眉根を下げ、答えずらそうにする。 
    人差し指と親指の腹で先輩の小さな乳首を挟んで、こねる。 

    みき「じゃあ、これは……?」 

    ゆき「ぅあ……」


    70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 08:14:01.27 ID:fl0ZVOs/0

    声を我慢しているようだ。 

    みき「嫌じゃない?」 

    先輩は逡巡して、こくりと頷いた。 
    こぶりな胸を揉みしだいてやる。 
    指を噛んで、先輩は声を押し殺す。 
    感じやすいのだろう。 
    歯の隙間から、時折『みーくん、みーくん』と呼んでいた。 

    反対の手で彼女の秘所に中指と人差し指当てた。 
    ショーツは濡れていた。 
    ぬるりとした体液。 
    ショーツ越しでも分かった。 
    こんな幼い彼女でも淫行で、身体を濡らすのかと思うと背筋がぞくりと震えた。 

    みき「ぬるぬるですね」 

    ゆき「……そこ、きたないよっ」 

    みき「そんなことないです」 

    ショーツの内側に指を差し込む。 
    粘液がからみつく。 
    彼女を押し倒して、足を開かせた。 
    膣に指を入れると、びくんと身体がはねた。 

    ゆき「なにっ……みーくん、怖いっ」 

    みき「怖い?」 

    ゆき「何してるの……?」


    71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 08:19:46.54 ID:fl0ZVOs/0

    みき「何って……ああ」 

    知らないのか。 

    みき「好きな人には、みんなこうするんですよ」 

    ショーツをひざ下まで脱がし、蜜壺に口をあてがった。 

    ゆき「っぁ……ぅううン!?」 

    みき「しーっ」 

    右手で、先輩の口を塞ぐ。 
    その上から先輩も私の手を握りしめる。 

    みき「……」 

    じゅるじゅると立てた音が、 
    トイレに響く。 
    やけに響く。 
    青臭いのに、汗のせいでどこか甘酸っぱい。 
    先輩の匂いが混じって、興奮した。 
    私の下でもがく先輩。 
    クリトリスに吸い付く。 
    魚のように跳ねた。


    72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 08:32:21.56 ID:fl0ZVOs/0

    充血して、綺麗なピンク色だった。 
    舌をねじ込んで吸いながら出し入れする。 

    ゆき「んぐっ……ンンんん!?」 

    太ももを閉じようとするが、 
    それを無理やりこじ開ける。 
    よがっているようにも見える。 
    実際、どう思っているのか。 
    不安を悟られぬように、私は一心不乱で舐め続けた。 

    みき「ゆき先輩……っ好き、好きです」 

    返事は聞こえてこない。 
    荒い息づかいと、くぐもった叫び。 
    私の手で乱れる先輩。 
    先輩。 
    好き。 
    何も知らない彼女。 
    快楽を植え付けて、 
    めちゃくちゃにしてやりたい。 

    しばらくして、ゆき先輩は背中を大きくのけぞり果てた。 
    涎をたらしてだらしなく床で息を整えていた。 
    私の手もべとべとだった。 

    みき「先輩……舐めて」 

    ゆき「……みーくん」 

    みき「舐めてください」 

    ゆき「う……ん」 

    舌先でちろちろと舐める。 
    くすぐったい。


    73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 08:54:20.80 ID:fl0ZVOs/0

    どういうわけか、静かになった女子トイレは物悲しくて。 
    冷静になっていく思考。 
    先ほどまでのことが、全て夢だったのではと思えてきた。 

    みき「もう、いいですよ」 

    指示通り、口を離す。 
    私は立ち上がった。 
    何を考えていたんだろう。 
    ほとんど無抵抗だった彼女。 
    今さらながら罪悪感に怯える。 

    ゆき「みーくん」 

    呼ばれて、振り向けない。 

    ゆき「ねえ……ってば」 

    みき「すいません……私」 

    ゆき先輩は私の手を握ってくれた。 

    ゆき「大丈夫だよ……」 

    もしかしたら、私の方が見透かされていたのかもしれない。 
    一度目を瞑る。 
    生きることへの抵抗を感じた。 
    それを、彼女にぶつけてしまったのだ、私は。 

    繋がれた手の湿っぽく温かな手のひらに、 
    あまりにも人間らしさを感じて、 
    私は泣いたのだった。 




    おわり


    74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 08:56:14.66 ID:fl0ZVOs/0

    みーくん編おわり。 
    くるみ編は思いつかないのでありませんのん。


    75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 09:09:47.75 ID:fl0ZVOs/0

    読んでくれてありがとうですのん。


    78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/08/02(日) 12:33:27.62 ID:g+Ia4iEbO

    素晴らしい乙

    元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438094517/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:45:10.35 ID:fCFFj6id0

    美紀「ああ、ゆき先輩これはですね…替えを濡らしちゃって、穿くものがないんです」 

    ゆき「ほー、なるほどなるほど…」 

    美紀「…?なんですか、その目は」 

    ゆき「いやー、てっきりみーくん、人前であられもない姿をさらすことに快感を覚えるヘンタイなのかと思ってたから」 

    美紀「なっ…失礼ですよ!ていうか、そんな言い回しどこで覚えたんですか」 

    ゆき「まあまあ、それじゃみーくん、わたしの一枚かしてあげようか?余ってるし」 

    美紀「大丈夫です。これはこれで涼しくていいので」 

    ゆき「やっぱみーくん、ヘンタイだね~」ウププ 

    美紀「ヘンタイじゃありません!」 

    アーダコーダ 






    くるみ「…………なあ、りーさん」 

    悠里「………そうね、たしかに、最近の美紀さんには…少々目に余るところがあるわね」 

    くるみ「ああ…まさかパンツさえ穿かなくなるとは思わなかったからな…」


    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:46:46.81 ID:fCFFj6id0

    悠里「下着一枚で闊歩してるのを最初に見たときはわたしもびっくりしたけど…今の時代そういうライフスタイルもあるのかも、と自分を納得させようとしたわね」 

    くるみ「さも当然って感じで歩いてたからな」 

    くるみ「けど…確かそれから1週間後くらいだよな、美紀がパンツすら脱ぎ捨てたのは」 

    悠里「正直、夢でも見てるのかと一瞬自分の精神を疑ったわ」 

    くるみ「あたしも、とうとう幻覚まで見るようになったかと…なんせ、屈んだら…その……まる見え…だったし、なあ…」 

    悠里「その時に問いただしてれば良かったのだけれど…何て声をかけていいかわからなくて、結局なし崩し的に見て見ぬ振りをすることになってしまったのよね…」 

    くるみ「あいつ、当たり前みたいに堂々としてるから、こっちが間違ってるんじゃないかって気になってくるんだよな…」 

    悠里「やっぱり、美紀さんが穿いてないのって…その……性的嗜好、ということ…なのかしら」 

    くるみ「それは間違いないぜ。ああ見えて、わざとあたし達に見せつけるように屈んだり服はたいたりしてるし」


    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:49:27.95 ID:fCFFj6id0

    悠里「最近わかってきたけれど…美紀さん、相当、そうね、……すごい、わね」 

    くるみ「ああ、なんていうか…すごいな……ここ最近、あいつ、蒲団の中で、その……、ひとりで…してるんだ。それも、夜中の2時くらいまで」 

    悠里「2時…ということは、床についてから3時間くらい、その…してるってこと?」 

    くるみ「ああ、だろーな。しかも…声がでかいから、おかげで寝付けなくて、ちょっとな…」 

    悠里「ゆきちゃんに気付かれたりは?」 

    くるみ「たぶんだけど、今のとこ大丈夫。今後はわかんないけどな」 

    悠里「早急に手を打ったほうがよさそうね…」


    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:52:30.51 ID:fCFFj6id0

    くるみ「しかも夜中にそんだけしといて、他のところでもちょくちょく…、してる…っぽいし」 

    悠里「そうね…美紀さん、このところ…その、アレ特有の臭いが鼻につくのよね」 

    くるみ「そうか、あの饐えた臭いはそういうアレだったってのか……実際に美紀が、その…してるとこを見たことはあるのか?」 

    悠里「今のところ無いわ…でも心当たりはあるわね。美紀さんがシャワーを浴びたあと、いつもシャンプーの容器が妙にねとついてるとは思ってたけれど」 

    くるみ「まさか…」 

    悠里「明らかにシャンプーやリンスとは違う感じがしたし、臭いも…その…独特だったわ。…シャンプーの容器で、してると見て間違いないわね。しかも他の人に被害が及ぶぶん悪質よ」 

    くるみ「うげ、あいつの…アレで頭洗ってたのか、あたし…」クンクン 

    悠里「2階の見回りをしてても、ドアノブ式のドアにはだいたい跡があったわ」 

    くるみ「最適なノブを探してるってわけだな……触ってなくてよかった……」 

    くるみ「これは思った以上に深刻な問題かもしれねえな…」


    6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:55:46.83 ID:fCFFj6id0

    ゆき「なになに、みーくんの話?」ヒョイ 

    くるみ「うおっ、ゆきかよ…美紀は?」 

    ゆき「疲れたからもう寝るって。最近みーくん寝るのが早いよね~、さみしいよ」 

    くるみ「あ、ああ…」 

    くるみ(今頃盛り上がってんだろうな…) 

    悠里「そう、ゆきちゃん、最近…そうね…美紀さんの様子に変なところは無いかしら?」 

    ゆき「みーくんの…?どうして?」 

    くるみ「いやー、その…べつに深い意味があるわけじゃなくてさ、ちょっと気になってよ」


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 21:58:21.32 ID:fCFFj6id0

    ゆき「うーん…あ、そういえばみーくん、最近よくついてくるね」 

    悠里「ついてくる?」 

    ゆき「わたしが授業行ってるときも気付いたら外にいたり、野菜の収穫も手伝ってくれたり。昨日もいっしょにシャワー浴びようって言ってきてね~」 

    くるみ「!!ゆき…美紀とふたりでシャワー浴びたってのか…?」 

    ゆき「?うん、そうだよ?」 

    悠里「その時の美紀さんはどんな様子だったかしら?」 

    ゆき「どんなって言われても…うーん、しいて言えばいつもよりテンション高かったような…?わたしの体を洗ってくれたりね、髪までシャンプーしてくれたり」 

    ゆき「とくにねー、『こうしたほうが泡立ちますから』って言ってね、おまたに石鹸の泡つけて洗ってくれたときはもう、動きがおもしろくて笑っちゃったよ」プププ 

    くるみ「」 

    悠里「」


    8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:01:28.92 ID:fCFFj6id0

    ゆき「…?ふたりともどうしたの、その顔…?」 

    くるみ「……はっ!あぶねえ、持ってかれるとこだった…」 

    悠里「もうわかったわ、ゆきちゃん。このことは美紀さんには秘密よ?」 

    ゆき「はーい、おやすみー」 



    くるみ「甘かった…」 

    悠里「ここまでとはね…もはや一刻の猶予も許されないわ…」 

    くるみ「このままじゃ…ゆきが襲われるのは時間の問題…」 

    悠里「わたし達の身も危ないわ…」 

    悠里「とはいえ、まだ対策を立てるには情報が少なすぎる。まずは事態の把握に努めましょう」 

    くるみ「そうだな、ひとまず明日は美紀の監視…あいつが何をしてるのか、調査だな」


    9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:04:14.31 ID:fCFFj6id0

    … 


    ゆき「すぴー」 

    悠里「zzz」 

    美紀「………ん、っ……………、、、ふっ…!……ぁ………ゆき、せんぱい…っ…………」クチュクチュ 

    くるみ(……きょうは一段と盛り上がってるみたいだな………平然と眠るりーさん…流石だ………) 




    10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:07:13.58 ID:fCFFj6id0

    ゆき「ごちそうさまーっ」 

    美紀「ゆき先輩、きょうはおかわりしないんですか…?おかわりはまだありますけど…」 

    ゆき「ふっふっふ…みーくん、甘いよ。そんな罠には引っかからないんだからねっ!」ズビシッ 

    美紀「わ、罠…?」 

    ゆき「いつもおいしいご飯を食べさせられるおかげで、わたし1キロも太っちゃったんだから…!これはもうインボーだよ、学園生活部の恐るべきハニートラップだよ…!」 

    美紀「は、ハニートラップではないと思いますけど…そもそもゆき先輩は食べても体を動かさないじゃないですか」 

    ゆき「うっ、心外な…これでもわたしは日々過酷な授業を耐え抜いて…」 

    美紀「寝てるだけですよね」 

    ゆき「うぐぅ」


    12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:10:27.58 ID:fCFFj6id0

    ゆき「でも!みんなだってそんなに運動してるわけじゃないじゃん…!」 

    くるみ「そうか?りーさんは園芸部の手伝いしてるし、あたしは陸上部…いや、趣味で走ってるしな。美紀だって…あ、いや、えーと」 

    美紀「?」 

    くるみ「えっと…」 

    悠里「美紀さんだって太郎丸の世話なんかで動いてるしね。ゆきちゃんも、もっと動いたほうがいいわよ」 

    ゆき「うぅぅ、みんなしてわたしをニートみたいに……」 

    美紀「そこまでは言ってないですけど」


    13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:13:21.25 ID:fCFFj6id0

    ゆき「決めた!これから一日廊下100往復はするからね…!そしてみーくんの丈槍由紀肥満化計画を阻止してやるんだから…!」 

    美紀「そんな計画は無いですし、ゆき先輩がそんな運動を続けられるとは思えません」 

    くるみ「無理しても体痛めるだけだし、まずは軽めのストレッチとかやったほうがいいんじゃないか?」 

    ゆき「うるさい、わたしはやるからね!今に見返してやるから!」ダッダッダ 

    美紀「行ってしまいましたね…ゆき先輩、心配です」 

    くるみ「てか、授業は大丈夫なのかよ、あいつ」 

    悠里「まあ、めぐねえも付いてることだし、無茶はしないと思うわ」 

    美紀「だといいんですけど…」 

    美紀「…それじゃわたしも、見回り行ってきます」ガラガラ 



    くるみ「…りーさん、フォロー、ありがと」 

    悠里「いえ、お互いさまよ」 

    くるみ(危ねえ…『美紀は毎晩蒲団でエネルギーを浪費しているので太りません』なんて言えるわけないよな……)


