男・女

    1: ◆tR/mTLWAg. 2018/11/25(日) 12:08:16 ID:KammuhxE
    このスレは

    幼馴染「お姉ちゃんって呼んで」


    の続編です
    趣旨がスレタイ通りになったので別スレにしました

    とりあえず、書き上がった分から投下します

    【注意】
    このスレのやり方は我流です
    実体験を基にしていますが、医学的に間違ったことをしているかもしれません
    記憶もけっこう古いので、あまり参考にはしないでください


    【幼馴染「お尻で気持ちよくなろう!」】の続きを読む

    1: ◆tR/mTLWAg. 2018/11/24(土) 00:09:10 ID:.cHRvWSQ
    初SSです
    安定しない駄文ですがよろしくお願いします


    【幼馴染「お姉ちゃんって呼んで」】の続きを読む

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:08:06.27 ID:xJz4/1uK0

    ブロロロロロ… 

    男「……」チラッ 

    女「ちょっと、運転中にスマホ見ないでよ。危ないよ」 

    男「俺さ、ガラケーからスマホにするの結構遅かったんだけど」 

    女「そうなんだ」 

    男「ガラケーだった頃は、次々スマホに切り替えていく連中を」 

    男「スマホのどこがそんなにいいんだ、ミーハーどもめ、だなんてバカにしてたけど」 

    男「自分もいざスマホにしてみたら、やっぱりこう思うよ」 

    男「一度スマホにしちゃうと、もうガラケーには戻れないよな……って」 

    女「どうして?」

    SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1550502485

    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:08:57.17 ID:xJz4/1uK0

    男「まず、なんといっても操作が快適よ」 

    男「画面を押せばダイレクトに反応してくれるんだもん。最初は戸惑ったけど、慣れると便利この上ない」 

    男「あと、やっぱりできるのことの多さがガラケーとは段違いだしさぁ」 

    女「そりゃねえ」 

    男「ノートパソコンよりさらに小さなパソコン持ってるようなもんだ。もう手放せないよ」 

    女「たしかにもうスマホのない生活は考えられないかも……」 

    男「気づいたら、スマホを手に取ってるからな」


    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:11:23.38 ID:xJz4/1uK0

    男「それと、戻れないといったらテレビゲーム」 

    男「今の超美麗なグラフィックに慣れちゃうと、昔のグラフィックでゲームするのは厳しくなる」 

    女「えー、だけどたまに昔のゲームやりたくならない?」 

    男「なるけど、そういうのって結局懐かしさを味わうためって補正があるからだろ?」 

    男「たとえば大人気RPGの最新作が今さらファミコンみたいなグラで出るってなったら、間違いなくコケると思うよ」 

    女「あんたのたとえは極端すぎる気もするけどね」


    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:12:37.33 ID:xJz4/1uK0

    男「家電もそうだ」 

    男「今やみんな当たり前のように洗濯機や掃除機を使ってるけど、大昔は洗濯板やホウキだったんだぜ?」 

    男「今さら洗濯板でジャブジャブ洗い物やる生活なんて無理だろ」 

    女「冬場は特にキツそうだね」 

    男「俺もし洗濯機がなかったら、冬場は服洗わないと思う。まあ、あってもあまり洗ってないけど」 

    女「いや洗えよ……」


    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:15:38.14 ID:xJz4/1uK0

    男「あと……子供の頃、初めてシャーペンを知った時の衝撃は今でも忘れない」 

    女「シャープペン? なんで?」 

    男「だって、鉛筆は芯が折れたらまた削らなきゃいけないけど、シャーペンはカチカチするだけでいいんだぜ?」 

    男「あれは革命でしたよ、革命。カチカチ革命。あれ知ったらもう鉛筆には戻れねえよ」 

    女「たしかに楽だよねー」 

    女「ただ、鉛筆には鉛筆で、シャープペンにはない味があると思うけど」 

    男「マークシート試験も、たまにシャーペンじゃダメな時あるしな」


    6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:16:36.28 ID:xJz4/1uK0

    男「戻れないといったら……トイレもそうだ!」 

    男「もし、日本のトイレは全てボットン便所に戻しますなんて法案が可決されたら、暴動起こるぞ」 

    女「どこのバカがそんな法案出すってのよ」 

    男「あ……でも」 

    女「?」 

    男「女子トイレのボットン便所の下に潜んでムヒヒ……なことできるな」 

    女「あんたは絶対政治家になっちゃダメだね」


    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:17:45.55 ID:xJz4/1uK0

    男「素晴らしい作品を見た時の感動なんかも、二度目三度目になると薄れちまう。初めての感動には戻れない」 

    女「そりゃそうよ」 

    女「私にだって記憶を消してもう一度見たいなぁ、なんて思う映画あるもん」 

    男「あるある」 

    男「記憶を消して、もう一度味わいたい動画……たくさんあるもん」 

    女「私がいってるのはもうちょい次元が上の話だから!」


    8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:19:17.85 ID:xJz4/1uK0

    男「生活水準も、一度贅沢に慣れちゃうともう戻れないなんていうな」 

    女「そうなんだ?」 

    男「ああ、大金持ちだった奴が落ちぶれて、収入ががくんと減ったら」 

    男「質素に暮らす分には十分な収入があったとしても、ついつい前みたいな生活しようとして」 

    男「破産しちまうことが多いんだと。金銭感覚が富豪だった頃のままってわけだ」 

    女「貴族みたいな生活してた人がいきなり質素にしろっていわれても難しいのかもね」


    9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:20:27.28 ID:xJz4/1uK0

    男「それと、戻れないといったらなんといっても時間だ、時間!」 

    男「過ぎ去った時はどんなに望んでも、もう二度と返ってこない!」 

    男「だから我々は一秒一秒を全力で楽しまなければならないのではあるまいか!」 

    男「そう……たとえどんなに無駄に見える時間であっても……!」 

    女「いいこというねー」 

    女「ところでさ……」


    10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 00:21:49.22 ID:xJz4/1uK0

    女「間違えて一方通行の道に入っちゃったこの車は、どんどん目的地から離れていってるわけだけど……」 

    女「これから先、どうするつもりなのかなー?」 

    男「いや、だから俺は、こうして場を和ますために一度進んだら戻れないことの事例を話して……」 

    女「このバカーッ!!!」 

    ブロロロロロ… 







    ―END―


    11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 01:16:19.20 ID:I41O9gl8o

    面白かった乙


    12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/19(火) 01:56:26.06 ID:Chxs7wpgo

    きれいに落ちたな 
    おつおつ


    13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/02/22(金) 09:41:56.28 ID:a4EhriD8O

    >>6 
    女教師の自宅トイレで若い男が死んでた事件思い出した 
    https://i.imgur.com/lV6xMly.jpg

    元スレ
    :http://sshouko.net/blog-entry-2978.html

    1: ◆Memo/g4n8M 2016/07/17(日) 22:03:16 ID:bqDg.nlg


    女「すぴー……」

    男「すやすや」

    女「んー……んふ」ムギュ

    男「んぐっ……ぐぅー」

    女「んふぅ……むにゃむにゃ」

    男「すーすー」モゾ

    女「んぁっ」ビクッ

    男「すやー」


    2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:04:21 ID:bqDg.nlg


    女「……ふわぁ。……おトイレ行きたい」ムク

    カチャ パタン

    男「ぐーぐー」

    男「んあっ。……布団、離れてる……」ギュッ

    男「……すぅすぅ」

    カチャ パタン

    女「んー、寝る」ドサッ

    男「ほわぃっ?! なになに?!」ビクッ


    3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:05:25 ID:bqDg.nlg


    女「んー。大きな声ださないで」

    男「おんなか! びっくりした! 本当にびっくりした!」

    女「布団」グイッ

    男「待って。まるでそうであるとばかりに二度寝しないで」グイッ

    女「なんでぇ。だってまだ起きる時間じゃないよぉ」

    男「ここはおんなの寝る場所じゃないの。俺の布団なの」

    女「……何時?」

    男「1時」


    4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:06:46 ID:bqDg.nlg


    女「じゃあ寝る」コロン

    男「だから待ってって。違うでしょ。そうじゃないでしょ」

    女「追い出すの?」

    男「ん?」

    女「真夜中の1時に女の子を家の外に追い出すんだ」

    男「え、俺が悪者?」

    女「それでもし私が悪い怖い人に襲われたらどうするの?」

    男「どうするのって言われても……」


    5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:08:11 ID:bqDg.nlg


    女「そんなことも考えないで追い出そうとするひどい人だったんだ」

    男「でも屋根を伝って入ってきたんでしょ?」

    女「……」

    男「……」

    女「…………」

    男「…………」

    女「おやすみなさい」

    男「待てよ。話しは終わってないぞ」


    6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:09:59 ID:bqDg.nlg


    女「仕方ないじゃん! お腹空いたらポテチ食べたくなっちゃうんだもん!」

    男「俺の部屋を食料庫かなにかと勘違いしてませんか?」

    女「なのになんで置いてないのよ」

    男「自分の分として買っているのにこの言われよう。もはや気持ちいい」

    女「食べたいのに食べられなかったら、さすがの私だってふて寝するよ!」

    男「まさか真面目にその論が通じるとお思いでございますか?」

    女「だから私は寝ることで抗議をします! おやすみなさい!」

    男「あれ? ポテチあるじゃない。いつものところに」


    7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:10:59 ID:bqDg.nlg


    女「なかったもん」

    男「ほら。これ」ワシャッ

    女「ないです」

    男「あるって。見てよ。コンソメ、海苔塩、醤油わさびと」

    女「ありません」

    男「あるって」

    女「ないの!」

    男「あります!」


    8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:14:29 ID:bqDg.nlg


    女「期間限定の蜂蜜梅たまごミルク味がないの!」

    男「……」

    女「そういうこと。おやすみ」ゴロン

    男「おんなはポテチが食べたくて俺の部屋に来てるの?」

    女「……なによ」

    男「それっていかがなものでしょうか。さすがにないよね」

    女「怒ってる?」

    男「お腹が空いたらポテチ。ポテチがあるから俺の部屋。おかしくない?」


    9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:16:45 ID:bqDg.nlg


    女「それは……だって……」

    男「これからもこんなことが続くなら考え直そうか」

    女「考えなすってなにを?」

    男「おんな。真面目な話な」

    女「……うん」

    男「料理をしよう」

    女「ばっちこい」


    11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:22:43 ID:bqDg.nlg


    男「夜間のお菓子で埋まるのは欲求だけ。小腹は空いたまま。それは覚えて」

    女「うん。覚えた」

    男「本当に覚えた?」

    女「覚えました」

    男「じゃあ言ってみて」

    女「満腹中枢を刺激したいならよく噛みましょう」

    男「そうだね。全く違うね。なにもかも違うね」


    12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:23:35 ID:bqDg.nlg


    女「蜂蜜梅たまごミルク味のポテチよりもおいしいものが食べたいです」

    男「そんなにおいしかったの?」

    女「まだ食べてないから分かんない」

    男「見えない敵と闘えって、それはもうシャドーボクシングと言うのだよ」

    女「あー……目がしっかりと覚めたせいでお腹が空いたな……」