    14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:16:22.40 ID:fCFFj6id0

    悠里「それにしても…、驚いたわね」 

    くるみ「ああ、ついに下着だけになるとは…しかも、スポブラも結構ゆるめだったし…」 

    悠里「何度か見えたわよ」 

    くるみ「完全に痴女じゃねーか…」 

    くるみ「あれは…本人としちゃ、少しずつ段階踏んで、気づかれないようあたし達の目を慣らしてるつもり、なのか…?」 

    悠里「少なくともゆきちゃんには通用してるようね」 

    くるみ「全裸になっても気づかなさそうだな、あいつ…」 


    悠里「…さて、ゆきちゃんが上の階に引き留められてる間に、美紀さんの見張りに入りましょうか」 

    くるみ「おう、軽く見てくっか。ま、朝からいきなりヘンな事してるとも思えないけど」


    15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:19:30.25 ID:fCFFj6id0

    悠里「たしか、美紀さんはいつも西側から見回りをしてたと思うけれど…」 

    くるみ「見たとこいないみたいだな…部屋の中か…?」 

    悠里「待って、あそこ!」 


    (バリケード上) 

    美紀「あっ、……ん、ぁ…!………ふっ、…………んくっ………」グチュグチュ 

    ゾンビ「ォァアア…」 

    ゾンビ「ゥオオオ…」 



    くるみ「」 

    悠里「」 


    16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:22:18.30 ID:fCFFj6id0

    くるみ「あれ…は……」 

    悠里「…見せつけてるようね。ギャラリーに」 


    美紀「あぁっ……んっ!………あぁ、あぁっ、…んんぁっ!!」ビクンビクン 

    ゾンビ「ォオオ…///」 

    ゾンビ「ゥアア…///」 


    悠里「だいぶ気持ちよくなってるみたいね」 

    くるみ「しかし…あんな数のあいつら、初めて見たぞ……?」 

    悠里「軽く10人はいるわ…しかも、どこか喜んでるみたい」 

    くるみ「あいつら、性欲は残ってるのか………まさか、最近この学校にいる数が増えてるのって…」 

    悠里「…可能性はあるわね」 


    美紀「…………ふぅ…」スッ 

    悠里「あっ、降りたわ!隠れて」 

    くるみ「朝からとんでもない事してくれるな…」


    17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:25:17.57 ID:fCFFj6id0

    悠里「屋上に向かったようね」 

    くるみ「りーさんの手伝いじゃねえかな。いないのを怪しまれないといいんだけど」 


    美紀「…」キョロキョロ 


    悠里「誰もいないのを確かめてるわね」 

    くるみ「まさか、ここでもやるってのか…?」 

    悠里「いえ、それは考えにくいわ…さすがに10分と経ってないうちに二度目を行えるとは思えないしね」 

    くるみ「…けど、ちょうど植物の陰になる場所に行ったみたいだぞ…?」 

    悠里「扉側からじゃ見えないわね…扉を開けたら気づかれるし……」 



    ブリッ 



    くるみ「えっ?」 



    ブリッムリミチミチブリッ…プゥー……ブボバッブリブリブリミチムリュッブリュブリュムリムリムリミチブッ、ブリッブリブリブッ………ブブゥーー…… 



    悠里「…………………」 

    くるみ(りーさんが未だかつて見たことない表情になってる…)


    19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:28:14.64 ID:fCFFj6id0

    ボバッ!プスッ…プスゥー---………ボドッ 



    悠里「…くるみ、これ、何の音だと思う?」 

    くるみ「えっ、あー…ちょっと聞いた感じ…その、えーと…トイレ、みたいに聞こえなくもないな」 

    悠里「そうね、そう聞こえなくもないわね。でもここはトイレじゃないし…」 


    「ハァー…ハァー……デテル…オッキイノデテル……」プスゥ…プチプチ…… 


    悠里「………」チャキ 

    くるみ「お、落ち着け!鍬は武器じゃない!」


    20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:31:18.48 ID:fCFFj6id0

    悠里「たしかに…あのスペースの茄子だけ、妙によく育つとは思ってたのよね」 

    くるみ「なるほど…それがあの『肥料』のおかげだった、ってわけか…」 

    悠里「そうね…たしかに糞尿を肥料に使うのは昔から一般的だし、エコな農業として注目を集めていた時期もあったわ。けれど…」 

    くるみ「あれがそういう目的じゃないのは間違いないな…」 


    プスゥ!ブプゥー-----… 


    美紀「ふぅ…きょうのは…70点、ってとこかな」ドキドキ 

    美紀「…さて、急いで埋めないと…」ドサドサ 



    悠里「美紀さん…わたし達の予想を軽々と上回ってくれるわね」 

    くるみ「もしかすると…学園生活部はとんでもない怪物を生んじまったのかもしれないな…」


    21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:34:36.14 ID:fCFFj6id0

    … 

    くるみ(それ以降は、美紀は1~2時間に一回コトをする以外には何もしなかった) 

    悠里「最初にでかいのをぶちかましてくれたけど…それ以降は大人しいわね」 

    くるみ「あ、ああ…」 

    くるみ(りーさん、こんな言葉遣いする人だったっけ…?) 

    悠里「…あ、ゆきちゃんだわ」 


    ミークン、ナンカウンコクサイ 

    ナッ、シツレイデスヨ、センパイ…! 


    悠里「拭いてなかったみたいね」 

    くるみ「むしろ、臭いって言われて興奮してるように見えるな…」 

    悠里「流石ね、美紀さん」


    22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:37:25.97 ID:fCFFj6id0

    くるみ「ゆきは部室に戻ったみたいだな」 

    悠里「…だけど美紀さん、まだ帰る気はないみたいね」 


    美紀「…」スタスタ 


    くるみ「…あそこは…、ゆきの教室か?」 

    悠里「なんだか胸騒ぎがするわね。近寄って覗いてみるわ」


    23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:40:32.52 ID:fCFFj6id0

    くるみ「…スマホを取り出した」 

    悠里「そういえば美紀さん、よくイヤホンで音楽を聴いてるわね…」 

    くるみ「スマホをスピーカーに繋いだぞ」 

    悠里「見たところ、ただの音楽鑑賞だったかしら」 

    くるみ「美紀もさすがに今日一日でしまくったし、もうしないんじゃないか?」 

    悠里「どうやら杞憂だったようね…部室に戻りましょうか」 


    カチッ 


    『みーくん、おはよー!』 


    くるみ「!?」 

    くるみ「こいつは…」 

    悠里「ゆきちゃんの声ね」 

    悠里「そして、おもむろにパンツを刺激しだしたわ」


    24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:43:20.23 ID:fCFFj6id0

    美紀「…ゆき先輩…んっ、ぉは…おはよう、ございま…っす………っっ…」クチュクチュ 

    『みーくん、』『どうしたの?』『顔赤い』『よ?』 

    美紀「…んなっっ……、なんでも…ありっ、、、んふっ………!」 

    『大丈夫?』『調子悪い』『みたい』『だけど…』 

    美紀「だいじょうぶ、ですっ…!」 

    『あれ~?』『みーくん』『ここ』『濡れて』『るよ???』『おもらし』『い???』 

    美紀「やっ……み、見ないで…ください…!」 



    くるみ「」 

    悠里「」


    25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:46:36.61 ID:fCFFj6id0

    『ん~?』『なんか』『変なにおい』『する』『ね』 

    美紀「…………っ!し、しつ…れい、な……」 

    『あ~、』『やっぱり』『みーくん』『おもらし』『して』『る~』 

    美紀「…ぃ、ちがい…ますっ……おもらし、じゃ……」 

    『とりあえず』『拭か』『ないと…』 

    美紀「やっっ!!さ、さわらないで……っっっ!!!」ビクンビクン 

    『??』『みーくん』『ヘン』『だよ?』 

    美紀「あ…あぁっ…!」ジョロ…ジョロジョロジョロ 

    『わっ!!』『み、みーくん』『おしっこ』『出て…』『る…?』 

    美紀「やめ…ゆき、せんっっぱい……、み、みない…で…っっ!!」ジョボッジョボジョボジョボ 



    くるみ「これは…」 

    悠里「…こうなるまで放っておいたわたし達の責任でもあるわ…」


    26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:49:37.20 ID:fCFFj6id0

    『やっ、』『いやっ!』 

    美紀「せんぱいっっ、せんぱいっっっ!!!」ガタンガタン 



    くるみ「どうする…?」 

    悠里「わからないわ…でも、何とかして美紀さんの性欲を発散させないと、このままでは…」 

    くるみ「っつっても、あんな男子中学生も顔負けの…」 


    ゆき「?ふたりとも、どうしたの?」 


    くるみ「!!」


    27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:52:29.20 ID:fCFFj6id0

    悠里「ゆ、ゆきちゃん…静かに……」 

    ゆき「あ、みーくんだ!何してるの?」 

    くるみ(まずい、今の美紀を見られたら……!) 


    美紀「あ、ゆき先輩。どうしたんですか?」 


    くるみ(なっ……今の一瞬で場の片付けと服を完璧に…!?) 

    悠里(なるほど…これまでのサバイバルで培った俊敏性を活かした証拠隠滅ってわけね…)


    28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:56:05.74 ID:fCFFj6id0

    美紀「わたしなら、ちょっと教室を掃除してたところです。ゆき先輩はどうしてこちらに?」 

    ゆき「いやー、りーさんもくるみちゃんも外出してたみたいでさー、暇だったからランニングしてたんだよ!」 

    美紀「ああ、朝の…まだやってたんですね…」 

    ゆき「あたしゃやるよ!」フンス 

    ゆき「…あれ、そういえば今、りーさんとくるみちゃんがいたような…あれ?おかしーな…」 

    美紀「……………………」 


    くるみ「あぶねえ…」 

    悠里「でも、まずいわね…美紀さんに感づかれたかもしれないわ」


    29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 22:58:33.00 ID:fCFFj6id0

    くるみ「直樹美紀…あいつは、学園生活部が生み出した怪物だ…あたし達の手でやらなきゃ…」 

    悠里「やられるのはわたし達のほうね」 

    くるみ「でも、どうするんだよ?美紀に気づかれたかもしれない以上、もう時間はないぞ」 

    悠里「そうね…最初は、わたし達で美紀さんの性欲処理をすればいい程度に考えていたけれど…」 

    くるみ「なっ、あたしはあいつと…その……する気はねえぞ!」 

    悠里「ええ、美紀さんの性欲は底なし沼…うかつに関わっても命を落とすのはこちらね」 

    くるみ「くそっ…せっかくここまでやってきたってのに…ここで終わり、だってのかよ…!」 

    悠里「悪夢ね…」 

    くるみ「ああ、夢ならどんなによかったか…」 

    悠里「………………………………夢、か」 

    くるみ「…………?りーさん?」 

    悠里「……………ひょっとすると、方法があるかもしれないわ」


    30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:01:26.63 ID:fCFFj6id0

    ゆき「はー、運動の後のメシは格別ですな~」ムシャムシャ 

    悠里「………」モグモグ 

    くるみ「………」モグモグ 

    美紀「………」モグモグ 

    ゆき「…?みんな、きょうは静かだね…」 

    くるみ「あ…ああ、ちょっと疲れててな…」 

    美紀「ゆき先輩がいつも元気すぎるんです」 

    ゆき「えへへー」 

    美紀「褒めてません」


    31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:04:34.45 ID:fCFFj6id0

    ゆき「…あれ、みーくん、もう寝るの?」 

    美紀「すいません、きょうは疲れが溜まってるので…」 

    ゆき「そっかー…わたしも今日は運動したし、寝ようかなー」 

    くるみ「あたしらもちょっと用事を済ませたら寝るから、真ん中開けといてくれよ」 

    ゆき「ふぁーい」 

    悠里「おやすみなさい、美紀さん、ゆきちゃん」 

    美紀「おやすみなさい、先輩」 

    ゆき「おやふみー」 



    ゆき「うう…ねむい……」ウトウト 

    ゆき「ぐかー」


    32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:07:32.41 ID:fCFFj6id0

    くるみ「……」ガラガラ 

    悠里「どう、美紀さん…寝てた?」 

    くるみ「ああ、間違いなく寝てたぜ。すごい効き目だな…」 

    悠里「自分用に取っておいた眠剤なのだけど…、使う機会があるとは思わなかったわ」 

    くるみ「ゆきには使ってないんだよな?」 

    悠里「あの子はいつも眠りが深いから。それじゃあ、行くわよ」 

    くるみ「おう」 
      


    33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:11:03.90 ID:fCFFj6id0

    美紀「…………あれ、ここは…?わたし、学校にいたはずじゃ…」 

    ゆき「あ、みーくん、起きたー?」 

    美紀「あ、先輩…ってゆき先輩、な、なんで裸なんですか…!」 

    ゆき「だって暑いんだもん」 

    美紀(ゆ、ゆき先輩…つるつる……) 

    くるみ「おー、美紀も起きたか」 

    悠里「遅いわよ、もう」 

    美紀「…って、先輩がた全員ハダカ…な、なんで……」 

    くるみ「ん、裸がそんなに珍しいか?ほら、美紀も脱いで脱いで」 

    ゆき「それそれー」モミモミ 

    美紀「ちょっ、ゆき先輩どこ触って…んあっ、ちょっ……んっ…!」 

    悠里「もう、ゆきちゃん乱暴なんだから」ボヨン 

    美紀「り…、りーさんの…おっぱいが…顔に……」 

    悠里「あててんのよ」 

    美紀(て……………てん、ごく………………)


    35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:13:28.17 ID:fCFFj6id0

    美紀「……アッ、ヤメ………ユキセンパイソンナトコナメタラキタナ…アッ、モレル、オシリモレチャウ……………」ヴヴヴヴヴ 

    悠里「成功、かしら…?」 

    くるみ「たぶんな…全部うまくいったはず」 

    くるみ(…てか、どんな夢見てんだこいつ…) 