    男「寝る前だから軽食でいいよね」

    女「え?」

    男「だって空いたって言っても腹の虫が鳴くほどでは」

    女「鳴れ。お腹の虫、鳴れ。鳴け」ペチペチ

    男「えー」


    13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:24:46 ID:bqDg.nlg



    女「鳴け、鳴――」グー

    男「……鳴いた」

    女「……聞こえた?」ポッ

    男「うん、まあ、聞こえました」

    女「やー、もうやだぁ。恥ずかしいなあ……」モジモジ

    男「え? 鳴かそうとしてたのに恥ずかしがるの?」


    14: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 22:25:38 ID:bqDg.nlg


    女「あのね。お腹が空いてます」

    男「存じております」

    女「早く台所に行きませんか?」

    男「住人を急かすとは新しいね。まあいいや、行こうか」


    20: ◆Memo/g4n8M 2016/07/17(日) 23:41:27 ID:bqDg.nlg


    ――――――
    ――――
    ――

    男「冷蔵庫は俺が見るから、外に出てる食材の確認をお願い」

    女「あるのを言えばいい?」

    男「うん。よろしく」

    女「塩、砂糖、しょうゆ、みりんと」

    男「それは食材じゃなくて調味料。缶詰や乾物にどんなのがあるかを教えてよ」


    21: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:42:33 ID:bqDg.nlg


    女「私も冷蔵庫の確認したいな」

    男「食べるじゃん」

    女「食べないよ。食べるけど」

    男「食べるでしょ」

    女「食べるよ。……食べないの?」

    男「食べるよ?」

    女「でしょ。じゃあ見せてよ」

    男「うん……ん?」


    22: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:43:28 ID:bqDg.nlg


    女「冷凍ご飯!」

    男「放置が過ぎるとぼろぼろになるよね」

    女「……ぼろぼろ」

    男「放置が過ぎました」

    女「ごま昆布!」

    男「甘しょっぱい昆布とごまの香ばしい香りが好きだよ」

    女「おいしい!」

    男「ほら食べた。食べちゃったじゃないか」


    23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:44:22 ID:bqDg.nlg


    女「たまご!」

    男「お米とごま昆布とたまごでちょっと豪華な卵がけご飯が出来上がるよね」

    女「かつおぶし!」

    男「さらにワンランク上の卵がけご飯を求めるあなたにおすすめ」

    女「マーガリン!」

    男「言わずとも知れた名脇役。卵がけご飯の甘さを引き立てる隠し味に使ってます」

    女「シャケ!」

    男「塩をふって焼くとご飯が足りなくなるメインディッシュ。シンプルっていいよね」


    24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:46:24 ID:bqDg.nlg


    女「まな板を準備します」

    男「はい」

    女「シャケを寝かします」

    男「はい」

    女「軽く塩をふって揉み込みます」

    男「はい。ここでのポイントはなんでしょうか?」

    女「身を崩さないように優しく優しく揉み込んであげてください」

    男「料理番組みたいな流れに便乗したものの、女がご飯作るの?」


    25: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:48:20 ID:bqDg.nlg


    女「……頑張る」

    男「ほう。じゃあヘルプ以外では手は出さないよ」

    女「レモンとオリーブオイルある?」

    男「あるよ。レモンはポッカなら」

    女「えーっと、野菜室に……ニンジン、ダイコン、キュウリ……合格」

    男「何かに合格した。なんだかすごく簡単そうな審査を突破した」

    女「シャケを焼きます。焼いて」

    男「ヘルプ以外で手を貸しませんよと、ついぞさっきに」


    26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:50:21 ID:bqDg.nlg


    女「ヘルプ!」

    男「なんて都合のいい! グリルでお好みの火加減は?」

    女「弱火。じっくり焼くのが好きだから」

    男「弱火ね。はい、焼き始めました」

    女「おんなのお手軽3分クッキング!」

    男「今から? 魚の下ごしらえをする前から始めないとずるくない?」

    女「まずは冷蔵庫からぼそぼそになったお米を出します」

    男「今焼いてる魚はどうなるの?」


    27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:53:20 ID:bqDg.nlg


    女「シャケはお手軽20分クッキング」

    男「ああ、違うのね。しかも20分ってまあまあの調理時間じゃない?」

    女「ぼそぼそになったお米をお茶碗に移して少量の水を加えます」

    男「チンするとある程度ふかふかになる小技ね」

    女「2分間温めます。はい」

    男「え? これにもヘルプ?」

    女「ヘルプ!」

    男「もうなんだろうね、これ。喜んで手足になりましょう」


    28: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:54:35 ID:bqDg.nlg


    女「卵と醤油とお箸の先端で僅かにつまんだマーガリンを容器に入れます」

    男「そうして?」

    女「混ぜます」

    男「ですよね。まさか3分クッキングって卵がけごはん?」

    女「はい」

    男「はい。期待を裏切らないね。おんなは」

    女「はい」

    男「はい。……どうしたの?」


    29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/17(日) 23:55:14 ID:bqDg.nlg


    女「はい。混ぜて」

    男「ああ、俺に差し出してたのね。その意味の『はい』なのね」

    女「そうして混ぜ終わりましたら」

    男「早い早い。まだかき混ぜるためのお箸すら握ってないです」

    女「早く早く。お腹空いた」

    男「焦ってもご飯が温まらないと食べられないでしょ」シャカシャカ


    34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:04:54 ID:SDqN0ILc


    チンッ

    女「炊けた」

    男「温まっただけです。2分にしては早くない?」シャカシャカ

    女「お腹が空きすぎて1分半にしました」

    男「もう30秒くらい我慢しようよ」

    女「混ぜた? 混ぜた?」

    男「混ぜました。どうぞ」


    35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:06:50 ID:SDqN0ILc


    女「鰹節! ごま昆布!」

    男「ああ、やっぱり卵がけごはんになるんだね」

    女「お醤油をかけます。『いの一番』をひとつまみ分ほどぱらぱらーと……」

    男「美味しそうだね」

    女「チチチッ。美味しそうじゃないの。ちゃんと美味しいのよ」

    男「卵がけご飯の入門編みたいなレシピだもんね。醤油の量さえ間違えなければ誰でも作れるし」

    女「そういうこと言う? あげないよ?」

    男「ごめんなさい。ひと口だけでもいいのでください」


    36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:08:51 ID:SDqN0ILc


    女「やはり人間は素直で奢らず謙虚で慎ましくあるべきだね。ひと口だけあげましょう」

    男「ありがとうございます」

    女「はい、あーん」

    男「……自分で食べるよ?」

    女「誰も見てないから。はい、あーん」

    男「いや、でもなんか気恥ずかしいし」

    女「あーん」

    男「……あーん。はむ……もぐもぐ」


    37: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:09:53 ID:SDqN0ILc


    女「ねー、美味しいねー」

    男「……お腹いっぱいです」

    女「うそ。一口で?」

    男「雰囲気で満たされました」

    女「雰囲気?」

    男「俺だけが知ることだから、おんなは美味しい卵がけご飯を食べな」

    女「なんだか上から目線。いいけどね。……もぐもぐ」

    男「でもその卵がけご飯、なんだか見た目が地味だよね」


    38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:11:25 ID:SDqN0ILc


    女「もぐもぐ。茶色い鰹節に黒いゴマ昆布、ご飯は黄色くても上にあるのがね、どうしても」

    男「ご飯、足りないよね。シャケ焼いてるのに食べちゃうなんて」

    女「……炊く」

    男「これから準備すると1時間半以上かかるよ」

    女「チンする」

    男「冷蔵庫にあるご飯はそのお茶碗1膳分で終わり」

    女「だけどですが、チンして炊けるご飯が戸棚の中にあったのです」

    男「なんど目ざとい」


    39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:13:04 ID:SDqN0ILc


    女「そろそろおシャケをひっくり返す時間です。でした」

    男「あっ、ちょっとだけ焦げの臭いが! やばっ!」

    女「焦げた部分は包丁で削り落とせばいいだけだから大丈夫」

    男「両面焼いてからガリガリするね。はい、ひっくり返しました」

    女「はい。食べ終わりました」

    男「……このシャケは誰のために焼いてるんだっけ?」

    女「2人分です。でした」

    男「でした、か。夜間に押し寄せる食欲はなんと強い」


    40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:14:01 ID:SDqN0ILc


    女「4人分のおシャケです」

    男「そっち? 1人分じゃなくて4人分?」

    女「私とおとことお義父さまとお義母さまで4人分でございます」

    男「この切り身を4人で分けると熾烈な争いにならない?」

    女「思うでしょ。思うよね。それは焼けてからのお楽しみ」

    男「ご飯はいつチンするの?」

    女「今からチンするの」

    男「ひとつでいいよね。おんなはもう1膳食べてるし」


    41: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:16:50 ID:SDqN0ILc


    女「おとこならひとつ丸っと食べられるでしょ?」

    男「夜だもの。炭水化物は抑えめに」

    女「私だけ太るんだ……そうやって私だけが太っていくんだ……」

    男「おんなに合わせて俺が太る必要ってあるの?」

    女「知らないからね! おとこの気付かない間に私は太っていくんだからね!」

    男「すごい。まったく心に響かないのになんだか不思議と怖い」


    42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:18:18 ID:SDqN0ILc


    女「夜にお腹が空く私の足は、気付けばこのダイコンの胴回りみたいにずっしりと」

    男「知ってた? 素直に睡眠を取るだけで解決するんだよ?」

    女「呼吸をするだけこのニンジンのように顔が赤くなり」

    男「あと間食もね。大好きだけどやめようね」

    女「でもくびれだけはこのキュウリみたいにきゅっと細く」

    男「それは都合が良す……ダイコン足にキュウリのくびれってバランス悪くない?」


    43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:20:23 ID:SDqN0ILc


    女「おとこさんおとこさん。おろし金をくださいな」

    男「おろし金は一番上の引き出しに入ってるよ。ダイコンをおろすの?」

    女「ピンぶー」

    男「ピンぶー?」

    女「3分の1だけ正解したときの効果音。ピンぶー」

    男「3分の1くらいならもういっそ不正解でいいです」

    女「キュウリとニンジンもすり下ろします」

    男「そいつらも?」


    44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:22:10 ID:SDqN0ILc


    女「この子たちもすり下ろすことで彩りが鮮やかになりまして」

    男「あまり見ないけどおいしいの?」

    女「おいしそうに思えないんだ。あー、そっか。男はまだ食べたことないんだ」

    男「ないねえ。味と食感がちゃんとマッチするかがすんごい不安」

    女「決めつけはダメだよ。案外美味しいかもしれないんだから」

    男「美味しいかもしれないのか。……かもしれないの?」

    女「私も食べたことないんだなあ。それが、意外と」

    男「ないんだ。まるで経験者の口ぶりだったのにないんだ」


    45: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:29:27 ID:SDqN0ILc


    女「すられたダイコンはいつみても綺麗だよね。見た目がみぞれみたいで冷ややかで」

    男「クールビューティだよね。なんか分かる」

    女「別の空き皿に移して、おろし金の受け皿をお水でさっと洗い流します」

    男「べつにダイコンの味が混ざったところで」

    女「その油断で取り返しがつかなくなるんです。はい、お次。ニンジンさんをごりごり」

    男「ニンジンって包丁で切るときもけっこう硬いからなあ。食感が想像できない」

    女「そう思うでしょ。でもね、削られていく彼女を見ててごらん」

    男「彼女なんだ。女の子なんだ」


    46: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:30:26 ID:SDqN0ILc


    女「っぽくない?」

    男「でもなんとなく分かる。確実に色合いのせいだけど」

    女「いくよ」

    男「いいよ」

    女「せーのっ」

    男「……」

    女「ぐわー! 体が削れていくー!」ガリガリガリ

    男「ひぃっ?! いきなりなに?!」


    47: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:36:29 ID:SDqN0ILc


    女「色からしてグロテスクに見えるかなって」

    男「これから口に入る食材でなんてことをするんだい」

    女「ニンジンはダイコンほど太くないから多めに使います」

    男「なるほどね」

    女「でも白に対しては強気に主張する色なので少なめで調整します」

    男「どっち?」

    女「適量です」

    男「そんな保身に回った適量の使い方があっただろうか」


    48: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:41:05 ID:SDqN0ILc


    女「すりおろしたらこの子別の小皿に入れます」

    男「いちいち新しい皿を使うのはもったいなくない?」

    女「いいの。それが料理なの。最後の出番のキュウリさん。少なめでいきます」

    男「でも多めでしょ?」

    女「白に浮かぶ赤を際立たせるためアクセント。あと少しだけ香りづけのために」

    男「本当に少なめでいいんだ」

    女「これだけ。5分の1もすらなくていいくらい」

    男「へえ。すくない」


    49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/18(月) 23:46:40 ID:SDqN0ILc