    悠里『現実世界では美紀さんの欲求を満たすことはできない。けれど、夢の中なら…』 

    くるみ『夢?どういうことだ…?』 

    悠里『つまり、よ。美紀さんを料理に混ぜた睡眠薬で眠らせて、眠っている美紀さんに機械か何かでとことん性的刺激を与える。すると…』 

    悠里『美紀さんの夢の世界では、それはもう美紀さんの夢を叶えてくれるような素晴らしい体験を味わうはずよ』 

    くるみ『なるほどな…インムってやつか…』 

    悠里『夢の中では現実よりもずっと時間が遅いわけだから…毎晩数時間するだけでも、数日分の性欲を解消できるんじゃないかしら』 

    くるみ『よっしゃ…いっちょ賭けてみるしかないな、淫夢作戦…!』 


    美紀「アッ、ナカニダスノハダメデス、クルミセンパイ…ダメッ、シャベル…ヌイテクダサッ…アッ…!!!」ヴヴヴヴヴ 


    くるみ「それにしても…電動マッサージ機なんて、どうして学校にあったんだ…?」 

    悠里「もう、細かいことはいいじゃない、くるみ」コホン 

    くるみ「あ、ああ…」


    36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:16:24.74 ID:fCFFj6id0


    チュンチュン 


    くるみ「ふあ~あ…」ノビー 

    くるみ(ひさびさによく寝た気がする……) 

    悠里「あら、おはようくるみ」ガラガラ 

    くるみ「ん…そういえば、美紀は…」 

    美紀「………………んあ…?」 

    くるみ「お、起きたか。おはよ、美紀」 

    美紀「……あれ、くるみ先輩…おちんちんは…?」 

    くるみ「あー…今のは聞かなかったことにするから、顔洗って来い」 

    美紀「あ、はい…」ポケー


    37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:19:28.12 ID:fCFFj6id0

    美紀「…………あれ?ここは…がっこう……」ガラガラ 

    悠里「相当寝ぼけてるわね…薬の効果が強すぎたのかしら」 

    くるみ「あのまま変なことゆきに言わないといいけどな…」 

    くるみ「そういや、ゆきは?」 

    悠里「さっき起こしたところよ。それじゃあ、そろそろ朝ごはんにするわね」 

    くるみ「ああ、先行っててくれ」 

    ガラガラ 


    38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:22:49.22 ID:fCFFj6id0

    くるみ「戦いは終わった…か」 

    くるみ(ふー…朝って、こんなにすがすがしいもんだったんだな) 

    くるみ「さて…ゆきもとっくに起きてるし、そろそろあたしも起きないと…」 


    キャー! 


    くるみ「!」 

    くるみ(今のは…りーさんの声!?)


    39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:25:30.73 ID:fCFFj6id0

    くるみ「りーさん!!」ガラッ 

    悠里「いやっ…!美紀さん、落ち着いて……」 

    美紀「誘ってきたのはりーさんの方だったじゃないですか……こんなすけべなカラダしてるほうが悪いんですよ」サワサワ 

    悠里「ちょっと、美紀さん…!やめっ………!」 


    くるみ「なっ…美紀、目が…いっちまってる……!」 

    くるみ(まさか…中途半端に刺激したせいで、ぎゃくに美紀を覚醒させちまった…ってことなのか…!?)


    40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:28:13.49 ID:fCFFj6id0

    美紀「もう、こんなエッチな乳持て余してみんなを誘惑してたんですか?いけませんね、りーさん…」モミモミ 

    悠里「み、美紀さん、…んっ…お願いだから…もとの美紀さんにもどって…っ!」 

    美紀「何言ってるんですか、わたしはわたしです…りーさんこそ、自分に正直に………」 


    くるみ「おらっ!!」ペンライトポイッ 

    美紀「!!!」クルッ 

    くるみ「りーさん今だ!!」 

    悠里「…!」ダッ 

    美紀「あっ、りーさん…!」 

    くるみ「大丈夫か、りーさん!」 

    悠里「ええ、ありがとう…あと数秒遅かったら危なかったわ……」


    41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:31:39.10 ID:fCFFj6id0

    美紀「くるみ先輩…先輩も後でお世話してあげますから…りーさんを返してください……」ユラァ 

    くるみ「あいつ…あれが本当にあの美紀なのか…?」 

    悠里「わたし達は美紀さんを侮っていたようね……今の美紀さんは、もはや性の権化…性獣よ…!」 

    くるみ「性獣…!」 



    ガララッ 


    ゆき「あれ?みーくん、何してるのー?」 

    美紀「ゆきせんぱい……」フラァ 

    くるみ「しまった…ゆきを忘れてた…!」 

    美紀「ゆきせんぱい…ゆきせんぱい…ゆきせんぱい…」ペタペタ 

    ゆき「…?みーくん?どうしたの…?」 

    悠里「違うの、よく見てゆきちゃん!!」 

    くるみ「そいつはもう、お前の知ってる美紀じゃねえっ!!」 

    ゆき「えっ、みんな、何を言って…」 

    美紀「ゆきせんぱい…つかまえた…」ガシッ 

    ゆき「えっ…?えっ?」


    42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:34:57.21 ID:fCFFj6id0

    くるみ「駄目だ…間に合わねえ!」 

    悠里「今の美紀さんじゃあ、二人掛りでも太刀打ちできなさそうね…」 

    くるみ「すまねえ、ゆき…!すまねえっ………!」 

    美紀「こっちですよ、ゆきせんぱい…」ズルズル 

    ゆき「へっ、みーくんやっ、えっ…?」 


    ピシャッ 


    43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:37:38.28 ID:fCFFj6id0

    くるみ「くそっ……どうしようもないってのか…!?」 

    悠里「いえ、敵は今、放送室に立て篭もってるわ…このまま放送室を封鎖してしまえば…」 

    くるみ「ゆきは…犠牲にするしかない、のかよ……」 

    悠里「仕方ないわ…今は、私たちが生き残ることを優先しないと…」 


    ブッ…ザザァー 

    『あっ、あんっ、あんっ、あんっ…!みーくん、だめっ、やっ、もれひゃうぅぅぅ!!!』 


    くるみ「!!」 

    悠里「ゆきちゃん……!」 

    くるみ「手遅れか…………!」


    44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:41:28.13 ID:fCFFj6id0


    『だめですよ、ゆきせんぱい、まだもらしちゃいけません』 

    『やっ、ひゃめっ、もうもれぎゃう、おひっこもれひゃうぅぅぅぅぅぅ』 

    『まったく、いけないこですね、ゆきせんぱいは…おしおきがひつようですね』 


    悠里「校内放送で全校に流してるようね…」 

    くるみ「くっ…ゆき……!美紀のやつ、あたし達の精神を揺さぶろうってのか……」 

    悠里「…いえ、それだけじゃないわ。外を見て」 

    くるみ「外?」 


    ゾンビ「ォゥウウウ……グブグブ……」ガシャーンガチャン 

    ゾンビ「アアアアアア…ゥグゥグゥゥゥ……」バリーン 


    くるみ「!あいつらが一斉に校舎に……!?しかも…あいつら、あんな速く走れたのか……!」 

    悠里「おそらく、この放送におびき寄せられているのね…そのうえ、性欲で身体能力が限界まで引き出されている。この数では、バリケードが突破されるのも時間の問題ね…」 

    くるみ「美紀…あいつがあたしら全員の命を握ってるってわけか…!」


    45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:43:32.99 ID:fCFFj6id0

    悠里「…打つ手なし、ね……すなおに降参して、放送を止めてもらうしかないわ」 

    くるみ「そんな…あの怪獣に身を差し出すしかない、のかよ……どっちにしたって…待つのは死、じゃんか」 

    悠里「そうだけれど、まだ助かる可能性が高いほうを……」 


    ガシャァン 


    くるみ「なんだ…?」 

    悠里「あっ、あそこ…」


    46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:46:35.38 ID:fCFFj6id0

    ゾンビ「ハァーハァー…」 


    くるみ「!まさか、もうバリケードが破られたってのか……」 

    悠里「いや、違うわ!あれは……」 

    くるみ「……まさか………!」 



    ゆき「ひゃんっ…ゃだ、そこきもひぃ…っ!!あんっ、らめ、いっひゃうっっ」ビクンビクン 

    美紀「もういっちゃったんですか?ほんとうにだらしないですねゆきせんぱい…おしおきとしておしりを……」 


    バキッ…ガラガラガッシャーン 


    美紀「!だれ!?」


    47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:49:56.84 ID:fCFFj6id0

    「ハァー…ハァー…」 


    美紀「ゾンビ……?いや…」 

    美紀「…なるほど…。教え子の危機に駆けつけた、というわけですか…………佐倉先生、いや、…めぐねえ」 


    めぐねえ「ォァアアア……ォオオ……」 


    くるみ「めぐねえ…校舎の中にいたのか………」 

    悠里「きっと、こんな時のために待っていたのね…わたし達を、護るために…」


    48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:52:17.19 ID:fCFFj6id0

    美紀(……話には聞いていたけど、ゾンビになってさえこの色気……ゆき先輩が心酔するのも無理ない、か…) 

    ゆき「めぐ…ねえ…?」 

    美紀「おだまりなさい、ゆきせんぱい」バチーン 

    ゆき「ひうんっっ」 

    めぐねえ「……ォオオオオオオ!」 

    美紀「無駄です、めぐねえ…ゆき先輩は、学園生活部は、もうわたしのものなんです。死人は黙って野菜の肥やしになっててください」 

    めぐねえ「…グジュルジュル…グフゥゥ……」 

    美紀「…食い下がるつもりはないみたいですね。仕方ありません…先輩がたの恩師に、手を掛けたくはなかったんですけど」 

    めぐねえ「ヴヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ……!!」 

    美紀「くらえ………っっっっ!!!!!」 


    カッ 


    49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:55:14.04 ID:fCFFj6id0

    悠里(…その日、巡ヶ丘高校の放送室で起きた二大怪獣の衝突は…周囲に甚大な爪痕を残すことになった) 

    悠里(校舎内に入ってきた連中は一掃…校舎も半壊) 

    悠里(あれから、一週間が経った) 

    … 

    ゆき「うぅー、つかれたよ…」 

    美紀「バリケードに使う机はこれで全部です、頑張ってくださいゆき先輩」 

    ゆき「せんぱいつかれた…若いみーくんが代わりにやってよー…」 

    美紀「何老けたこと言ってるんですかゆき先輩、早めに終わらせないとおやつ食べる時間無くなりますよ」 

    ゆき「!!おやつ!おやつのためならいくらでもがんばれる…!!みーくんのも持つよ!!」ドドド 

    美紀「げ、元気になりすぎて怖いです…ってゆき先輩、ふらついてますけど大丈夫ですか…あ」


    50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/03(木) 23:58:11.32 ID:fCFFj6id0

    くるみ「お、ゆき、頑張ってるか…って、どうした…」 

    ゆき「く、くるみちゃん…あたしのかわりに…つくえを……」ピクピク 

    くるみ「あー、大体想像がつくな…」 

    悠里「もうゆきちゃん、無茶なことはしないの!大丈夫?」 

    ゆき「だ…だいじょうぶ……」ピクピク 

    美紀「ゆき先輩が張り切るとだいたいろくな事になりませんね…」 

    … 

    くるみ「うし、これでバリケードの修復も完了だな!」 

    ゆき「やったー!おやつ、おやつ」 

    悠里「まだよ、ゆきちゃん。西側の修復が残ってるじゃない」 

    ゆき「あうう…」


    51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/04(金) 00:01:41.07 ID:oe4RaWGi0

    悠里(幸いにも、発電設備や浄水設備、菜園…これらのインフラは破壊を免れ…) 

    悠里(わたし達は今日も、以前と変わらない日々を続けることが出来ている) 

    悠里(変わった点があるとすれば…) 


    美紀「わたしはちょっと、職員室に行ってきます」 

    くるみ「おう、おつかれ」 

    ゆき「うぅ…みーくんまでわたしをおいていくのか…」 

    悠里「ほら、うな垂れてる暇があったら机を運ぶ!」 

    くるみ「マジでおやつ食う時間なくなるぞー」 

    ゆき「味方がいないよめぐねえ……」グスッ


    52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/04(金) 00:04:24.63 ID:oe4RaWGi0

    くるみ「美紀、すぐ戻って来そうか?」 

    悠里「うーん、ここ数日溜めてたみたいだし、この分じゃ日付が変わるまで戻ってこないわね」 

    くるみ「よりによってこんな時に…美紀も、あれさえ無ければ可愛い後輩なんだがなあ……」 

    悠里「まあまあ、それでもだいぶまともになったわよ。それじゃ、3人で取り掛かりましょうか」 



    めぐねえ「ヴヴォヴァアアアアア…」シチュシチュ 

    美紀「ハーッハーッハーッハーッ」ペロペロ 

    めぐねえ「オ゛オ゛ッ…ア゛ア゛ア゛ッッッ…!!」ビクンビクン 

    美紀「ハーッハーッハーッ…ハーッ、ハーッ、ハーッ……ンッ…!!」ビクッ 

    めぐねえ「オ゛アア……ホオオ…ホオオ…ホオオ……」クチュクチュ 

    美紀「ハーッハーッハーッハーッハーッハー、ハーッ……ハーッ……」サワサワ


    53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/04(金) 00:07:22.40 ID:oe4RaWGi0

    悠里(めぐねえと美紀さんは…激しい闘いのすえ、互いを好敵手(とも)と認めるに至り…今ではお互いの秘所を刺激しあう仲となっている) 

    悠里(まあ、美紀さんの飽くなき性欲に付き合えうことができるのは、それこそめぐねえくらいしかいないわよね…) 

    悠里(めぐねえのおかげで美紀さんの欲求不満も解消…美紀さんの毒牙に掛かったゆきちゃんも心配だったけれど、あれから様子がおかしなところもないし…) 

    悠里(いちどは終わるかと思われた学園生活部だけれど…、こうして今日も生活を続けられている) 