    女「ぐわーっ。からだが削れていくー」

    男「色、色が悪い。完全に地球外生命体の体液になってる」

    女「こうして地球は守られたのでした。ちゃんちゃん」

    男「いくら相手が侵略者だからって制裁がスプラッタすぎない?」

    女「そろそろシャケは焼けたました?」

    男「んーとね。焼けてるね。取り出すよ」

    女「忘れずにがりがりしてね」

    男「がりがり了解」


    50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:01:26 ID:JSXGutmA


    女「チンで炊けたご飯を盛る前に、卵がけご飯で使ったお茶碗を洗います」

    男「乾いた卵ってどうしてあんなにこびりつくんだろうね。執念だよね」

    女「そこまで乾かした経験はないです」

    男「そうですね。次回からはちゃんとすぐに洗います」

    女「がりがり終わった?」

    男「焦げは落としたよ」

    女「そしたら切り身をほぐして。ぽろぽろにバラバラに」

    男「なるほどね。それが切り身を4人で分け合う方法ね」


    51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:02:20 ID:JSXGutmA


    女「たしかジャムが入ってた空き瓶を残しておくお義母さまだったよね」

    男「そうね。便利だからって言っていつも保管してるね」

    女「必要ない分はそれに入れて冷蔵保存しておきます」

    男「母さんからすればシャケのほぐし身が冷蔵庫に突然現れたように見えるんだろうな」

    女「冷蔵庫を開けたついでに卵をひとつ取ってくださいな」

    男「……また卵? カロリーが凄いよ」

    女「また半分ずつにしよ?」

    男「さっきは俺がひと口だけです。詐称するんじゃありません。はい、どうぞ」


    52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:02:54 ID:JSXGutmA


    女「ありがと。だって美味しいんだもん。まろやかで」

    男「美味しいのは否定しないけどさ。ほどほどにね」

    女「今日だけの贅沢です。明日からは節制を誓います」

    男「3日続いたらご褒美にポテチをあげよう」

    女「……頑張る」

    男「頑張っちゃうんだ。ポテチの為の努力は完全に本末転倒でしかないけど」

    女「卵をわるんだけどね、ちょっとだけセレブっちなことしてもいい?」

    男「セレブっち?」


    53: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:03:35 ID:JSXGutmA


    女「白身を捨てます」

    男「とんでもないことを言い出した。すんごいもったいないから却下」

    女「じゃあ白身だけフライパンで焼きます。違う。チンします」

    男「白身もチン?」

    女「細身のスレンダーなコップってある?」

    男「あるよ」

    女「ちょっと待ってね。半分に割った卵の殻で黄身のお手玉をしないと」

    男「食べ物であそんではいけません」


    54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:04:20 ID:JSXGutmA


    女「違います。殻のぎざぎざで白身を切り離してるだけです」

    男「ごめんなさい」

    女「はい。白身だけが綺麗に落ちました。どう? ぷるぷるの黄身」

    男「黄身だけになっただけなのに倍くらいは美味しそうに見える」

    女「白身をコップに移して15秒。チンして」

    男「たった15秒?」

    女「それで十分に固まるの。ぷるぷるに」

    男「ぷるぷるの状態は固まっていると言えるの?」


    55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:05:17 ID:JSXGutmA


    女「はい注目! おんな先生に注目!」

    男「はい、先生。白身をどうぞ」

    女「ありがとうございます。でもこれは脇に置いちゃいます」

    男「使うためにチンしたんじゃないの?」

    女「だって元々はそんな予定なかったんだもん」

    男「そうね。じゃあ細かく切って朝食のサラダに混ぜようかな」

    女「ここに野菜3種のすりおろしと黄身とご飯とほぐし身のシャケがあります」

    男「もう美味しそう。並んだ材料を眺めるだけでご飯が進みそう」


    56: ◆Memo/g4n8M 2016/07/19(火) 00:06:03 ID:JSXGutmA


    女「まず最初にお茶碗にご飯を盛りまして……さあ、どうするでしょうか?」

    男「そこに黄身を置きまして」

    女「ハズレ。ここで納豆を冷蔵庫から取り出します」

    男「ずるくない? 選択肢になかった納豆が急に出てくるってずるくない?」

    女「醤油もタレも足しません。ほぐすために数回混ぜたらお米に乗せます。どちゃっ」

    男「擬音」

    女「納豆をドーナッツ状に乗せたら、その穴に黄身を置きます。べたっ」

    男「もうちょっと擬音に気を遣おうか。俺たちが食べる物だよ」


    57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:14:30 ID:JSXGutmA


    女「シャケのほぐし身をまんべんなく全体にぽろぽろ……」

    男「これは卵がけご飯? 納豆ご飯?」

    女「卵がけ納豆ご飯。種族の壁を取り払った融和と平穏を象徴する料理になります」

    男「いいね。おいしそう。見た目で既においしそう」

    女「これに納豆のタレをかけたら?」

    男「かけたら?」


    58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:15:34 ID:JSXGutmA


    女「かけたら?」

    男「かけたら?」

    女「……かけないの?」

    男「そっち? 『どうしてかけないの?』的な疑問だったの?」

    女「かけて」

    男「かけます。タレの袋を破きまして……ダシが詰まってそうな色してるよね」

    女「そうだよね。ほんのり甘いよね。味も匂いも」

    男「そういえば卵と納豆と米でしょ。納豆のタレだけで味は足りるの?」


    59: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:16:15 ID:JSXGutmA


    女「それはそうとして、混ぜて」

    男「え? 薄味だよ?」

    女「まーぜーるーのー。大丈夫」

    男「失礼いたします。そい」

    女「たくさん乗せたからもちゃもちゃ鳴ってる」

    男「擬音擬音。聞こえたままを口にされると食欲失せるよ」

    女「混ざった?」

    男「卵がけご飯に納豆が混ざり込んでる光景……これは人を選びそうだ」


    60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:17:57 ID:JSXGutmA


    女「おいしいのに?」

    男「美味しさと見てくれの良さはまた別の話しだし。俺は気にしないけど」

    女「だけどシャケだって混ざってるよ」

    男「その『だけど』でいったいどれだけの人が『じゃあ仕方ないか』って答えるとお思いで」

    女「私」

    男「うん、そうね。発案者だもんね。生みの親に否定されたらただのダークマターだもんね」


    61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:20:41 ID:JSXGutmA


    女「べっつにー好きな人だけ食べればいいですしー」

    男「ねえ。大根おろしたちの出番はいつ?」

    女「お茶碗の真ん中でも端っこでも好きな場所に乗せるだけ。そしたら完成」

    男「色の組み合わせがどうとか言ってたけど……こんなもんでいい?」

    女「完成嘘でした。おろしに醤油をちょっとだけかけて」

    男「そうだよね。このまま出来上がったら勝手に醤油を好き放題かけてました」


    62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:21:51 ID:JSXGutmA


    女「お好みでごま昆布とか、マーガリンとか」

    男「マーガリンを乗せるのはちょっと……」

    女「そうそう。マーガリンを乗せるならちょっとだけで」

    男「違います。今のちょっとは分量ではなくて、味が狂うんじゃないかっていう心配と抵抗です」

    女「……お好みだもの」

    男「え? そんな悲しげな顔をするほどだった?」

    女「……えい」

    男「あ、乗せた。後悔しても知らないよ?」


    63: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:22:31 ID:JSXGutmA


    女「意地でも美味しいって言うもん……あむ」

    男「……」

    女「もぐもぐもぐ……あむ」

    男「……どう?」

    女「んー……あむ」

    男「あれ? 美味しいって言わないの?」

    女「もぐもぐもぐ……ごくん。……んふふ」

    男「なにその幸せそうな笑み。ちょっとだけちょうだい」


    64: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:23:16 ID:JSXGutmA


    女「えい」

    男「うわっ。マーガリン乗っけた」

    女「これを食べたら分かるよ」

    男「……いやぁ……だってダイコンおろしに納豆に卵にマーガリンって……いやぁ……」

    女「あむ」

    男「あっ」

    女「もぐもぐもぐ……ごくん。あーあ、残念だなあ、美味しいごはんを一緒に食べられないだなんて」

    男「うぐっ」


    65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:25:27 ID:JSXGutmA


    女「……ざんねんだなあ」

    男「……食べます」

    女「言ったね。言ったね、聞いたからね。はい、あーん」

    男「あ、あーん……あむ」

    女「噛んで噛んでよく噛んで」

    男「案外……おいしい?」

    女「おろしを食べるとちょっとだけすっきりするよ。はい、あーん」

    男「そうね。あーん。もぐもぐ。うまい」


    66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:26:44 ID:JSXGutmA


    女「ね、ね? ねね? そうでしょ」

    男「んー、でもこれ。マーガリンは好き嫌いあると思うよ?」

    女「私は好きだからいいんです。マーガリンが」

    男「もうひとくちもらってもいい?」

    女「最後のひとくちしかないのに?」

    男「そう言われると気が引ける……おんなは食べたい?」

    女「おとこが食べていいよ。私の方が多く食べちゃってるし」

    男「ありがとうございます。ではフィナーレをいただきます。あむ」


    67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:28:07 ID:JSXGutmA


    女「でもさあ、今思ったんだけどね」

    男「もぐもぐ、んん?」

    女「料理っていうほどの料理じゃないよね。あまり料理感がないよね」

    男「もぐもぐもぐ……ごくん。いいんじゃない。軽食のつもりで作ったんだし」

    女「言いたくないけど、カップラーメンの方が早くておいしいと思うなあ」

    男「お湯を入れて3分待機と比べたらそりゃ勝てないよ。無理だよ」

    女「無駄という無駄を省いた洗練された3分は強いなあ……はぁ」

    男「俺はこれ食べてもカップラーメンとは比べる気にはならないけどね」


    68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:28:57 ID:JSXGutmA


    女「なんで?」

    男「だってこれはこれで美味しかったし」

    女「はー、優しいなあ。優しい彼氏を持って嬉しいですね。うりうり」

    男「なぜ脇腹を突つきますか」

    女「よし。もっと本読む。もっともっと本を読んでレパートリー増やす!」

    男「頭でっかちだなぁ」


    69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 00:29:42 ID:JSXGutmA


    女「ばかちんがあ。ぺんは剣よりも強し! 偉い人が言ってた」

    男「俺はもっと良い方法を知ってるけどね。女が出来るかどうかは別問題として」

    女「簡単?」

    男「簡単ではないかもしれないけど楽しいと思うよ。実際に楽しそうだったし」

    女「あー、分かった! それって、あれでしょ! ポテチ探」

    男「料理をしよう」

    女「ばっちこい」


    70: ◆Memo/g4n8M 2016/07/19(火) 00:32:12 ID:JSXGutmA

    おわり


    71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 01:49:21 ID:0nI4xyRk


    お腹すいた


    72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2016/07/19(火) 07:02:44 ID:BKu/pyCE

    なにこれたのしい。乙。


    元スレ:http://sshouko.net/blog-entry-3088.html

    1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:44:13.76 ID:NVRX8yZB0
    「なんで彼氏作らないの?」 

    なんてことを友達にしょっちゅう聞かれる。 
    その度に茶を濁すのは、けっこー疲れる。 
    真っ先に口をつく理由は、機会がないから。 
    恋人が爆誕するようなイベントに恵まれない。 
    それでも相手が納得しない場合は、こう言う。 