    くるみ「ふぅー、つかれたぁ…」 

    悠里「まさか今日一日でバリケードの補修が終わるとは思わなかったわ…ゆきちゃんが頑張ってくれたおかげね」 

    くるみ「美紀も、体力があるだけあって…凄いスピードで机運んでたもんな…」 

    悠里「若いっていいわね」 

    くるみ「いや…あれは若いとかじゃなくて美紀が特別なだけだと思う…」 

    悠里「めぐねえもたまに手伝ってくれるし…ああなっても、意外と記憶って残ってるものなのね」 

    くるみ「ああ、めぐねえはああなってもちょっとドジなのは相変わらずなんだよな…」


    54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/04(金) 00:10:36.13 ID:oe4RaWGi0

    悠里「……ふふっ」 

    くるみ「?」 

    悠里「いえ…ただ、人生何が起こるかわからないものね、って思うとおもしろくてなっちゃってね…」 

    くるみ「そうだな…美紀の暴走が結果的にめぐねえを呼んでくれて…学園生活部の絆を深めてくれることになったし」 

    悠里「この生活に入ってから、現実は冷たくて厳しいと思ってたけど…意外と世の中、捨てたものじゃないわね」 

    くるみ「だな…」 

    くるみ「……そういや、ゆきは?」 

    悠里「補習、らしいわ。たぶんいつもの教室ね」 

    くるみ「そろそろ呼び行ってやるか…あいつも今日は頑張ったし、たっぷり食わせてやらないとな」 

    悠里「わたしも行くわ。晩ご飯の仕込みは済ませてあるから」


    55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/04(金) 00:13:45.17 ID:oe4RaWGi0

    悠里(…そう…諦めなければ…きっと、道は開ける…そこにひとすじの希望がある限り、わたし達は頑張り続ける…) 

    悠里(たとえ、世界が絶望に満ち溢れているとしても…) 



    ウン、ソウ…ソロソロブカツガ…ウン… 


    悠里「ゆきちゃんの声ね…まだ授業中なのかしら?」 

    くるみ「ゆき、いるかー?そろそろご飯…」 


    ゆき「あっ、あんっ…だめ、だよ、中沢くん…もう行かなきゃ…」スリスリ 

    ゆき「あっっ、佐藤くんまで…あひんっ、二本だめっ、いっひゃう、いっひゃうううううう!!!!」ビクンビクン 



    くるみ「」 

    悠里「」 




     おわり

    元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441284310/

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 17:10:37.27 ID:XYhNTki2o

    私がどうしてそんな女の子らしからぬ事を思い立ったか、なんて事は、この際、どうでもいいんです。 

    大事なのはゆき先輩が毎日元気一杯にはしゃぎまわっているというこの事実と、それを毎日冷静沈着な目で観察してきた私が、走る度にぷるぷる揺れるゆき先輩の臀部に対して無性に心の底からカンチョーをしてみたいと願うようになったこの気持ちなのですから。 

    そして、私は中途半端は嫌いですし、それはゆき先輩に対しても大変失礼な事だと思いますので、全身全霊、命の限りを尽くして全力でカンチョーしようと考えています。相手に対して礼節を尽くすのは人として当然の事ですから。 

    大事なのは気持ちです。理屈ではありませんし、明確な理由なんて必要もないんです。ジークンドーの創始者であり映画俳優でもあるブルース・リーもこう言っています。「考えるな、感じろ」と。 

    私はあの人の映画を一度も見た事がありませんが、とても素晴らしい言葉だと個人的には思っています。 

    なので私は考えのをやめ、ゆき先輩の柔らかそうでもみゅもみゅとしていそうな臀部を探し求める為に、三千里の道程も辞さない覚悟で学園生活部の部室から、今、旅立ったのでした。


    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 17:59:18.76 ID:XYhNTki2o

    もちろん私はゆき先輩の事を、まるで盛りのついたシートンの様に毎日観察していた訳ですから、先輩が今どこにいて何をしているかなんて事は大体想像がつきます。 

    恐らくゆき先輩はいつもの教室でまるで盛りのついたアルパカのように勉強しているのでしょう。恐らく盛りのついた佐倉先生と一緒に。 

    佐倉先生というのは、この学校の先生で、私がここに来る前に盛りのついたゾンビに襲われ、今はお亡くなりになっている方です。 

    ゆき先輩はその事実を受け入れられず、現実とは斜め45度ほどずれた世界に今、住んでいます。その世界では『パンデミック』なる人的災害は起きてもいませんし、盛りのついた佐倉先生も死んではいません。生きています。 

    妄想の中だけの優しい世界、と言えばいいのでしょうか。盛りのついたゆき先輩はそういった世界に住んでいます。そして、いつも通りの日常を送っています。 

    盛りのついた私はそのゆき先輩の臀部に微塵も容赦ないカンチョーを見舞う事を画策しています。何もおかしい事はないです。朝起きたら顔を洗って歯を磨き、着替えて食卓についてジャムたっぷりのトーストを食べるぐらい自然な流れですね。


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 18:41:34.74 ID:XYhNTki2o

    よくよく考えてみると、です。 

    一歩進む毎に私は、ゆき先輩の臀部の危機的状況へと一歩近付いている訳です。私が一歩足を踏み出す度に、ゆき先輩の明るい未来お尻計画も崩れていく訳です。 

    何故だかそれに興奮してテンションが上がってきた私は、廊下をムーンウォークで華麗に進みだし、途中で消火器にぶつかって転びました。 

    少し気合いが入りすぎているようです。いえ、気合い自体はいいのですが、それが気負いになると急激にマイナスへと暴落します。私は心を落ち着ける為に、ジブリ映画に出てくるムスカを思い浮かべ、逆にテンションが上がりました。 

    私は、今度はイナバウアーのポーズを取りながらムーンウォークして華麗に進み、足元に特に何もないのにすっ転びました。後頭部が先程からジンジンします。 

    きっとこれもカンチョーの神様が与えたもうた試練なのでしょう。ゆき先輩の臀部にはそれだけの価値があるという事です。 

    痛さを紛らす為に私は『ふれんどしたい』の替え歌である『かんちょーしたい』を口ずさみながら歩く事五分、特に山場も盛り上がりもなくゆき先輩のいる教室前へと遂にたどり着いたのです。 

    いざ、決戦の地へ。


    9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 22:18:44.62 ID:XYhNTki2o

    「ゆき先輩、いますか?」 

    ガラリと教室の戸を開けます。もちろん、いるのはわかっています。重要なのは、今がゆき先輩にとっての授業中かどうかです。 

    「あ、みーくん。どうしたの?」 

    幸いな事に授業中ではなく、休み時間中のようでした。ゆき先輩はごく普通に受け答えしてくれます。これは絶好の機会です。 

    「先輩、ちょっと向こうの空を見て下さい。今、風船みたいなものが飛んでるんです。ほら、あそこ」 

    そう嘘をついて、私は窓の外を指差します。ゆき先輩は良くも悪くも素直な性格をしていますので、あっさりと私の嘘を信じ、「どこどこ?」と無邪気な表情で後ろを振り向きます。 

    「ほら、向こうですよ。見えませんか?」 

    「んー……?」 

    当然、元から無いんですから見えるはずがありません。いくらゆき先輩でも私の嘘までは見えないのですから。先輩は目を細めつつ窓の近くへとゆっくり歩いていきます。つまり、完全完璧に無防備な臀部を私の前にさらけ出したのです。 

    このチャンスをものにしなければ、私は恐らく生涯後悔するでしょう。すぐさま両手を組み合わせて、さながら決闘前のガンマンのように私はカンチョーの構えをとりました。 

    以後、本作戦を『オペレーション・エンジェルウイング』、カンチョーの構えの事を『グングニール弐式』と呼称する事を、私は人知れずここに宣言します。


    10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/15(火) 23:21:04.46 ID:XYhNTki2o

    私は、『グングニール弐式』の構えを取りつつ、ターゲットの肛門との距離を目視で測ります。 

    距離はおよそ三メートル程です。『運動エネルギー』は『1/2×速さ×質量の自乗』で求まりますので、早い話、速くて重いカンチョーほど、相手に与える衝撃は大きくなります。 

    助走をつけて大きく強く踏み込み、手加減や躊躇いを一切せず、奥まで突き刺す事。 

    私は頭の中でそう確認し、それから脳内シミュレーションを素早く行い、そして次の瞬間には野獣の様に駆け出していました。 

    人間というのは、極限まで集中すると、脳が必要な情報だけを判断して、それ以外の情報をシャットダウンする様に出来ています。音が消え、代わりに周りの動きがスローモーションになるというアレですね。『ZONE』などと呼ばれる現象です。それがこの時の私にも起こりました。 

    足を踏み込む瞬間の筋肉の動きが鮮明に理解できます。額から滴る汗がゆっくりゆっくりと床に落ちていきます。ゆき先輩の次の動きまで完全に予想がつきます。 

    疾く、強く、深く! 

    私は一心に念じます。この『グングニール弐式』をゆき先輩の肛門の奥の奥目掛けて突き刺すのが今の私の生きる意味だと言っても決して過言ではありません。 

    届け、この想い! 届け、この技の冴え! 誰よりも、何よりも、容赦なく! 

    私はものすごく純粋で熱烈な気持ちを胸一杯に抱えながら、無防備なゆき先輩目掛けて思いきり足を踏み込みつつ全力でカンチョーをしました。 

    「う゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    あの時のゆき先輩の悲鳴を私は一生忘れる事はないでしょう。


    18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/16(水) 16:20:32.64 ID:ryQ0Sozro

    「ふぎゃあぎゃうぎひぎぐいううあぎゃぐぎゃぎい!!!」 

    ゆき先輩は意味不明な宇宙人語を叫びながら、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょんと教室中を飛び回っています。 

    それはまるで不思議の国のアリスに出てくる懐中時計とステッキを持ったウサギのようにも、ジャンプする芸を仕込まれたばかりのジュゴンの様にも見えました。何だかとても切ない気持ちになりました。 

    はっきり言って、今のゆき先輩には可愛らしさも女の子らしさもありませんでした。今、私の目の前にいるのは、お尻を抑えて飛び回るだけのジュゴンです。それを見なければならない結果となった私は、何だかとても切ない気持ちになりました。 

    失望と悲哀が胸に広がるのを感じながら、私はゆき先輩に慌てた感じで声をかけました。 

    「ゆき先輩! どうしました!? 大丈夫ですか!? 一体、何があったんですか!?」


    20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/16(水) 19:02:50.47 ID:ryQ0Sozro

    しかし、私がどれほど心配げに尋ねても、ゆき先輩からはまともな答えが返って来ません。「ひあひふぎいぎぎ!!」などと、理解不能な言語を先程からずっと発しながら未だ宇宙と交信中です。 

    あるいは、どこか遠く離れた国の民族儀式なのかもしれません。そういえば、どことなく鳥獣戯画の様ともよく似ています。私はあのオーバーヘッドをしているウサギが可愛らしくて好きです。だけど、今のゆき先輩はカエルさながらです。 

    そういえば、私の友達に圭という子がいたのですが、その子にも私はこの様にカンチョーをした事がありました。二人でショッピングモールで避難ぐらしをしていた頃の話です。 

    圭は私にこう言いました。「部屋に閉じ籠って、生きていればそれでいいの」と。私は何も答える事が出来ず、圭に全力でカンチョーをしました。圭に全力でカンチョーをしました。圭に全力でカンチョーをしました。 

    圭に全力でカンチョーをしました。 

    次の日には何故か圭は部屋からいなくなっていました。外に一人で出ていってしまったのです。 

    あれも切ない思い出です。私はいつだって取り残され、放置される側です。私の期待や希望は常に裏切られ、いつだってろくでもない結果ばかりが残ります。まるでロミオとジュリエットのような悲劇です。 

    一方で、ゆき先輩はといえば、私がそんな哀愁漂う悲しい思い出にふけっている間もずっと、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、何だか理不尽な話ではありますが、段々と腹が立ってきました。 

    「ゆき先輩! いい加減にして下さい! どうしたんですか!?」 

    私は飛び跳ねるゆき先輩をがっしりと掴んで地面にしっかりと接地させました。その拍子にゆき先輩は滑って転んで尻餅をつき、それが肛門を強く刺激したのか「ふ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」今度は教室中を転がってのたうち回り始めました。 

    私は慌てて誤魔化しました。 

    「何て事をするんですか、くるみ先輩! 酷いです!」


    24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/17(木) 15:50:17.50 ID:clx5nRseo

    幸いな事に、ゆき先輩は後ろを向いていたので、誰がやったかなんてわかりません。なるほど、これは完全犯罪ですね。私はくるみ先輩に全ての罪をなすりつける事にしました。 

    「何をしてるんですか、先輩! 何でゆき先輩にカンチョーなんか!」 

    そう言いながら、私は転がり回っているゆき先輩を止めて、うつ伏せにし、それからおもむろにもう一度カンチョーしました。 

    「い゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    ゆき先輩が再び悲鳴を上げます。手加減しているとはいえ、追い討ちはやはりダメージが大きいようです。 

    流石の私もこれには心が痛みましたが、くるみパイセンのせいにする為です。仕方ありません。 

    「くるみ先輩! ゆき先輩をどうする気なんですか! 正気ですか!?」 

    私はそう叫びながら、暴れるゆき先輩の尻をむんずと後ろから掴むとうどんを打つ時のようにパチーンパチーンとリズミカルにスパンキングしていきます。 

    「やめて下さい! くるみ先輩! もうやめて下さい!」パチーン!パチーン! 

    「ゆき先輩のお尻はもう限界に来てます! これ以上ゆき先輩を苛めないで下さい!!」パチーン!パチーン! 

    不謹慎な話かもしれませんが、これは私にとってかなり楽しい行為でした。新しい何かに思わず目覚めそうです。


    28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/17(木) 20:39:37.54 ID:clx5nRseo

    ゆき先輩のお尻をパンパン叩いていると、ゆき先輩はそれに反応してふぎゃふぎゃと悲鳴を上げる訳です。まるで楽器のようです。 

    そして、時折、「くるみちゃん、やめて!! やめて!!」と合いの手を入れるように叫ぶのです。どうやら、作戦は成功したようです。私はゆき先輩を騙す事が出来た記念にもう一度カンチョーしました。一際大きな悲鳴が上がります。 

    しかし、思えばゆき先輩も哀れな存在です。いきなりカンチョーされ、地面に転がされ、今やお尻は打楽器と化しています。一体、何でこんな状態になったのでしょうか。ゆき先輩が一体何をしたと言うのでしょうか。 

    これほど理不尽な仕打ちを受ける理由がゆき先輩に果たしてあったのでしょうか? 