    「付き合うって、よくわかんないから」 

    クリスマスにかけて急増した大勢のカップル。 
    そいつらを眺めていると、不思議で仕方ない。 
    どうやって、相手を選んでいるのだろうか。 
    それが気になって、ちょっと聞いてみると。 

    「えっ? 告られたから、断る理由もないし」 

    なるほど。そうきたか。さっぱりわからん。 

    「もともと、付き合う気はあったの?」 
    「ちょっとはね」 
    「ちょっとって……ちょっとでいいの?」 
    「いいんじゃない? 今、すごく幸せだし」 

    ああ、そうですか。末永くお幸せに。畜生。




    2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:47:42.87 ID:NVRX8yZB0
    「じゃあ、ちょっと質問を変えるわね」 
    「何?」 
    「彼氏が欲しいとは思わないの?」 
    「すごく幸せになれるなら、是非とも」 

    極めて自然な回答だろう。誰でも幸せを望む。 

    「そんな風に受け身だから駄目なのよ」 
    「えっ? 駄目なの?」 
    「付き合った相手の幸せも考えてあげないと」 
    「あっ……はい。すみません……」 

    友人の諫言はまさに目から鱗の至言だった。 
    自分だけ幸せになれば良いのではない。 
    いつの時代の奴隷制度だ。あり得ない。 
    付き合うならば、相手の幸せも考えないと。 

    「なんか……めんどくさいなぁ」 
    「はあ……恋人が出来る日は遠そうね」 
    「ほっといて」 

    呆れられてもこればかりはどうしようもない。 
    相手を幸せにするのは、非常に大変だろう。 
    私が喜ぶことをしても、相手が喜ぶかは不明。 
    ましてや幸せの尺度や価値観など予測不能だ。 
    我々人間は個別の自我を持っているのだから。 

    「性格が合う人を見つけたら?」 
    「そんな人、居ると思う?」 
    「せめて、もう少し、協調性があったら……」 
    「なにそれ! どういう意味!?」 
    「短気なところも直したほうがいいわね」 

    本当に耳が痛い。私だってわかってるっての。

    3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:49:59.56 ID:NVRX8yZB0
    「悪い。先、帰っててくれ」 
    「あ、うん」 

    近頃、男友達の付き合いが悪い。 
    独りでトボトボ帰宅するのは、寂しい。 
    たぶん、彼女が出来たのだろう。 
    前に、それらしいことを口にしていた。 
    クリスマスにはデートをしたそうな。 
    そこで告白イベントでもあったのだろうか。 

    「……くそっ」 

    そこまで想像して思わず悪態を吐いてしまう。 
    帰りにゲーセンに寄ったり、マックを食べたり、公園のブランコに乗って駄弁りたいのに。 
    恋人なんてものが居るから、楽しみが減った。 
    どこの誰かは知らないけど、無性に腹が立つ。 

    「……ムカつくなぁ」 

    腹わたが煮えくり返って、ふと気づく。 

    「あれ? なんで、胸が痛いんだろ……?」 

    原因不明の胸の痛み。ズキズキする。痛い。 
    胃潰瘍か? それとも心筋梗塞の前兆? 
    怖くなって、駆け足で帰宅して、布団を被る。

    4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:52:14.91 ID:NVRX8yZB0
    「あ、もしもし? 実は、かくかくしかじかで」 

    不安になった私は、女友達に電話してみた。 

    『なるほど……それはズバリ、恋ね』 
    「はい?」 
    『あなたは彼に、恋をしてるのよ』 

    いやいや、まさか。少女漫画じゃあるまいし。 

    『一緒に帰れなくて、寂しいんでしょ?』 
    「……うん」 
    『彼を盗られて、腹が立ったんでしょ?』 
    「……うん」 
    『それは要するに、ヤキモチを焼いたのよ』 

    ヤキモチ、だと? これが、ヤキモチなのか? 

    『そのくらい、彼のことが好きだったのよ』 
    「そっか……だったら、やっぱり恋したくない」 
    『どうして?』 
    「だって、絶対に相手を幸せに出来ないから」 

    こんな醜い感情は相手を傷つけるだけだ。 
    だいたい、恋人がいる相手に恋するなんて。 
    そんな自分が許せなくて、私は通話を切った。 

    涙が止まらない。悲しくて、苦しくて、辛い。



    5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:54:38.14 ID:NVRX8yZB0
    「よう。昨日は悪かったな」 
    「っ……気に、しないで」 

    翌朝、いつもの調子で声をかけてきた男友達。 
    私は前髪で泣き腫らした顔を隠しつつ。 
    自己防衛の為に彼から距離を取る。保身第一。 

    「なんか顔、腫れてね?」 
    「あ、朝だから、むくんでるだけ……」 
    「なんか目、赤くね?」 
    「け、結膜炎だから、おかまいなく!」 

    結膜炎って。我ながら酷い言い訳で情けない。 

    「……何があった?」 
    「別に、何も……」 
    「どうして泣いてんだよ」 

    気づかれた。当然だ。涙を止められなかった。 

    「……あんたに、関係ないでしょ」 
    「関係ないって……なんだよ」 
    「いいからほっといて!」 
    「放っておけるかっ!」 

    悲しみ、後悔、羞恥、絶望、自己嫌悪。 
    こんな失恋イベントなんて、もう嫌だった。 
    まるでひと昔前の青春ドラマのような一幕。 
    それを鼻で笑っていた私が当事者になるとは。 
    一刻も早く、舞台から降りて、楽になりたい。 

    「私は、あんたの幸せを壊したくないの!」 

    泣きながら叫んだ悲鳴は、紛れもなく本心で。 

    「はあ?」 

    キョトンと首を傾げた彼には伝わらなかった。

    6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:57:12.10 ID:NVRX8yZB0
    「いや、だから、何回も言わせないでよ……」 

    物分かりの悪い男友達。本当に勘弁して。 
    こっちがどんな想いであんな恥ずかしい台詞を口にしたか、ちょっとは考えて欲しい。 
    しかし、先述した通り、我々は個別の自我を持って生きているわけで、意思疎通には言葉によるコミニュケーションが必要不可欠だった。 
    だから私は、ごほんと咳払いをして説明した。 

    「あんたにはもう恋人がいるわけで……」 
    「えっ?」 
    「えっ?」 

    どうにも認識に齟齬があるらしく、尋ねた。 

    「あんた、彼女出来たんじゃないの?」 
    「いや? 出来てないけど?」 
    「だって、クリスマスデートしたんでしょ?」 
    「違う。あれはデートなんかじゃない」 
    「どういうこと?」 
    「告られたけど、振ったから」 

    私の予想は半分当たりで、半分大外れだった。 

    「な、なんで……?」 
    「お前が好きだから」 
    「おっ?」 
    「お前が好きだから」 

    これは全くの予想外。会話をリセットしたい。

    7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/06(日) 23:59:51.75 ID:NVRX8yZB0
    「ごめん、ちょっと考えさせて」 

    とりあえず、シンキングタイムだ。熟考する。 
    男友達は別に付き合ってるわけではなかった。 
    クリスマスに告白され、それを振ったらしい。 
    その理由は、私を好きだから。好きだから。 
    私のことが好きみたいだ。私を好きなのだ。 
    よりにもよって、私のことを、好きなんて。 

    「もしかして、ドッキリ?」 
    「そうだとしたら、性格悪すぎだろ」 
    「今なら、あんまり怒んないであげる」 
    「怒らせるつもりはない。マジだから」 
    「なら、最近付き合い悪かったのはなんで?」 
    「クリスマスに告られてから……お前のこと、妙に意識しちまって……悪かったと、思ってるよ」 

    そう語る男友達の顔が、赤いこと赤いこと。 
    どうやら、マジらしい。マジで好きなのか。 
    これは参った。びっくらたまげた。降参です。 
    意識されていたとは。鈍感で大変申し訳ない。 
    さて、困ったことになった。断る理由がない。 
    そもそも、別段困っていない。むしろ嬉しい。 

    「……嬉しい」 
    「っ……お、おう。そうか」 

    思わず独りごちて、じんわり、喜びに浸る。 
    なにせ、私は昨晩、嫉妬に狂った女だ。 
    枕をズタズタに引き裂こうかと思ったほど。 
    それくらい、居もしない恋人を妬んだ。 
    せっせとヤキモチを焼きまくって、自覚した。 

    「私も、あんたが好き」 

    女友達の言葉に嘘はなかった。私は恋をした。



    8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 00:03:04.91 ID:6HhU37jU0
    「そ、そうか!」 
    「うん……だから、私は今、幸せ」 
    「それなら、良かった」 

    ほっとした様子の男友達に、質問してみる。 

    「……あんたは、今、幸せ?」 
    「ああ。もちろん、幸せだよ」 
    「それなら、良かった」 

    その返答に私もほっとする。上手く出来てる。 
    今この時、この瞬間、私の幸せは相手のもの。 
    相手の幸せも私のもので、お互い幸せだった。 

    「あ、あの、さ……」 
    「ん?」 
    「俺たち、相思相愛なわけじゃん?」 
    「だから?」 
    「だから、その……つ、付き合わね?」 

    まあ、そうなるだろう。想定の範囲内だった。 

    「その前に、警告しとく」 
    「は?」 
    「私、けっこー嫉妬しやすいみたいだから」 
    「お、おう」 
    「思い込み激しいし、協調性皆無だから」 
    「自信満々に言い切ることじゃないだろ」 
    「いつか、あんたにおしっこかけるかも」 
    「自重してくれ。頼むから」 
    「それでも、自信満々に付き合いたい?」 

    すると彼は不敵な笑みを浮かべ、自信満々に。 

    「おう。付き合ってくれ」 
    「不束者ですが、よろしくお願いします」 

    言質を取り、契約は成立し、恋人が爆誕した。 


    【ヤキモチを焼いたら恋人が爆誕した件】 


    FIN

    9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 00:25:34.95 ID:6HhU37jU0
    おまけ 

    「さて、覚悟はいい?」 
    「考え直すつもりはないのか?」 
    「ない」 

    付き合ってから、ひと月余りが経過した。 
    これまで、私はよく耐えた。本当に頑張った。 
    誠心誠意、清く正しいお付き合いを心がけた。 
    それなのに、この男ときたら。まったくもう。 

    「そもそも、あんたがモテすぎなのが悪い」 
    「それはどうしようもないだろ」 
    「付き合ってから、6回も告られるなんて!」 
    「俺のせいじゃない」 
    「あんたのせいよ! だから、責任とって!」 

    今から私はスケこましの彼氏にお仕置きする。 

    「なあ、やっぱりやめようぜ?」 
    「うるさい! 目を閉じろ!」 
    「マ、マジでやるつもりなのか!?」 

    何を今更。私はもともと、こういう女なのだ。

    10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2019/01/07(月) 00:27:15.38 ID:6HhU37jU0
    「おしっこかけるかもって、言ったわよね?」 
    「言われたけどさ……」 
    「じゃあ、口閉じて。飲んだら犯罪だから」 

    犯罪と言われ、慌てて口を噤む彼氏。従順だ。 

    「あんた、実はかけられたいの?」 

    返事はない。けれども、彼女だからわかる。 

    「だったら、お望み通りにしてあげる」 

    慈愛を込めて、おしっこをかけると、案の定。 

    「フハッ!」 

    ほら、やっぱり。思った通り。私達は同志だ。 

    「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」 

    その哄笑は悦びの証。私もまた、悦んでいる。 

    「ふぅ……幸せ?」 
    「ああ、幸せだ」 
    「私も、幸せよ」 

    改めて、付き合って良かったと、そう思えた。 


    【尿も滴る良い男】 


    FIN


    元スレ:https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1546785853/

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