    私は尻を軽快にスパンキングしながらそんな事を考えました。そして考えれば考えるほどゆき先輩が可哀想になってきたのです。 

    私の中で走れメロスさながらふつふつと義憤が沸いてきました。こんな理不尽な事はあってはならないのです。このままにしてはおけないと思いました。 

    「くるみちゃん、やめて!! 痛い痛い!!」 

    そうです。このままではゆき先輩が悲惨すぎます。私が助けなければ。 

    「いい加減に離れて下さい! くるみ先輩!!」 

    私はダンッと力強く床を踏んで、いかにもくるみ先輩を突き飛ばして助けた感じを演出した後で、 

    「あ、逃げないで下さい! くるみ先輩!!」 

    急いでドアを開け、逃げた振りも演出しました。それから、哀れなゆき先輩に向けて、私は非常口のマークのポーズを取りながら力強く宣言しました。 

    「ゆき先輩! 安心して下さい! この仇は私が取ります! ゆき先輩に代わって、私がくるみ先輩に全力でカンチョーをします!」 

    私はゆき先輩に成り代わり、くるみ先輩に復讐する事をここに固く誓ったのです。


    34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/18(金) 14:11:56.45 ID:l0QenXxyo

    教室から飛び出し、廊下をムーンウォークで縦横無尽に走りながら、私はトサカにきてました。激おこです。必ず、かの邪智暴虐なくるみパイセンを除かなければならぬと決意していました。 

    私には政治がわかりません。私は、ただの女子高生です。これまで本を読み耽り、友達と遊んで暮して来ました。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感でした。 

    そうです! くるみ先輩は生まれた時から邪悪の塊の様な人間なのです。地獄の血の池で鬼とピーチバレーをし、悪魔とポーカーを一緒に楽しみ、魔界からの使者とフレンドリーな会話をするぐらいの極悪非道さなのです。ゲロ以下の臭いがぷんぷんします。 

    あれは一昨日の事です。くるみ先輩はあの時もそうでした。マッサージをすると称して私を家庭科室にまで連れ込み、そこで二時間に渡り私を電気あんまし続けたのです。 

    あまりのくすぐったさに暴れながら笑い転げたのも最初の内だけでした。最後らへんにもなると笑いすぎて息も絶え絶えとなり、お股もゆるくなり、私は突如として失禁しました。 

    そこでようやく離され、私は涙目になりながらシャワー室まで行き、そこで再び電気あんまされました。そうです。くるみ先輩はこの様に人でなしなんです。 

    思い出したらまた無性に腹が立ってきました。私は激おこぷんぷん丸です。ゆき先輩だけでなく、私にも復讐する動機が立派にあるはずです。 

    私にも復讐する動機が立派にあるはずです。 

    私にも復讐する動機が立派にあるはずです。 

    決意を更に強めた私は、廊下をムーンウォークでひた走り、くるみ先輩の姿を探しまわりました。その姿はまるで偵察任務中のドムとそっくりだったと思います。


    37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/18(金) 20:25:43.83 ID:l0QenXxyo

    そして、遂に見つけました! 諸悪の権化と影で私が主に囁いている、くるみ大魔人を。彼女は見廻り中だったのか、スコップを肩に、悠々と歩いています。 

    私はその傲岸不遜で呑気な態度に更に腹を立てました。ゆき先輩はきっと今も臀部の痛みに苦しんでいるだろうに、もう生かしておけません。成敗です。 

    「くるみ先輩!」 

    私が勢いよくムーンウォークで近付くと、くるみ先輩はとても驚いた顔をしました。「何してるんだ、みき!?」ムーンウォークです。 

    「そんな事はどうでもいいです! それに、何してるんだというのは私の台詞です! どうしてゆき先輩にカンチョーをして逃げたんですか!」 

    「は!? 私はそんな事してないぞ!」 

    そういえば、そうでした。ですが、それは今更問題ではありません。


    39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/19(土) 16:06:35.87 ID:yFZHlUFio

    今、私が問題としているのは、このやり場のない怒りです。この気持ちの前では、くるみ先輩がゆき先輩の復讐相手かどうかなど、ほとんど問題ではありません。 

    「それに、これだけじゃないです! くるみ先輩には、私に電気あんまをして失禁させた罪もあります!」 

    「それはお前の方だろ! お前が私にやったんじゃないか!!」 

    そういえば、そうだったような気もします。昨日無性に電気あんまをしたくなって、気がつけばくるみ先輩を襲っていたような記憶もなくはないです。でも、今更そんな事はどうだっていいんです。 

    大事なのは過去ではなく、今、この瞬間なのです。今を一生懸命に生きる事、それが大事なんです。 

    だから、私はこの怒りをくるみ先輩に精一杯ぶつけるべきであって、電気あんまをどちらがしたかというのは、この際、気にする事ではありません。 

    私はそう確信するのです。


    43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/19(土) 21:05:47.34 ID:yFZHlUFio

    「とにかく、くるみ先輩! こっちに来て下さい!」 

    私はくるみ先輩の腕をしっかりと両手で掴みます。 

    「って、ちょっとおい、何だよ! やめろ! 引っ張るな!」 

    引っ張るな、などと言われて、やめる馬鹿はいません。時に素直さというのは美徳ではなく愚直へと変わるのです。私は卑怯者になろうとも愚か者になる気はありません。 

    「さあ、こっちです。こっちに来てゆき先輩と私に対して謝って下さい!」 

    くるみ先輩は抵抗を見せましたが、私が軽く腕をひねってやるとあっさりと陥落しました。「痛い痛い痛い! 折れる! ちょっと!」 

    私はそのままくるみ先輩を元いた教室まで連行しました。そして、未だにお尻を押さえて倒れているゆき先輩の姿を見せます。 

    「さあ、ゆき先輩に謝って下さい。早く!」 

    「だから、何で私が謝るんだよ!? それに、ゆきはどうして倒れてるんだ!?」 

    「くるみ先輩がやったんじゃないですか! とぼけないで下さい!」 

    そう言いながら私は机の上に置いてあったボールペンを手に取りました。くるみ先輩は必死で抗弁します。 

    「違う! 私はやってない!」 

    はい。確かに。 

    でも、それは今更の話なんです。時は既に遅いんです。運命は決定してしまったんです。 

    「くるみ先輩。天誅です! お覚悟!」 

    私は素早く、驚くほどの迅速さでくるみ先輩の背後へ回り込むと、さながらソフトボールのピッチャーの様に腕を一回転させて全力でくるみ先輩の肛門へとボールペンを使ってカンチョーしました。 

    全力でボールペンを使ってカンチョーしました。 

    全力でボールペンを使ってカンチョーしました。 

    全力でカ・ン・チ・ョ・ーしました。 

    「あ゛き゛く゛き゛く゛き゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    手応えアリ、です。気分はすっかり仕事人の私です。アナルにずっぽり入った感触が手に伝わってきてとても興奮しました。


    49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 17:56:56.98 ID:AQrzi1fuo

    くるみ先輩は一度だけマリオの様に飛び跳ねると、後は膝から倒れて床へと転がり、そして回りながら悶絶しています。 

    「く゛あ゛あ゛あ゛あ!!!」 

    まるでゾンビに感染してしまった様な苦しげな声です。一思いに楽にしてあげるべきでしょうか。 

    私は少しだけ迷いましたが、結局くるみ先輩の体をうつ伏せにしてもう一度カンチョーしました。「い゛き゛き゛い゛い゛い゛い゛!!!!」 

    悲鳴を聞くたびに何だかお腹の辺りが熱くなってゾクゾクします。私は病気になってしまったのでしょうか? 試しにもう一度。「ひ゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    「み、みーくん! いくらなんでもやり過ぎだよ! くるみちゃんのお尻がどうかしちゃうよ!!」 

    慌てた感じでゆき先輩が叫びました。手は相変わらずぷるんぷるんのお尻をおさえています。ゆき先輩はやはりとても優しくキュートな先輩だと思います。それに比べてくるみ先輩ときたら。 

    「う゛あ゛あ゛く゛あ゛き゛あ゛あ゛あ゛あ!!」 

    まるで泥浴びをする豚です。いつまでゴロゴロと転がり回っているのでしょうか。ゆき先輩のこの天使の様な姿を見習うべきです。醜いにも程があります。見苦しいです。 

    そして、私は醜い生き物が嫌いです。くるみ先輩は即ち豚で私の嫌いな生き物です。後で私の足の裏でも舐めさせましょうか。そう考えたら私はまたとても興奮しました。


    51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/20(日) 22:14:36.11 ID:AQrzi1fuo

    そう。ここで私は重要な事に気付いてしまったのです。 

    私は別に病気とかではありませんでした。気がふれた訳でもありません。ものすごく正常でした。 

    私は変態だったのです。ものすごく正常な変態だったのです。 

    カンチョーや電気あんまをする事にとても興奮します。美少女が苦痛に歪んだ表情を見るのは至高の瞬間です。足の裏を舐めさせる事については想像しただけでゾクゾクします。 

    つまり、いわゆるドSというやつだったのです。レズ寄りのドS系変態だったのです、私は。 

    その事に気付いた私は、何故だかとてもスッキリとした気分になりました。昨日までの普通な自分にサヨウナラをし、ウェルカム変態ワールドです。記念にゆき先輩の肛門めがけてボールペンを突き刺しカンチョーしておきました。 

    「い゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    耳に心地好し、カンチョーの悲鳴。手には嬉し恥ずかし、カンチョーの余韻。目には揺れし、美少女のオケツ二つ。 

    風流な雰囲気を感じ取った私はここで一句。 


    卓上に 真っ赤に映える トマトサラダ Sぞ実りて 変態となりぬ 

    【訳】 
    屋上の菜園に植えたトマトが大きく育って収穫出来るぐらいになり、それをもぎ取ってサラダにして食卓に並べると、赤い色彩が映えてとても際立っています。それと同じで私の中でしっかりと育っていったドS性も、今では立派に収穫出来るぐらいに実り、とても際立った変態となっていました。 


    良い出来の短歌です。私が死んだら是非墓に刻んで欲しいと思います。


    54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 17:53:48.81 ID:V8Ks6Ps8o

    変態だって生き物です。生きているんです、精一杯。 

    変態にも幸せになる権利はあるんです。 

    『幸福というものは、一人では決して味わえないものです』と、ソ連の劇作家であるアルブーゾーは語りました。正しくその通りです。ゆき先輩やくるみ先輩にカンチョーする必要があったんです。 

    『幸福であるだけでは十分ではない。他人が不幸でなければならない』とは、フランスの小説家であるジュール・ルナールの言葉です。これも正しくその通りです。ゆき先輩やくるみ先輩にとっては不幸かもしれませんが、私にとっては幸福です。カンチョーするという行為は私を幸せにしてくれます。 

    もちろん、若干の心苦しさはあります。ゆき先輩は私にとって愛すべき人なので、そのゆき先輩にカンチョーをし、それを100%喜びに変えている訳ではありません。85%程はそうですが、残りの15%程は罪悪感に打ちひしがれているのです。 

    ですが、イギリスの哲学者であるバートランド・ラッセルはこう述べてます。『私たちが愛する人々の幸福を願うのは当然である。だが、自分達の幸福を棄ててまでこれを願うべきではない』と。 

    私はゆき先輩に心の中で深く謝罪しつつ、自分の幸福を成就させる為に、がしりとゆき先輩のお尻を掴み、餅をこねるように荒々しく揉みしだき始めました。 

    「や、み、みーくん! あぐ、い゛痛いの! お尻、お尻が!」 

    ゆき先輩が抵抗する度に私のドキドキとロマンティックゲージがぐんぐんうなぎ登りです。まるで運命に導かれる様に、私はゆき先輩のピンク色の下着に手をかけ、それを一気に引っ張って脱がそうとした丁度その時の事です。 

    「ゆきちゃーん! くるみー! どこにいるのー!?」 

    教室の外からゆうり先輩の声が聞こえてきました。しかも段々とこちらに近付いてきます。これは非常にまずい事態です。ヤバイです。


    58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/21(月) 20:55:56.47 ID:V8Ks6Ps8o

    何がヤバイって本当に色々とヤバイです。ヤバすぎて最早ヤヴァイです。8ビートのリズムに乗せてヤヴァイ↓ヴァイ→ヴァイ→ヴァイヴレーション↑↑です。 

    ゆうり先輩が怒った時の迫力は熊さえ逃げ出す程ですし、あの人は腕力や握力もゴリラ並みなんです。 

    金属バットをまるでスプーンのようにくにゃりと曲げますし、リンゴぐらい片手で潰せます。ゴリラ並と言うよりすでにゴリラです。あの人は世界一可愛いゴリラだと私は確信しています。 

    そのゴリラが盛りのついたターミネーターの様に私のいる教室まで迫ってきているんです。 

    一方で、盛りのついた私はと言えば、ゆき先輩のお尻に手を添えていますし、ゆき先輩は半ケツ状態です。これを見られたら完全にアウトです。言い逃れが出来ません。 

    「ゆきちゃーん! くるみー! さっき悲鳴みたいな声が聞こえたんだけど、大丈夫なのー!」 

    大丈夫ではありません。二人とも尻に深刻な被害を受けてます。どうしたものかと焦った私は、急いでくるみ先輩の臀部に飛び付き、パンツを下ろして半ケツ状態にさせました。 

    「な゛! なにすんだよ、バカ! おい!」 

    うるさいです、先輩。私は急いでくるみ先輩の足を引っ張りオケツをゆき先輩のと並べるように引き寄せます。 

    「みーくん! なに!? 今度は何する気なの!?」 

    先に謝っておきます。ゆき先輩、ごめんなさい。 

    私はポケットの中に隠し持っていたワサビと練りカラシのチューブを取りだすと、急いで蓋を開け、それを両手で持って二人の丸出しの肛門に勢いよくズブリと。 

    「う゛き゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 
    「き゛や゛く゛き゛き゛あ゛あ゛き゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    そして、チューブを潰してすかさず中身を流し込みます。 

    「が゛ぎ゛が゛ん゛ぐ゛ぎ゛び゛ぎ゛や゛あ゛ぎ゛が゛が゛ぎ゛ぎ゛が゛が゛や゛ぐ゛が゛が゛ぎ゛が゛が゛が!!!!!」 

    もう悲鳴を通り越して、断末魔の様にも聞こえる二重奏が天高く大空へと羽ばたいていきました。もし、曲名をつけるとしたら、『肛門★天極のフィナーレ』というところでしょうか。 

    こんなにも切なく美しい歌声を聴いたのは、私はこれが初めての事でした。感動で涙が溢れそうになりました。


    63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 14:43:25.60 ID:gwL05l/6o

    しかし、天使の歌声に酔いしれている場合ではありません。また、その時間もありません。 

    こうしている間にも、さっきの悲鳴を聞き付けてゆうり先輩がここへとやって来るはずです。急がないと。 

    私は発狂したように暴れ転がる二人をカウボーイさながらロデオの様に押さえつけると、大急ぎでパンツを元に戻し、駄目押しとばかりに二人の肛門を蹴り飛ばしておきました。 

    「あ゛ぎ゛ゃ゛ぎ゛ぎ゛が゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    再び悲鳴が教室に轟くのとほぼ同時に、ゆうり先輩が慌てた様子で教室の戸を勢いよく開けます。 

    「何!? さっきの悲鳴はどうしたの!? 一体何があったの!?」 

    私は緊張した面持ちで答えました。 

    「二人とも、ゾンビにお尻を噛まれたみたいです!」


    64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/22(火) 20:42:40.70 ID:Izru7ppPo

    「ゾンビに!? お尻を……!?」 

    「はい! ゾンビにプリンケツをです!」 

    「……え、でも!」 

    ゆうり先輩は困惑の表情を浮かべて、ゆき先輩とくるみ先輩を眺めます。 

    二人は奇声を上げながら、お尻を押さえて陸に上がった魚のように床をのたうちまわっています。シェイクスピアならきっと恋に狂った人魚姫の様にと表現した事でしょう。ただし、その人魚姫のアヌスの中にはワサビとカラシがたっぷり詰まっていますが。 

    「見ての通りです! 二人が苦しんでいます! ゆうり先輩、助けないと!」 

    「そ、そうね……! だけど、みきさん。ゆきちゃんとくるみちゃんはどうしてゾンビに襲われたの!? それに、そのゾンビはどこに……!?」 

    「……ゆうり先輩」 

    私は溜め息を一つ吐き出すと、ゆうり先輩の目の前まで近寄り、思いっきり強くビンタしました。派手な炸裂音と共に、ゆうり先輩が体勢を崩します。 

    「っ! 何を……!!」 

    「落ち着いて下さい! 今は二人を助ける事が先じゃないですか!!」 

    そう一喝しました。ゆうり先輩はこの学園生活部の部長なんです。有事の際に慌てふためかれては困るんです。そう叱りつけました。 

    ゆうり先輩は反省したのか、叩かれて赤くなった頬を押さえつつ、小さく一つ頷きます。 

    「ごめんなさい……。そうね……。私がしっかりしてないとね。悪かったわ……もう大丈夫だから」 

    「いえ、わかってもらえたらいいんです」 

    こうして私たちは和解しました。何もかも計画通りです。


    66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 00:07:08.07 ID:3OXLvDVao

    「それじゃ、ゆうり先輩は二人の肛門を見てあげて下さい。私はホウキを探しますから」 

    「ええ。わかっ……え?」 

    「急がないと! 早く!」 

    そう言って私は掃除道具入れのロッカーへと走りました。「みきさん、肛門って……。それに、ホウキが何で必要に――」私は振り返って叫びます。 

    「早くしないと、ゆき先輩とくるみ先輩の肛門がゾンビ化するじゃないですか!」 

    「肛門がゾンビ化……??」 

    「ゆうり先輩! 二人のお尻が死んでもいいんですか!? アヌス オブ ザ デッドですよ!」 

    「え、あの……」 

    「ゆうり先輩! 二人を取り押さえて、それからスカートをまくって、おもむろにパンツをずり下ろすだけです! 三つの動作で済む事ですよ! 早く!!」 

    そこまで言って初めてゆうり先輩はこれから何をすればいいかを理解してくれたようです。まったく、何で年下の私がゆうり先輩に指示を出さなければならないのでしょう。ゆき先輩じゃあるまいし。 

    「と、とりあえず、二人を取り押さえればいいの、みきさん?」 

    「はい! 動かないよう厳重に押さえつけておいて下さい」 

    そう言いつつ、私はロッカーを開けました。都合が良い事に小さなホウキがあります。まるで神様が用意してくれたかのようです。私はこっそり微笑しながらそれを取り出しました。


    69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 17:20:02.30 ID:4UB1wPeOo

    ゆき先輩とくるみ先輩は肛門の痛さでまともに話すことが出来ません。そして、ゆうり先輩はすっかり騙されています。 

    「くっ……。暴れないで、くるみ! 気をしっかりもって!」 

    くるみ先輩を押さえつける為、ゆうり先輩は馬乗りに体の上にまたがって四つん這い状態です。後ろから見ると、プルんとしたお尻が右に左に揺れてとてもセクシーです。 

    ところで話は少し変わりますが、私はジブリ映画の中ではナウシカの次に魔女の宅急便が好きです。 

    ルージュの伝言が流れる場面も好きですし、ジジが人形の身代わりになった時に犬に助けられる場面も、飛行船から落ちそうになっているトンボをキキが助ける場面も同じように好きです。何度見ても毎回同じように感動します。 

    そして、最初にキキが住んでた町からホウキで飛び立っていく場面も私は好きです。皆から「ゴーゴー、キーキ! ゴーゴー、キーキ!」と応援されるあの場面ですね。 

    私はその時のキキさながら、小さなホウキにまたがり、心の中で「ゴーゴー、ミーキ! ゴーゴー、ミーキ!」と自分を応援しつつ満面の笑顔でダッシュしました。 

    ホウキをしっかりと両手で握ったまま真っ直ぐに突進し、ゆうり先輩の誘っているかのようなプリプリのオケツ目掛けて魔女式のカンチョーを肛門に容赦なくぶちこみます。 

    「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 

    ゆうり先輩の体が海老の様にのけぞり、跳ね上がりました。48の殺人カンチョーの一つ、『キキミキスペシャル』が見事にアヌスに入った瞬間です。やはり私はカンチョーが鮮やかに決まったこの瞬間が大好きです。


    74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 20:50:01.36 ID:4UB1wPeOo

    「あ゛! か゛っ゛!!」 

    ゆうり先輩は苦悶の声を上げながら、なだれ込むようにその場に倒れます。これで最大の強敵たるゆうり先輩は完全に片付きました。後は私のお楽しみショータイムの始まりです。 

    手始めに誰からいきましょうか。そして、どんな卑猥でゲスな行為をしてやりましょうか。私は心踊らせながら、まずはオードブルとしてゆうり先輩のムチムチした太ももに手を伸ばし――。 

    「みき……さん、よくも……!」 

    一瞬にして背筋が凍りつきました。頭から血の気が一気に引きました。伸ばした手がゆうり先輩の手によって払い除けられたのです。 

    『キキミキスペシャル』をまともに食らってると言うのに、ゆうり先輩にはまだなお余力が残っていたのです。なんたるゴリラでしょう! いえ、これは最早ゴリラではありません。怪物です! モンスターです! 

    私は何て化物を目覚めさせてしまったのでしょうか! まるで悪魔が魔方陣から召喚されるが如く、ゆうり先輩は殺気を放ちながらゆらりと立ち上がります。 

    私は慌てて飛び退り、ホウキを構えて戦闘態勢に入りました。この化物はここで確実に仕留めないといけません。でなければ、私はきっと殺されてしまうでしょう! 

    何としてでも、勝たねばなりません! この勝負に敗北は赦されないのです!


    77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/23(水) 23:30:22.56 ID:4UB1wPeOo

    正直に言えば、私とゆうり先輩がガチで戦ったら、間違いなく負けるのは私の方です。 

    ですが、今のゆうり先輩は肛門にかなりの被害を受けています。肛門の痛みを堪えて彼女は立っているのです。 

    そして、人が力を入れる時に重要な事と言えば、二つ。奥歯を噛み締める事と、肛門の括約筋をキュッと締める事です。その肛門が今のゆうり先輩は大事故状態なんです。これでは力が入る訳がありません。 

    ですので、今のゆうり先輩は力をろくに入れる事も出来ず、俊敏な動きも出来ないはずなんです。つまり、私にも十分に勝ち目があります。 

    息を整えて、まるで剣道の様に私はホウキの穂先をゆらゆらと揺らします。狙うは一点。やはり肛門です。どうにかして背後に回り込み、ぐうの音も出ないぐらいのとどめの一撃をお見舞いするつもりです。 

    深く息を吸い、そして――。 

    「ゆうり先輩。お覚悟!」 

    私は盛りのついたバッファローの様に、ホウキを前面に突き出して突進を仕掛けました! 虎穴に入らずんば虎児を得ず。あえて死地に活を求める覚悟です!


    80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 16:03:48.85 ID:DcaVamI2o

    孫子曰く、計とは虚と実をもって行うべし。 

    こんな単純な突進はゆうり先輩に避けられるに決まってます。つまり、これはフェイクです。 

    私の本当の目的は、避けられた後にすぐさま方向転換をして、ゆうり先輩の背後を取る事にあります。 

    ですので、この一撃はゆうり先輩が避けてくれなければ困るのです。しかし、何て事でしょう。この化物は避けようとしないのです。このままではゆうり先輩の豊満なお乳に突きを喰らわせてしまいます。私が狙っているのは肛門であって、乳首ではないのです。 

    私は瞬間的にまずいと思いましたが、勢いよく走り出している今、最早止めようがありません。そのままゆうり先輩のお乳へとホウキを思いきり突き込み――。 

    「甘いわね」 

    直撃する寸前にホウキの先端をがしっと掴まれました。しかもそれだけで完全に私の突進は止められたのです。足にどれだけ力を込めても微動だにしません。何て怪力なんでしょうか、この人は! 

    私が驚嘆と畏怖の念をもってゆうり先輩の顔を覗き見ると、そこには暗黒の闘気をまとって阿修羅と化している神話世界の怪物がいました。 

    「まさか、こんな爪楊枝で私を倒すつもりだったのかしら?」 

    物凄い殺気を感じます。あれは人殺しの目です。既に何人か殺っているに違いありません。おしっこチビりそうです。


    83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/24(木) 23:12:05.13 ID:DcaVamI2o

    ゆうり先輩改め、快楽殺人ゴリラYはホウキを私から強引に奪い取ろうと強く引きます。 

    その力たるや千斤の鼎を持ち上げたと言われる項羽よりも遥かに強力で、私は抗う事も叶わずホウキごと引っ張られ、そして――。 

    「捕まえたわ」 

    恐怖が声になって現れた、と表現しても一向に構わないでしょう。肩を万力の様な握力で掴まれました。これでは逃げる事も叶わず、私は鷹に捕らえられた野ネズミの如しです。 

    「さてと……一からきちんと事情を話してもらいましょうか。……ねえ、みきさん?」 

    天使の様なゴリラの笑顔です。武器もあっさりと取り上げられ、遠くに投げ捨てられました。そして、ステゴロでこのゴリラYに勝てる人類は存在しません。 

    最早、ここからの形勢逆転は絶対に有り得なくなったのです。私はつまり敗北したのです。完璧にパーフェクトに負けたのです。 

    後は、いつ殺されるか、それだけです。私は薬物実験前のマウスの様に怯え震え、一方でゴリラYは尋問と復讐をする気満々の顔をしていました。 

    勝敗はこうしていとも呆気なく決したのです。


    86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 01:35:16.03 ID:YEb2Z/XSo

    ……などと、ゆうり先輩は考えていたでしょうね。やっぱり盛りのついたゴリラYは砂糖菓子にシロップと練乳をかけるぐらい甘々です。チョロいです。 

    その証拠にゆうり先輩は私の肩を掴んだまでで済まし、それ以上の拘束をしようとしませんでした。あまつさえ、その場に正座させた後はその肩をも離してしまう始末です。 

    人はそれを油断とも慢心とも呼びます。 

    ゆうり先輩はすぐさま私を縄で亀甲縛りにすべきだったんです。腕と足を動かせないようにしておくべきだったんです。それをしなかった時点でゆうり先輩の負けは確定しました。 

    私の奥の奥の隠し玉です。ゆうり先輩が『風船爆弾の魔術師』と呼ばれた様に、私にもこんな二つ名があるんです。 

    『クレイジー カンチョー マスター』 

    私はスカートのポケットから素早く水風船を取りだすと、ゴリラYの顔面目掛けて勢いよく投げつけます! 小さな炸裂音! それと同時にゆうり先輩が顔を押さえてよろめきました! 見事に命中です! 

    この風船の中には水に溶かした片栗粉が入ってます。一言で言えば、目潰しです! 元々はアナルに指を挿入時、その滑りを良くする為のローション代わりにと持っていたものですが、しかし、それがどんな種類の物であれ、人類は戦争へと応用してきたのです! 

    私は床に落ちていたボールペンを拾い上げます。そして、目を閉じたまま腰を思いきり捻って、半回転しました。遠心力によって加速され勢いを増したボールペンのペン先は寸分の狂いもなく――。 

    「ひ゛き゛ぃ゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!」 

    まるで吸い込まれる様にゆうり先輩のアヌスへとクリーンヒットです。むしろ、ホームランです。 

    私の秘技、48の殺人カンチョー技の一つ、『後ろ回しカンチョー』が完全に決まりました。本来は前面の敵の攻撃をかわしつつカンチョーをするカウンター技ですが、今回は助走をつけられなかったので十分な威力を得るために遠心力を利用したこの技を使用しました。その威力は見ての通りです。 

    「あ゛っ゛が゛ぁ゛!! い゛ぎ゛あ゛い゛い゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 

    あの普段はおっとりしてて謹み深いゆうり先輩が、今や肛門を押さえつつ床を転がりながらおケツをぷりぷり振る淫乱牝豚状態です。ビッチもいいとこです。私を誘惑してるのでしょうか? はしたないゴリラですね。軽蔑します。幻滅です。とても興奮します。


    90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 15:51:33.81 ID:hI3UvsJQo

    かくして私は香港の百万ドルの夜景よろしく、美少女三人が臀部をおさえて床を転がり回る光景を目にする事となったのです。それはまるでフライパンでウィンナーを炒める様とよく似ていて、あっちでコロコロ、こっちでコロコロ、時折音を立てて弾けるのです。 

    私はその光景を椅子に座って足を組みながら一息ついて眺めていました。心の中は安らぎと快感と勝利の余韻で満たされており、乳首は痛いぐらい勃起しています。 

    乳首と乳頭について研究しているケンブリッジ大学のロバート・ホーキンス博士はこう述べました。「乳首には女性の愛への渇望が、乳頭には希望と母性が詰まっている。それが勃起するという事は、この二つを女性が求め与えようとしているからだ」と。 

    まあ、単なる私の妄想話なんですが。そんな博士は見た事も聞いた事もありませんし。 

    とにかく無性にムラムラしてきた私はその乳首レーダーに誘われるがまま、まるで蝶が花の匂いに誘われるが如く、ゆうり先輩のムッチムッチの太ももに再び手を伸ばそうとしました。 

    しかし、その瞬間、私に電撃が走りました。私は気付いてしまったのです。この中に一人仲間外れがいる事に。 

    そうです。ゆうり先輩のアヌスには他の二人と違い、何も調味料が詰まってないのです。これは由々しき問題です。 

    私たちはお互いの事をかけがえのない仲間だと思っています。そして、仲良き事は美しい事だと武者小路実篤も言っています。そんな中に仲間外れを生み出していいでしょうか? 

    いえ、いけません。これは良くない事です。断言して言えますが、仲間外れや無視はイジメにあたります。イジメは良くない事ですし、とても醜い事です。 

    私はゆうり先輩の肛門にも何かしら調味料を注入する事を固く決意し、急いで教室を後にしました。やらなければならないという、断固たる使命感が私の背中を強く押したのです。


    92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 21:53:29.06 ID:hI3UvsJQo

    ヒゲダンスをしながら部室までたどり着くと、私はすぐに冷蔵庫を開けます。中には色々と調味料が入っています。どれにしましょうか。 

    私はマヨネーズかタルタルソースかマスタードにするかで悩み、最終的にはタバスコにしました。ゆうり先輩には情熱の赤が似合ってると思ったからです。きっとバラの様に美しい悲鳴を聞かせてくれるに違いありません。 

    嬉しくなった私はその場でロボットダンスを踊り、それからまたふと気付いてしまったのです。 

    太郎丸の姿が見当たりません。繋がれたリードだけが残っています。どうやら首輪抜けをしてどこかへ出ていってしまったようです。 

    太郎丸は賢い犬です。ドアも自分で開けれますし、複雑な計算も出来ます。「32×7÷16+8-21は?」「ワン!」正解です! 

    そんな太郎丸が危ない所に行くとは考えにくいですが、やはり心配です。何故か物凄く気になります。私、気になります。 

    嫌な予感がした私は四足歩行で急いで教室まで戻り、ゆうり先輩の肛門にタバスコを急いで注入した後、かつてない程の激しい悲鳴を背中に、再び急いで教室から飛び出したのでした。 

    目的は太郎丸の探索及び救出です。念のために、手にはくるみ先輩のスコップを。そして、ポケットには新たに作った片栗粉ローションとマスタードを入れて。 

    外を眺めると、雨が少し強くなって雷雲が微かに稲光を発しました。ますます嫌な予感がしました。


    94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 22:19:22.82 ID:hI3UvsJQo

    スコップをギター代わりにして、エアロスミスの『I Don't Want to Miss a Thing』を口笛で演奏しつつ、私は教室を一つ一つ絨毯爆撃の如く回っていきます。 

    しかし、太郎丸は影すらも見当たりませんし、鳴き声一つ聞こえません。 

    そして、下へと続くバリケードまで来た時、嫌な予感は現実となって現れました。 

    そこには、太郎丸の小さな足跡が階下へと続いていたのです。ゾンビがいる領域にまで足を踏み入れてしまったようです。 

    私は一瞬だけ逡巡しましたが、駿馬の様に階段の手すりに足をかけて外へと飛び越えました。太郎丸を救い出さないといけません。 

    太郎丸は以前私を救ってくれた命の恩人です。今度は私が太郎丸を助ける番です。絶対に。何としても。


    98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 22:47:25.90 ID:hI3UvsJQo

    太郎丸の微かな足跡を頼りに、私は群がってくるゾンビから逃げつつ下へ下へと降りていきました。 

    そして、とある場所へとたどり着いてしまったのです。 

    そこは地下です。初めて入る場所です。シャッターが降りていますが、それは設置された机によって途中で止められ、くぐれば入れるぐらいの隙間が下に空いています。 

    「太郎丸ー!」 

    息を深く吸ってもう一度。 

    「どこにいるのー! 太郎丸ー!」 

    そう大声で呼びかけました。するとシャッターの奥からわずかに鳴き声が聞こえてきました。この奥に太郎丸はいたんです! 

    しゃがみ込んでシャッターの奥へともう一度呼び掛けると、太郎丸がトコトコとこちらに向かって歩いて来るのが見えました。 

    良かった……。無事だったんだね、太郎丸。 

    私はシャッターから出てくる太郎丸に向かって、「おいで」と手を差し出しました。その瞬間! 

    本当に突然の事でした。鋭い歯音が、がらんどうになっている空間に鳴り響きました。あと一瞬手を引くのが遅れていたら確実に噛まれていました。太郎丸は、太郎丸が! 太郎丸の背中に噛まれた跡が! 太郎丸は!! 

    「どうしてっ!!」 

    気が付くと私は大声で叫んでいました! 「何で太郎丸がゾンビに!!」


    101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/25(金) 23:32:24.93 ID:hI3UvsJQo

    一体、何があったんでしょう。いえ、そんな事はもうどうでもいい事かもしれません。太郎丸はゾンビに噛まれ感染し、新たなゾンビとなってしまった、その今となっては。 

    不意に目から涙がこぼれました。おかしいです。理不尽なこの世界と運命について絶望を覚えているだけなのに、どうして涙が。 

    覚悟はあったんです。このメンバーの中の誰かが、いつかはゾンビになる事があるかもしれないと思っていました。その中には自分自身も含まれていました。だからこそ、この先何があったとしても後悔しない様に生きていこうと決意もしてました。なのに! 

    太郎丸が……! それが今現実となっただけなのに、どうしてこんなにも堪えようのない気持ちが胸から洪水みたいにあふれ出てくるのでしょうか。塞き止める事も出来ず、休まず、途切れる事もなく。 

    この世界は私たちにとって凶暴です。運命は、私たちにとって残酷になる様に出来ています。 

    人間は生きている限り、いつかは誰とでも別れが来ます。来ない人や動物なんていません。それは誰にでも平等に訪れます。一つの例外もなく、誰にでも。 

    それを本能的に感じ取っていたゆき先輩はだからこそ皆との想い出を作る事を選んだんだと思います。私はそんなゆき先輩が大好きですし、尊敬もしています。一番現実から逃避しているくせして、一番現実を冷静に冷徹に見ているんです。あの人は。 

    太郎丸が唸ります。威嚇します。餌が欲しいとねだっていたあの可愛らしい声はもう二度と聞けないのでしょうか。この前ようやく仲良くなれた太郎丸とはもう二度と会えないのでしょうか。 

    私は大粒の涙をこぼしながら、いきなり飛びかかってきた太郎丸をスコップでフルスイングして天井までぶち飛ばしました。ズガキーンという良い打撃音がしました。世界は私の想像よりも遥かに残酷でした。 

    「さようなら、太郎丸……」 

    落ちてピクリともしなくなった太郎丸を見下ろしながら、私は小さく別れの言葉を告げました。そして、太郎丸をこんなにしてくれたゾンビにきっちりお礼参りをしてやると、私はシャッターの中へと怒気を露に入っていったのです。


    107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 15:12:56.13 ID:c1NWSQCHo

    奥に歩いて行くと、下へ続く小さな段差があり、そこには水がたまっていました。そう深くはありません。足首が浸かる程度です。 

    私はピッチピッチチャップチャップとその中をレゲエのステップを踏みながらランラン進んでいきました。すると、しばらくして見つけました。ピッチピチのゾンビです。 

    そいつは、アホみたいに頭から一本の触覚を生やしている、明らかにラスボスじみた女ゾンビでした。 

    ここの生徒ではないのか、ピンク色の髪に紫色のワンピースを着ています。ピンクに紫とは、明らかに夜の淫乱女です。ゾンビ臭よりもビッチ臭がします。ワガママなお乳がそれを更に強調してました。多分、生前はそのポニョポニョしたお乳で男を何人も誘惑し、たぶらかしていたに違いありません。 

    そして、太郎丸も犬とは言え男です。こいつに色気で騙され、近寄ったところをガブリとガブリエルされたに間違いないでしょう。許せません! 

    「太郎丸の仇です! 百万回死んで下さい!」 

    私はスコップをラウンドガールの様に構え、この牝牛に宣戦布告しました。バトルというよりも、一方的な虐殺カンチョーの始まりです。


    111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 18:45:05.19 ID:c1NWSQCHo

    ゾンビの弱点を端的に言うのなら、それはスピードです。こいつらは全員カメの様にノロいのです。 

    脳筋なのか、力は見た目よりも遥かにありますが、しかし、この速度の差は決定的過ぎます。普通に戦って負ける要素がないんです。印籠を無くして助さん格さんたちとはぐれた水戸黄門と同じぐらい、雑魚なんです。ただのお爺ちゃんです。 

    それでも私たちがゾンビを警戒しているのは、大量に群がってくるからという事と、捕まったら一貫の終わりだという事に起因しています。死の恐怖があるからこそ、彼等は脅威的なのです。 

    しかし、その恐怖さえ克服してしまえば、やはり雑魚なんです。モールにいた時、私はそれを既に克服していました。それはひとえに自分に対する自信から来るのです。彼等に勝てるという絶対的な自信から。


    112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 19:25:39.99 ID:c1NWSQCHo

    少し昔の話をしましょう。 

    私がまだ圭と一緒にモールで避難ぐらしをしていた頃の話です。 

    その頃の私たちは、朝起きてから夜寝るまで何もする事がありませんでした。ただ、食べて寝るだけの豚や牛みたいな家畜同様な日々だったのです。暇を潰せるような事は何一つありませんでした。 

    私が大事に持っていた本は圭がトイレットペーパー代わりに破いて使ってしまいましたし、圭が大切にしていたCDプレイヤーはその腹いせに私が窓から放り投げましたから。 

    私たちはお互い死にかけるところまで首を絞め合った末に、こんな事で死ぬのは馬鹿げていると和解して、その日は手を繋いで一緒に寝ました。圭と心が通じあった、とても素敵な夜でした。 

    翌日になって、私たちはこの暇さを潰す為に三文字しりとりを始めました。タンタンタタタン♪のリズムに合わせて三文字でしりとりを行うゲームです。同じ言葉を何度使っても構いませんが、リズムに乗り遅れるたり言い間違えると負けです。私たちはこのゲームにおおいにハマりました。 

    そして、しりとりという言葉にちなんで、負けたらカンチョーされるという罰ゲームが後から追加されました。 

    この追加ルールは私たちの本気度を俄然上げました。圭は毎日腕立て伏せをしてシャドーボクシングならぬシャドーカンチョーをするのが習慣となり、私は太郎丸をダンベル代わりにして筋肉をひたすら鍛え、時には外に出てゾンビ相手に金属バットでカンチョーの実戦を行いました。正直、二人とも大事な物を壊された事を根に持っていたのです。 

    朝と夜は筋トレをし、昼は三文字しりとりをしてカンチョーするのが二人の日課となりました。この頃には救助がいつ来るのかなんてどうでも良くなっていました。 

    二人とも最強のカンチョーを求める事だけに毎日を費やしたのです。私の48の殺人カンチョーが生まれたのもこの時です。圭に一つ一つ試して技の完成度を磨き上げたのです。全ての技が完成した時には圭は切れ痔で深刻な便秘となっていました。 

    そして、圭は私を置いて出ていきました。確かに私は圭を最初恨んでいましたが、その時には恨みなど完全に消えていて、むしろ感謝の気持ちで一杯だったというのに。この殺人カンチョーは圭の存在なくては完成しなかったのですから。 

    ……つまらない昔話をしました。話を最初に戻します。つまり、私はカンチョーに絶対的な自信を持っていて、このドピンクな淫乱ゾンビごときに負ける気がまるでしなかったという事です。


    114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 20:33:44.51 ID:c1NWSQCHo

    スコップを両手で握って顎の下あたりまで持っていきます。そして、『∞』の軌道で頭を振りながら前へと進みます。漫画で覚えたデンプシーロールです。 

    一歩、二歩、三歩と少しずつ。ゆらゆらと近寄っていきます。 

    向こうの淫乱ピンクも同じです。歩調が不安定な感じで、こちらに一歩、二歩、三歩。……きました! 手が私の肩へと伸ばされます。 

    「遅いです!」 

    私は瞬時に体をひねり、そのまま半回転して、相手の背後を瞬時に取ります。古武術における『背面取り』と呼ばれる技の一種です。私が武道家ならその無防備にさらけ出している背中に向かって掌底を決めているところですが、今の私は復讐に燃えるカンチョーマスターです。 

    私は持っていたスコップを上にして構えると、全体重を乗せてその穂先を淫乱ピンクの肛門めがけて突き下ろしました。48の殺人カンチョーの中で最も威力が高い『ジョルトカンチョー』です! 道具なしでやると、相手の尾てい骨と、自分の指の骨折は免れないと思われる、最強の荒業です! 

    「が゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 

    淫乱ピンクは叫び声を上げて、地面にすっ倒れました。私はすぐに駆け寄ると、うつ伏せで倒れている淫乱ピンクの尻の割れ目にそってスコップを当て、それから掘削機の様に足をあてがって激しく電気あんまを行いました。 

    「これは太郎丸の分です!」 

    「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」 

    それを二十分ほど続けた後、私はスコップを大きく後ろに回して、タイガー・ウッズもかくやという美しいスイングで淫乱ピンクのお尻を振り抜き、数メートルほど吹き飛ばしました。 

    「これは私の分です!」 

    「ぎ゛あ゛が゛が゛!!」 

    それから、肛門にワサビを入れられたゆき先輩の分と、辛子を入れられたくるみ先輩の分と、タバスコを入れられたゆうり先輩の分をスコップで各二回ほどカンチョーして倍返しした後に、私はおもむろに頭部を潰しました。 

    「…………」 

    これで淫乱ピンクはもう動きません。永遠に。確実に。この世が終わるまで。 

    「……これで仇は取ったよ、太郎丸。帰ろう、みんなのところへ」 

    私は歩き出し、太郎丸の遺体を回収する為にシャッターの外へと出ました。と、その時です。 

    ガブリ。 

    ……ものすごく嫌な音が足元からしました。 

    下を恐る恐る眺めると、さっき殺したと思っていた太郎丸が起き出していて、その剥き出しの牙には真っ赤な鮮血がついていました。 

    私の視界が不意に歪み、足が自然とカタカタ震え始め、そして気が付けば私は失禁していました。 

    ゾンビに……噛まれたのです。私は……感染……してしまいました。


    117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 22:53:42.87 ID:RK0NB/Bco

    嘘……。嘘ですよ……ね? 

    こんなのないですよね。何で私が……太郎丸に……噛まれ……。 

    私は叫びました。心の底から叫びました。何を叫んだかは覚えてませんし、それはもしかしたら言葉になってなかったかもしれません。ですが、何かを精一杯叫んだのは確かです。 

    私はほとんど半狂乱になっていました。 

    先程、私は自分が死ぬ覚悟も出来ていると言いました。その時の言葉に嘘偽りはありません。ですが、実際には出来てなんかいなかったんです。まやかしだったんです。私は切実に死にたくありません。ゾンビにもなりたくありません。誰か助けて下さい。私を救って下さい! 

    気が付くと私は駆け出していました。駆け出せば、この場から逃げれば、何もかもなかった事に出来るようなそんな気になりました。 

    しかし、そんな楽観的観測は後ろから追いかけてくる何か得体の知れないドス黒くて大きい『人でもゾンビでもない何か』によってあっさりとかき消されました。 

    それは恐らく『恐怖』、あるいは『死』だったのだと思います。私はもう一度言葉にならない何かを叫びました。 

    嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ。怖い、怖い、怖い、怖い、怖い! 

    私は小水を撒き散らしながら廊下を駆け抜け、階段を二段飛ばしで走り上がりました。まるで後ろから何人もの死神が鎌を持って追いかけて来ている様でした。とにかく必死でした。逃げ出さなければ、すぐさま捕まって殺されるような気がしました。 

    バリケードが前に見えます。いつのまにやらここまで辿り着いていたようです。私は涙と鼻水とおしっこを垂らしながらバリケードに取り付いて上ろうとしました。手が震えていて上手くロープを掴めず、いきなり滑って転びました。痛さはまったく感じません。焦燥感だけがどしどしと私の背中の上に積み上がっていきます。苦しいです。息がきちんと出来ません。吐き気がして、ろくに酸素が吸えません。 

    私がゾンビに……! ゾンビに……!! 

    人間としての生活はもうお仕舞いなのでしょうか? 人間が人間である為の尊厳や理性などを全て失い、ただ徘徊するだけの肉の塊となってしまうのでしょうか? ゆき先輩やみんなとはもう会えないのでしょうか? 会ったとしてもゾンビとして殺されるだけなのでしょうか? そして、そうならなかった場合、私はみんなを襲って同じくゾンビに変えてしまうのでしょうか? 

    嫌です! とてつもない悪寒が全身を駆け抜けます。脳内を沢山のムカデが這いずり回っているような気がして、私は頭を思いきり振り回しました。床に強く打ち付けました。 

    嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です、嫌です!! 

    ゾンビは嫌です! 死にたくも殺されたくもないですし、殺したくもありません! 私を殺さないで下さい!!


    119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/26(土) 23:35:17.58 ID:RK0NB/Bco

    ……それからどれぐらいの時間が経ったのでしょうか。私にはわかりません。五分と言われれば五分と信じ、五時間と言われれば五時間と信じたでしょう。時間の概念は今や私にとって、とるに足らないものとなっていました。 

    その間ずっと、私は廊下で一人倒れながら、天井だけをボーッと見上げて子供の様に泣きじゃくっていました。先程よじ登れなかったバリケードが全てを物語っているような気がしたのです。 

    死にたくはありません。みんなと一緒に人として生きていたいです。でも、私はもう向こう側には行けない。また、行ってはいけない。そうみんなから拒否された気がしたのです。 

    このバリケードは私以外の人達で作ったものです。ゆき先輩、くるみ先輩、ゆうり先輩、そして見た事がありませんがめぐねえ。その四人で力を合わせて作ったものだと聞いています。 

    私はその中にはいません。だから、このバリケードを登れなかったんだと思います。私がゾンビとなり有害な存在になってしまったから……。今は亡きめぐねえがそっとやって来て、私の手をついとロープから離したのでしょう。あの三人を今でもめぐねえは守っているような気がしました。 

    ……窓の外からはずっと雨の音が聞こえます。稲光が起き、それと同時に階下から激しい音が聞こえました。 

    それに続いて雷鳴が轟きます。私は虚ろでぼんやりとした思考の中、先程の音について考えていました。雷鳴ではなかったのです。となると、さっきの音は何だったのでしょうか……? 雷鳴ではなく、別の何かだという事は……。 

    ……まさか! 

    私は自分の恐ろしい予想に思わず身震いしました。 

    一階のバリケードが壊されたんじゃ……!!


    121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 00:06:27.53 ID:lTQD2uhQo

    正面入り口のバリケード。生前の記憶を持っているゾンビはここから校舎の中に入ろうとします。だから、そこにはバリケードが築かれていました。ここがあるからこそ、校舎の中に入ってくるゾンビは激減しているのです。 

    しかし、そこが壊されたともなれば一大事を通り越して緊急事態です。特に今日は雨が降っていてゾンビ達は校舎の中へと入りたがっています。大量のゾンビが後から後から中へと侵入してくるに違いありません。 

    もしも、そうなったら……。今あるこのバリケードも……。 

    私は立ち上がりました。力を入れたせいか、負荷がかかったせいか、あるいは前から症状が進行していたのか、噛まれた箇所が焼けるように熱く鋭い痛みを発します。 

    ですが、今はこの足を切り取ってでも歩かなければなりません。向かわなければなりません。武器となるスコップを持っているのは私だけですし、他の三人はめぐねえのせいで肛門が大事故を起こしています。恐らくまだまともに動く事も出来ないでしょう。私がやるしかないんです! 

    今、気付きました。こうなってから、こんな事態になってから、ようやく今気付いたんです。私はあの三人が大好きなのです。大好きだからカンチョーをするんです。キスする代わりに私はカンチョーをするんです。 

    私の愛は恐らく歪んでいます。でも、愛に優劣なんてものが存在するのでしょうか。いいえ、ありません。愛に種類や大小はあっても、優劣なんてあるはずがないんです。例えどんな愛でも、それは綺麗で美しいものなんです。かけがえのない大切なものなんです。 

    ゆき先輩はぷるぷるのお尻を持っていて、誰よりも優しく誰よりも人の心配をします。くるみ先輩はキュッとしまった小さなお尻をしていて、誰よりも心が強く誰よりも頼りになります。ゆうり先輩は餅のようなむにむにのお尻をしていて、誰よりも責任感が強く誰よりも母性的です。 

    私はこの三人と、この三人のお尻を愛しています。 

    私にとってこの三人は、家族であり、仲間であり、大切な友達であり、恋人候補であり、愛人候補であり、カンチョー対象者です。愛があるから、私はこの三人にカンチョーをするのです。全力で、全身全霊をかけてするのです。 

    守らないといけません。私が。何に代えても。どんな結果になろうとも。 

    涙を拭って、私は一歩ずつ階段を降りていきました。どうせ私という存在が死ぬのなら、私は人として、変態として死にたいと思います。誰かを守って死にたいのです。


    124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 16:30:34.74 ID:cbPgvNtOo

    階下へ降りると案の定でした。バリケードが壊されゾンビがうろちょろしています。 

    足が激しく痛みます。心の中は絶望だらけです。でも、私がやらねばなりません。神風特攻隊の方は恐らくこんな気持ちだったのでしょう。私の未来には夢がなく、既に片道分の燃料があるかどうかもわからないのですが、それでもやらなければならないのです。 

    近寄ってくるゾンビをスコップで凪ぎ払います。右に左に。前に後ろに。カンチョーする為に鍛えあげたこの体は、不器用ながらもまだきちんと動いてくれます。そして、動ける内にこいつらを排除しなければなりません。 

    蹴り飛ばして倒れたゾンビの首にスコップを当て、下に向かって一気に力を込めます。一体。足を払って転ばしてから頭部を潰します。二体。回転をつけてゾンビの頭をぶん殴ります。三体。 

    延々と延々と、体が動く限り。そこにゾンビがいる限り。 

    倒していく途中で噛まれた箇所に信じられないぐらいの激痛が走ってもんどりうつ事も数度ありました。しかし、それでも私は戦い続けました。這ってでもゾンビを殺し続けました。自分の未来ではなく、家族の、仲間の未来の為に必要な事なのです。 

    ……あらかたゾンビを倒し終えて正面入り口前に辿り着いた時には、私の体は限界を迎えていました。今や激痛が来るのは足だけではなく全身からです。何もしてなくても体が痛みによって痙攣するのです。私は芋虫の様に地面を転がりうめき続けました。 

    最早、生き地獄でした。死んだ方がよほどマシだと思いました。脳に直接針を刺しているかのような鋭い痛みが走り続け、口からは蟹の様に泡がぷくぷく出てきて、焼けるように喉が熱いのです。 

    水が欲しい。水が。水が……。水が……!! 

    「水……が……」 

    それが、私が気を失う前に覚えている最後の記憶です。


    126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 19:13:51.20 ID:cbPgvNtOo

    ────────── 
    ─────── 


    ……目が、覚めます。ぼんやりとした光が見えます。 

    もう死ぬかと思ってました。だけど、どうやら私は生きている様です。あれだけの喉の渇きもすっかりと消え、体に痛みはなくなっています。一体、何が……。 

    どこ……? ここは……? 

    目に映るのは高い天井です。鉄筋コンクリートで作られた天井。私は床に寝ていたようです。顔をそっと横に向けると、グラウンドが映りました。という事は……。 

    倒れた時のまま。一階のバリケード跡です。そのまま気絶していた様です。でも、それならどうして私はゾンビ化してないのでしょうか? 

    「気が付いた?」 

    不意に頭上から声がかかりました。この声を私はよく知っています。とても懐かしい声です。ずっと会いたかった声です。 

    「圭!」 

    「久しぶりだね、みき」 

    圭は笑顔でそう答えてくれました。私の頬から涙が一筋こぼれていきました。生きていたんです、圭も!


    128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 20:58:53.40 ID:cbPgvNtOo

    上体をゆっくり起こして立ち上がります。圭は私に言いました。 

    「ねぇ、一緒に帰ろう」って。 

    「またあのモールに帰ろう。太郎丸と私とみきの三人で。その為に迎えに来たんだよ」 

    私は答えます。 

    「でも、太郎丸はもう……」 

    圭は私の横を指差して答えました。 

    「太郎丸なら、そこにいるじゃない」 

    目を向けます。小さな可愛らしい鳴き声が聞こえ、愛くるしい顔が映りました。「太郎丸!」 

    ゾンビになっていません。太郎丸も無事に生きていたんです! 

    「さあ、帰ろう。あのモールにもう一度」 

    圭の言葉に私は強く頷きました。 

    「帰ろう。私たちの住んでたところに!」


    129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 21:17:37.48 ID:cbPgvNtOo

    私たちは二人で並んで歩き出します。途中、後ろから何やら叫び声が聞こえてきました。私は振り返ります。 

    何でしょうか……? 校舎の二階から女の子のゾンビが三体、窓から身を乗り出して叫んでました。 

    「みーくん! 帰ってきてよ、みーくん! みーくんっ!!」 

    何を言っているのかは私には判別がつきません。ゾンビの言葉なんてわかるはずがありませんから。ただ、必死に何かを叫んでいたのは確かでした。 

    「ゆき! ダメだ!! 落ちるぞ!! もうみきは! あいつは!!」 

    「手遅れなの、ゆきちゃん! もう手遅れなの……!」 

    私はそれをしばらく眺めていましたが、やがて猫帽子をかぶったゾンビが他の二人のゾンビに無理矢理引っ張られるようにして奥へと消えたので、私はそれについて一切の関心を失いました。前を向き直ります。 

    「どうしたの、みき?」 

    「ううん。何でもない」 

    そう答え、太郎丸と一緒に、先に行っていた圭の後を追いかけます。 

    「ねえ、圭。帰ったらまた三文字しりとりをしよう」 

    そう言うと、圭は笑って答えました。「もちろん」って。 

    私は今、とても幸せです。そして、この幸せは永遠に続くのだと、私は不思議な事に何の根拠もなく信じているのです。 

    ここには夢と愛と希望があふれているのだと。 



    FIN


    131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 21:25:01.44 ID:UqqJw2+ko

    あれだけケツの穴を蹂躙されてもみーくんの為に必死になれるゆきは聖母乙


    132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2015/09/27(日) 21:26:03.12 ID:PkPHiyS7o

    これが真のエンディングか……乙

    元スレ:http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1442304636/

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